オリンピックのような世界最高峰のレースでは接戦になることが多く、判定も僅差。前回大会の東京2020オリンピックでは、陸上男子200m準決勝で3人の選手が19秒99でフィニッシュラインを通過するという出来事が起こった。そんな同着のゴールに正確な判定を下したのが、〈オメガ〉のフォトフィニッシュカメラ“スキャン オー ビジョンミリア”。フィニッシュライン画像を詳細に分析し、3選手の公式順位を判定した。
第2回目は、そんな僅差も明確に判定するスキャン オー ビジョンに注目したい!
パリ2024オリンピックで導入されるスキャン オー ビジョン アルティメート
1秒間に4万枚のデジタル画像で判定
パリ2024オリンピックでは、フォトフィニッシュ技術の次世代モデル“スキャン オー ビジョン アルティメート”を導入する。そもそも写真判定カメラ“スキャン オー ビジョン”が初めて使用されたのが1992年アルベールヴィル大会。これによりタイムが1000分の1秒単位でデジタル測定されるようになった。そこからカラー化や1秒間に1万枚のデジタル画像の記録という進化を遂げ、ついにスキャン オー ビジョン アルティメートでは1秒間に4万枚のデジタル画像の記録ができるようになった。
これにより、審判は極めて鮮明な画像をもとに、より迅速に結果を決定できるようになるという。スキャン オー ビジョン アルティメートは、今大会で陸上競技と自転車トラック競技の公式結果を判定することが決まっている。こちらにも是非ご注目を!
ゴールラインがテープから光線へ
第二次世界大戦による中断からオリンピックが復活した1948年サンモリッツ大会。ここでスポーツ計時の歴史を変える新技術フォトセルが〈オメガ〉によって初導入された。ゴールラインにはフォトセルが放つ光線が横切り、それを一番手の選手が超えた瞬間に計時をストップ。1000分の1秒の精度で測定できるまでに進化をした。リオ大会からは4つのフォトセルが一つになった装置にアップデート。選手がどんな姿勢でゴールラインを越えても正確な探知が可能となっている。
〈オメガ〉はいかにして100m走を計時しているのか!?
陸上競技の花形100m走。このわずかな距離のレースを、〈オメガ〉は以下の6つのポイントで計時している。
①スターティング ブロック
②電子スターティング ピストル(詳しくはこちらへVol.1 タイムキーピングヒストリー:視聴者のハラハラとドキドキを創出)
③フライング検知システム
④フォトセル⑤写真判定カメラ(スキャン オー ビジョン アルティメート)
⑥写真判定画像(スキャン オー ビジョン アルティメートによって作成された合成画像)
大興奮のレースとともに、計時の精度に目を配るのも一興だろう。女子100m決勝は8月3日21時20分〜、男子100m決勝は8月4日21時55分〜にスタートする。
【column /〈オメガ〉が誇る重要な計時機器】
②陸上競技用スターティング ブロック編
かつては選手が自らシャベルを使い、穴を掘ってスタートをしていた陸上競技。1948年のロンドン大会ではスターティング ブロックを公式採用。そして1984年ロサンゼルス大会で、〈オメガ〉がフライング検知システムを組み込んだスターティング ブロックを導入した。
この機器は29kg(女子選手は27kg)の圧力がかかった瞬間に選手の反応時間を測定。選手はスタートシグナル後0.100秒まで動き出してはいけないルールにより、スタート後0.100秒未満で反応を検知するとフライングの信号が発せられる仕組みとなっている。現在ではさらに高精度となり、電子スターティングピストルからのスタート音が発せられるスピーカーが付属され、各レースの選手たちが全員同時にスタート音を聞くことができる。
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