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2022.09.18


【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地

人を拒絶するようなツンドラの荒地、そびえ立つ神の山デナリ。野生動物たちが目の前で躍動するアラスカの大地は圧倒的なスケールでビジターを驚かせる。そんな孤高の国立公園、デナリへ案内しよう。


アラスカ州
デナリ国立公園

【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地9月上旬、ツンドラ帯は秋を迎えて赤や黄色に色づく。まもなく訪れる冬を前にした短い秋は、デナリ国立公園が一瞬の美しさを見せる季節だ

デナリ国立公園は、いくつかの点で桁外れの存在感を示す。まず、2万4585㎢という広大な面積。これはヨセミテ国立公園の8倍に相当する広さ。北米最高峰のデナリ山は、600mの平地から立ち上がり比高5500mの威容を誇示する。これはなんと、エベレストの比高3700mよりはるかに高い。

パーク内のほとんどの敷地はマイカーの乗り入れが禁止。これは、グランドキャニオンやヨセミテが観光客であふれ、商業的に成功しているのとは対照的にストイックに自然を尊重していることの表れ。人やクルマを排除したことで、真の主役である手つかずの自然が際立つというわけ。グリズリーベア、ムース、カリブーなどの大型野生動物が躍動し、ツンドラの荒地を可憐な花が彩る。想像をはるかに超える異次元の空間がここにある。

シャトルバスを利用する観光スタイルもユニークだ。ドライバーのおしゃべりを聞きながら針葉樹林帯を出発したバスは、永久凍土に覆われたツンドラ帯へ。と、突然、カリブーの群れに遭遇してバスが止まる。……実はドライバーたちは動物が現れるポイントを熟知。乗客たちが写真撮影を終えるのを待って、バスはゆっくりと次のポイントへ向かう。約8時間のバスの旅は、ハイキングコースで途中下車することも可能。次に来るバスに手を挙げれば自由に乗ることができる。このシステムをうまく利用して、効率的に楽しむのが旅のテクニックだ。

さて、お目当てのパークを象徴するデナリ山だが、そう簡単に会うことはできない。霧や雲が出やすく、夏の観光シーズンにきれいに姿を現す確率は20%とか。デナリとはネイティブ・アメリカンの言葉で“グレート・ワン”の意味。もしも、偉大な山を自分の目で見届けることができたなら、アラスカの神がくれた幸運に感謝するべきだろう。

【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地秋になると国立公園のエリアでも、オーロラが観測される。ビジターセンターの情報をチェックし、チャンスを逃さないようにしたい

紅葉とオーロラ、劇的な初秋の極地へ!

Point 1
神の山、デナリ!


【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地北米最高峰のデナリ山は約6190mを誇る。1897年に第25代大統領ウィリアム・マッキンリーに因んでマッキンリー山と名づけられた。しかし、厚い信仰を寄せるネイティブ・アメリカンの呼び名を尊重する動きが生まれ、1980年に国立公園の名称を変更。2015年に山の名前も正式に“デナリ”となった。日本人にとっては、探検家の植村直己が登頂成功後に消息を絶ったことで記憶に残る。今も年間に800人ほどの山男がピークを目指す。

Point 2
園内巡りはシャトルバスで!


【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地パーク内はマイカーの乗り入れが完全に規制されているため、シャトルバスかツアーバスを利用する。シャトルバスはスクールバスを改造した車両を利用。乗り心地は劣るが途中下車してハイキングを楽しむことができる。バスドライバーが動物を見つけると臨機応変に停車して撮影タイムになるのも醍醐味だ。ときに乗客が先に動物を発見して叫ぶこともある。料金も安い。一方、ツアーバスは乗り心地がよく、運転者による解説もつく。

Point 3
最奥部に建つ伝説のロッジ!


【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地パーク内の宿泊施設は多くない。せっかくの大自然を満喫するなら、園内を走るジョージ・パークス・ハイウエイの終点、カンティシュナにある〈キャンプ デナリ〉に泊まりたい。かつて金鉱として栄えたカンティシュナは、デナリ国立公園の最奥部。ロッジ式の施設は周囲の景観ともマッチしており、これ以上の立地はない。送迎などのサービスも5つ星で、最高の思い出となるはずだ。
●キャンプ デナリ
住所:P.O. Box67, Denali National Park, AK 99755
TEL:+1-907-683-2290
URL:https://campdenali.com

Point 4
アラスカの“ビッグ5”を狙え!


グリズリーベア

ムース

オオカミ

ドールシープ

カリブー

数ある国立公園の中でも、デナリ国立公園ほど野生動物との遭遇確率が高いところはない。グリズリーベアは地球上最大の熊だが、親子で遊ぶ姿は思いのほか愛らしい。500㎏を超えるシカ科の王者ムースの存在感は、一度見たら忘れられないはず。繁殖期を迎える秋には、雄々しい姿を目撃する確率もアップ。写真家の星野道夫が愛し、追い続けたカリブーの群れ、荒地を行くアラスカオオカミ、岩の斜面に現れる真っ白なドールシープなど、大型動物の“ビッグ5”が次々と目の前に現れる。

Point 5
車窓から絶景を望めるアラスカ鉄道


【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地アラスカ鉄道はキーナイ半島南部のスワードとフェアバンクスを結ぶ貨物鉄道。夏の観光シーズンだけ旅客車両を運行している。アンカレッジからデナリ国立公園駅まで、のんびりと7時間半をかけて針葉樹林を進む姿は旅情にあふれる。ルーフがシースルーになったドームカー(展望車)は、是非体験したい。また、豪華な座席と食事が提供されるゴールドスターサービスもおすすめだ。

Denali National Park and Preserve
本部:Mile 237 Highway 3, Denali Park, AK 99755
TEL:1-907-683-9532
URL:https://www.nps.gov/dena
開園:年中無休(冬期間は天候によって道路、施設が閉鎖されることがある)
入場料:16歳以上$15 ※7日間有効
国立公園指定:1917年2月26日
面積:2万4585㎢


旅の準備
デナリ国立公園の最大の楽しみは、大型野生動物との出会い。双眼鏡、カメラの望遠レンズは必携。ハイキングをするときには、安全のため熊除けの鈴が必要。

旅のヒント
シャトルバスの予約は6カ月前から始まる。早めに計画を立て、まずバスと宿を押さえるのが肝心。キャンピングカーで周辺のキャンプ場に泊まるのも楽しい。

注意点
山の天気は変わりやすい。パッカブルのウインドブレーカー、レインウエアは忘れずに。シャトルバスは8時間以上の長丁場。水や食料も十分に用意したい。

ベストシーズン
シャトルバスが本格的に稼働する6月上旬からハイシーズンとなり、8月がピーク。人出が落ち着く9月上旬がおすすめ。ツンドラが色づき、オーロラ観測も可能だ。

行き方
【デナリ国立公園】大型動物が闊歩し、偉大なる山がそびえるアラスカの大地国際線が発着するアンカレッジが旅の基点。デナリ国立公園まではレンタカーかアラスカ鉄道での移動となる。また、タルキートナまで飛行機の便もある。宿泊、バスを含むツアーも便利。

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Information

雑誌『Safari』10月号 P188~191掲載

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文=牧野森太郎
text : Shintaro Makino photo by AFLO
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