Neo Classic Movie
青春を思い出す懐かしい映画10選!
この夏、公開された『トップガン マーヴェリック』。オープニングを観ただけでテンションが上がり、当時感動した記憶が一気に蘇ってきた。きっと観た人はそんな思いを抱いたはずです。小さい頃は家族と映画館に行くのが特別だったし、そして初デートは映画なんてパターンが定番ながら、お洒落でしたよね。そう考えてみると、映画は瞬間瞬間の自分をはっきりと思い出させてくれるアルバムのような存在かもしれません。
『スタンド・バイ・ミー』で冒険心を覚え、『アンタッチャブル』で男の渋さを知り、『ショーシャンクの空に』で人間愛に号泣。そして『レオン』で人間の孤独と向き合う。映画が自分の成長の証であるなら、大人になった今、もう一度その映画を観直してみるのも面白いはずです。年を重ねた今観ると、同じストーリーでも当時とは全く違った感情が湧いてくるかもしれません。そして、多忙な毎日で忘れそうになっていた若かりし日々の情熱を取り戻すことができるかも。1980年代~’90年代の名作を集めたので、是非秋の夜長に浸ってみてください。
『トップガン』
この夏、続編『トップガン マーヴェリック』が大ヒットし、改めて本作の偉大さがクローズアップされています。それまで若手有望株という位置にいたトム・クルーズが、一気にハリウッドのトップへと登りつめた『トップガン』。主人公"マーヴェリック"(パイロットのコールサイン名)が、アメリカ海軍の訓練学校でエリートパイロットを目指す物語。当時の映画としては常識を超えるリアルな実写で、戦闘機のドッグファイトを映像化。主人公の成長ドラマに、友情や恋、思わぬ悲劇がうまく盛り込まれ、音楽とシーンの完璧なマッチなど、今観直してもエンタメの見本のような作りで古臭さはゼロ。続編とのリンクを確認すれば、さらに胸が熱くなります!
製作年/1986年(110分) 監督/トニー・スコット 出演/トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、バル・キルマー
『ショーシャンクの空に』
刑務所が舞台の映画には傑作が多いですが、“生涯のベストワン”に推す人もいる、名作中の名作。妻とその愛人を殺害した容疑で、ショーシャンク刑務所に送られたアンディが、一風変わった性格や銀行マンとしての知識などを利用して、所内で特別な存在になっていく。20年もの刑務所生活には多彩なエピソードが盛り込まれ、あまりに劇的なクライマックスまで一瞬も飽きさせません。原作はホラーで有名なスティーヴン・キングの短編。所内で親友となったレッドとの関係を軸に、人間として生きる幸せや、誰かを信頼する大切さに素直に感動してしまうはず。美しくも優しいラストが心に残るが、ここまでビールが旨そうな描写があるのか……など名シーンの宝庫。
製作年/1994年(142分) 監督/フランク・ダラボン 出演/ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ボブ・ガントン
『スタンド・バイ・ミー』
公開時から現在に至るまで本作が色褪せないのは、主人公たちの友情と冒険に誰もが少年時代を重ね合わせてしまうから。作家になったゴーディが、12歳の夏を回想する物語。オレゴンの田舎町で、ゴーディら4人の仲間が、行方不明になった少年の死体を探す旅に出る。個性あふれる仲間の会話、列車に追われながら鉄橋を走るシーンなどに一喜一憂し、タイトルにもなったベン・E・キングの名曲が心に沁みます。子役たちの瑞々しさにも感動するが、23歳の若さで亡くなったリバー・フェニックスの、クールな名演が忘れがたい。
製作年/1986年(89分) 監督/ロブ・ライナー 出演/ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン
『ストリート・オブ・ファイヤー』
©Everett Collection/Aflo
かつて愛した女性が無法者たちに誘拐され、男は街に戻ってきた……。西部劇を思わせる古典的ストーリーを、ロックやR&Bが彩り、1980年代に流行したMTVを思わせるスタイルで映像化。冒頭のライブシーンから鳥肌が立つほどのハイテンション! バイクや銃撃による激戦、鉄のハンマーを使った一騎打ちなどアクションもド迫力に演出され、寡黙で表情を変えない主人公像は、今観ても間違いなく格好いい。
製作年/1984年(94分) 監督/ウォルター・ヒル 出演/マイケル・パレ、ダイアン・レイン、リック・モラニス
