野生動物さえ越えられない地に建つ豪華なロッジ〈シェルドン・シャレー〉
かつて北米大陸最高峰のデナリへ行くには、登山家としての修練を積み、現地ではテントに泊まり、フリーズドライの食料を食べ、悪天候と闘わなくてはならなかった。まさに命がけ。それが今、伝説のブッシュ・パイロット(辺境へ物資を運ぶ仕事)が抱いた夢を、彼の家族が引き継ぐことで一変。誰もが快適なひと晩を過ごせるようになった。しかも凄腕シェフやコンシェルジュがスタンバイする超一級のステイで。その夢というのが、野生動物さえ越えられない地に建つ〈シェルドン・シャレー〉だ。
- SERIES:
- 眺めのよいホテル! vol.9
photo by Chris Burkard
この豪華なロッジが位置するのはルース氷河を見下ろす、デナリの南側の標高1773m。ヌナタク(氷河の露出した頂)に360度囲まれた、広大なアンフィシアター(円形劇場)にぽつりと佇んでいる。ここに到達するには、道も鉄道もトレイルもなく、ヘリコプターなどの空路のみ。ロッジへ向かう機内ではムースやコヨーテなどを見下ろし、到着するやいなや、驚異の自然に圧倒される。
ロッジは1階にダイニング、2階に5つの客室があり、最大10名まで滞在が可能。各部屋からは約16㎞までに迫る神々しいデナリの山頂や、ギザギザとした氷河の頂を愛でられるようデザインされている。そして食事はワールドクラスのシェフによる、地元食材を生かした美味なるアラスカ料理がずらり。
このロッジの最大の特徴が、熟練ガイドが案内するアクティビティ。アラスカで唯一通年営業しているため、真冬のデナリが体験できる貴重な存在だ。そのラインナップは初心者からOKなものから、チャレンジングなものまで、季節によっていろいろ。9~4月の冬ならば、大空を舞うオーロラや流星群の観察ツアーはマスト。写真家の星野道夫を魅了した、デナリを背景にした壮大なオーロラを、是非その目に焼きつけて。
カバ材のテーブルを中央に置くダイニング。シェフが腕によりをかけて作る、クリエイティブなアラスカ料理が供される。夏には氷河でランチも可能。
暖炉を中央に置く、心地いいスペース。5室で10名まで滞在でき、貸し切りのみ。オールインクルーシブの宿泊料には食事、ガイド付きアクティビティ(アウトドア用の服装やギア込み)が含まれる。
私有のヌナタクにぐるりと囲まれた、2階建ての高級ロッジ。サウナや展望デッキでもくつろげる。建設に3年を費やし、2018年開業。
広大なルース氷河にある、約90㎢ものドン・シェルドン・アンフィシアターにそびえる高峰デナリの南側。満月に照らされる氷河や、朝日に赤く染まる氷の峰々を望む。
アンカレッジから最寄りの街、登山基地でもあるタルキートナまでクルマで約2時間。そこからヘリコプターで約1時間。アンカレッジから空路でアプローチも可能。
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●シェルドン・シャレー(Sheldon Chalet)
住所:5800 feet elevation in the Don Sheldon Amphitheater of Denali's Ruth Glacier. Talkeetna, AK 99676
TEL:+1-907-733-2414
料金:ゲストルームUS$7万5000 ~(4名まで料金、3泊以上、ギア付きガイドや食事などを含む)
URL:https://sheldonchalet.com/
雑誌『Safari』2月号 P184~185掲載
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