オリンピックとアスリートを支え続ける〈オメガ〉【全5回】
Vol.3 パリ2024大会では勝敗を分けたポイントがいち早くわかるようになる!①
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パリ2024大会で〈オメガ〉は、選手やその他の対象物の動きをトラッキングするコンピューター ビジョン テクノロジーを導入する。これは一つもしくは複数のカメラシステムを組み合わせ、各競技用に特別にトレーニングされた人工知能モデルにデータを取り込んでいくもの。ライブで記録されていくデータは、勝敗の理由や選手の最終結果を決定付けた瞬間なども明らかにしていくそう。これはテレビ視聴者にとってはかなり嬉しいことだろう。また各競技の詳細な分析が可能となり、これまでのように選手のユニフォームの内側にタグを取り付けてデータを収集する必要が無くなったという。この高精度のカメラによって得られたデータは、我々が見るテレビでの視聴体験の向上や判定をサポートするリプレイツールなど、様々な役割を担うそうだ。
では、実際の競技ではどのように活用されるのか? 今回は、ビーチバレーボールと飛込競技を取り上げてみたい。
コンピューター ビジョン テクノロジーで使用される高解像度カメラ
ビーチバレーボールでは飛ぶボールも追跡する!
2人制の2チームが、長さ16m、幅8mの砂のコート上で対戦するビーチバレーボールでは、選手の正確な動きだけでなく空中を飛ぶボールまでも追跡。さらに各選手間の移動距離、選手とボールのスピード、ジャンプの高さやスパイク、アタック、ブロックなどのデータを記録していく。屋外、かつ足場の悪い砂浜での競技のため不測の事態が起こりがちな競技だが、今大会ではプレイの背景まで詳細に分析してくれそうだ。競技は、開会式翌日の7月27日にはじまり、8月10日までの15日間、毎日実施される。日本は女子代表の長谷川暁子/石井美樹組が出場(男子は残念ながら出場枠獲得を逃している)。
飛込競技では審査員の評価をサポート!
飛込競技では選手の競技開始からジャンプ、入水までをカメラが追跡。そして瞬間的にA Iと数学的アルゴリズムの組み合わせにより、飛び込みの3Dビジョンを生成する。画像データと計算された指標(滞空時間や入水速度など)を表示し、審査員が演技の質を評価するのに役立てるという。また飛び込む際の選手と飛込台の距離も追跡。この距離はセーフギャップと呼ばれる最小距離のことで、これが維持されていない場合は減点を受ける可能性がある。演技を評価する競技の判定は、視聴者にとってわかりづらい場合もあるので、上記のテクノロジーをテレビ視聴者向けに活用した放送にも期待したいところだ。
競技は7月27日〜8月10日までの間に行われ、日本からは荒井祭里(高飛び込み)、三上紗也可(板飛び込み)、榎本遼香(板飛び込み)、玉井陸斗(高飛び込み)、坂井丞(板飛び込み)各選手がメダルを目指す。
【column /〈オメガ〉が誇る重要な計時機器】
③モーションセンサーとポジショニングシステム編
〈オメガ〉は東京2020大会でモーションセンサーとポジショニングシステムを導入し、あらゆるライブデータを測定し、把握。競泳や陸上競技、はたまた馬術など様々な競技の正確な分析結果を提供した。それにより、たとえば陸上100m決勝で誰がベストスタートを切ったか? 水泳の自由形金メダリストは何ストロークして勝利したのか? などをデータで説明できるようになったのだとか。東京2020大会では7つの競技に使用され、計時の新時代を加速させた。この計時技術はパリ2024大会でも活用される。
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