『スピード』
©Moviestore Collection/Aflo
革新的アイデアが成功した、アクション映画の見本です。時速80㎞以下になると爆発する装置が仕掛けられたLAの路線バス。SWAT隊員が乗り込み、大惨事を止めようと攻防する。事件に集中し、危機が次々と訪れるジェットコースターのような展開は、まさにタイトルそのもの。現在もアクション映画のトップスターとして活躍する、キアヌ・リーブスの原点といっていい。彼は出ていないが続編も作られました。
製作年/1994年(116分) 監督/ヤン・デ・ボン 出演/キアヌ・リーブス、デニス・ホッパー、サンドラ・ブロック
『アンタッチャブル』
©Album/Aflo
禁酒法時代のシカゴが舞台。酒の密造や密輸で儲けるギャングのアル・カポネと、彼を逮捕しようとする捜査官たちの壮絶な闘いを描く。実力派スターたちの圧巻の演技合戦、1930年代のシカゴの街を完璧に再現した美術、アルマーニが協力したスーツなど、あらゆる要素が重厚な味わい。1925年の名作『戦艦ポチョムキン』をヒントにした大階段のシーンは、アクション映画の“伝説”として語り継がれています。
製作年/1987年(119分) 監督/ブライアン・デ・パルマ 出演/ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア
『パルプ・フィクション』
©Moviestore Collection/Aflo
1990年代の映画界を席巻した才能といえば、タランティーノ監督。映画オタクとしてのネタを詰め込みつつ、強烈なキャラとセリフの妙。予想不能の方向にもっていかれるドラマ、音楽の使い方などで、ひとつの頂点を極めた本作。ボスの情婦と一夜をともにする殺し屋や、八百長試合を強いられるボクサーらの運命が交錯していく。J・トラボルタとU・サーマンのダンスなど、不思議なノリに酔わされる快作です。
製作年/1994年(154分) 監督/クエンティン・タランティーノ 出演/ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン
『リバー・ランズ・スルー・イット』
©Photofest/Aflo
太陽の光が美しく反射する渓流に、釣り糸が風に乗って弧を描く……。子供時代からフライフィッシングに夢中になった兄弟。まじめな性格で教員となった兄。そして自由な生き方を選び、賭博に溺れる新聞記者の弟。なにもかも真逆の兄弟に待つ運命に切なく胸がかきむしられ、モンタナ州の大自然を捉えた映像美がいつまでも心に刻まれる珠玉作。弟役のブラッド・ピットは本作でその人気が決定的に。
製作年/1992年(124分) 監督/ロバート・レッドフォード 出演/クレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、トム・スケリット
『メジャーリーグ』
©Everett Collection/Aflo
問題だらけのメンバーが一致団結し、強い相手に立ち向かう。そんなチームスポーツ映画の魅力を最高レベルで達成した1本。拠点を移すため最下位を狙うインディアンスの新オーナー。集められた三流選手は発奮し、リーグ優勝を目指す。クライマックスの対ヤンキース戦は異様な盛り上がり! 大谷翔平の活躍ですっかり身近になったMLBだが、30年以上前の本作でも、そのスケールやファンサービスを実感。
製作年/1989年(107分) 監督/デヴィッド・S・ウォード 出演/チャーリー・シーン、トム・ベレンジャー、コービン・バーンセン
『レオン』
殺し屋稼業の中年男レオンと、12歳の少女マチルダ。NYのアパートの隣で暮らす2人だが、麻薬組織がマチルダの家族を殺害。レオンが彼女を保護する。大都会の片隅で、互いを支え合いながら育んでいく、ぎこちなくも愛おしい絆。一方で壮絶な復讐劇へとなだれ込み、訪れるのは衝撃の結末……。エモーショナル&ハードな展開が多くの人の心を鷲掴みにしました。孤独な殺し屋役のJ・レノ、敵役G・オールドマンの狂気、そしてオスカー女優として成長するN・ポートマンの天才子役ぶりと、俳優たちも魅力をマックスに発揮。
製作年/1994年(110分) 監督/リュック・ベッソン 出演/ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン
『Safari me time』Vol.9 P10~11掲載