渋谷駅から徒歩3分の場所に位置し、B1と2Fに220席を用意している
渋谷駅から渋谷公園通りを進むと右手に見えてくるのが、韓国No.1 バーガー&チキン店のマムズタッチ。かつてマクドナルド渋谷店があった場所に、日本第1号店を4月16日にオープンさせた。オープンから1週間経っても行列が絶えず、ひとまずはトレンドに敏感な渋谷の若者たちのハートを掴んだようだ。今回、オープンに先駆けて、マムズタッチ日本法人代表イ・ギョンミンに日本での事業展開について話を聞いた。
―――日本第1号店を渋谷に出店した理由をお聞かせください
「渋谷は世界的なグルメ都市である東京の心臓部であり、流動人口が多く、新しいものへの関心が高い若い世代が多く訪れる場所です。当社はできるだけ多くの日本のお客様に私どものブランドと独自の商品が適正な評価を受け、それを通じて日本全体の市場で認められることを目指しています。その第一歩として最適な場所が渋谷だと判断し、指名しました。韓国文化が発達した新大久保も考慮しましたが、単に“Kフードトレンド”に便乗するのではなく、庶民的な日本のお客様にひたすら味と品質で認められたいという戦略的な出店意図もあります」
丸ごとモモ肉のジューシーさとサクサクの食感が楽しめるマムズタッチのシグネチャーバーガー、サイバーガー520円(単品)
マムズタッチは1997 年に韓国国内で1号店を開店。以来、1421店舗を展開(2024年2月時点)している、韓国No.1のバーガー&チキンブランドだ。店名の由来は『母の温かい手』。提供スピードを重視したファストフードではなく、お母さんの料理のように、厳選素材を使い、オーダーを受けてから真心込めて店内のキッチンで作り上げる手作りにこだわっているという。国内では“神コスパ”ブランドとの呼び声も高く、その味のクオリティの高さと手に取りやすい価格から、韓国では多くの支持を集めている。
2021年より本格的な海外展開を開始していて、現在はアメリカ、タイ、モンゴルに進出。日本は 4 カ国目の海外進出となるが、ほかとは異なるのは、この渋谷マムズタッチが海外で初めての直営1号店となるということだ。つまりはそれだけ、重要視しているということになる。
―――日本を重要国と位置づけているとのことですが、どういう狙いがあるのですか?
「日本はGDPが高く、味と品質に敏感な最高水準の外食文化を持つQSR(Quick Service Restaurant)先進国に数えられています。マムズタッチは韓国ではすでにNO.1ブランドの座を強固にしていますが、グローバルスタンダード以上の味と品質、サービスクオリティ維持などブランドの持続可能な発展を図るためには水準の高い日本の消費者に確実に認められることによって発展できると思います。そのため、現在、日本を最も主要なグローバル市場の一つと考えています」
本場韓国のプルコギをハンバーガーで再解釈した本格プルコギバーガー550円(単品)
初上陸にあたり、マムズタッチのシグネチャーメニューで累積売上個数 5 億個以上を記録する主力商品の『サイバーガー』に加えて、渋谷マムズタッチでのみ販売する特別メニュー『本格プルコギバーガー』も用意。いずれのメニューもキッチン内での手作業で行う手作り方式を採用。他のファストフードブランドとの差別化を図っている。
―――日本市場で成功するには、どこがポイントになるとお考えでしょうか?
「結局のところ、外食の根本は味です。マムズタッチが韓国市場で業界の後発ランナーであるにもかかわらず、数十年間市場をリードしてきたグローバルブランドを抜いて、売り場1位になった競争力は、結局他社と比較できない圧倒的な味と品質(量)でした。日本でも消費者が従来のQSRブランド(ファストフードブランド)では経験できなかった、お店で直接製造する優れた味と新鮮さ、ボリュームたっぷりの量を積極的にアピールする計画です」
特製甘辛ソースを絡めたクセになるおいしさの骨なしヤンニョムチキン490円(2ピース)
韓国国内ではロッテリア、ケンタッキーフライドチキン、バーガーキング、マクドナルドを抑えて店舗数がNo.1の1420店舗にまで拡大している。この勢いは日本国内にも広がるのだろうか。すでに昨年10月に渋谷にポップアップストアを3週間限定でオープンしており、その際にはサイバーガーが1万1000個売り上げるなど、初上陸への準備に抜かりはないようだ。
「日本のQSR市場内のライバルは韓国の状況と似ていると見ています。韓国にマクドナルド、バーガーキング、KFC(ケンタッキーフライドチキン)など多数のグローバルブランドとマムズタッチ、ロッテリアのようなローカルブランドがあるように、日本もマクドナルド、KFCなどグローバルバーガーブランドとモスバーガーのようなローカル強者が激しく競争しています。今回の『渋谷マムズタッチ』直営店出店を通じてマムズタッチのブランド哲学を移植し、同時に今後日本市場でマムズタッチブランドを共に成長させる力量のあるパートナー社を探しています。現地パートナー社と共に10年以内に1000店舗以上の運営を目標にしており、中長期的にマクドナルド、KFC、モスバーガーのように日本どこでも利用できるブランドに育てていく計画です」
このGWでは、渋谷を訪れる人たちにとってのホットスポットのひとつになることは間違いない渋谷マムズタッチ。トレンドから定番へとどう日本で馴染んでいくのか、これからの動向に注目していきたい。
「マムズタッチは、最初は10代、20代の若い世代を中心に人気を集めていましたが、現在、老若男女誰からも愛されるブランドに成長しました。マムズタッチブランドのターゲットは全年齢ですが、『渋谷マムズタッチ』は商圏の特性上、若年層に合わせようとしました。 しかし、全年齢ともに好きになると思います。日本でも消費者が従来のQSRブランドでは経験できなかった、お店で直接製造する優れた味と新鮮さ、ボリュームたっぷりの量を積極的にアピールする計画です」
イ・ギョンミン/マムズタッチ戦略企画本部長兼新規事業本部長兼日本法人代表
●渋谷マムズタッチ
住所:東京都渋谷区神南1丁目23-13
営業時間:10:00~22:00