新しくなった〈キンプトン新宿東京〉の“ディストリクト”で、今宵は大人の時間を満喫!
〈キンプトン新宿東京〉は2020年10月2日に日本初上陸したラグジュアリーライフスタイルホテル。新宿の喧騒から少し離れた閑静なエリアに位置し、大人のムードが漂うということで、支持を得ている。メインダイニングの〈ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ(District – Brasserie, Bar, Lounge)〉は2024年4月1日にコンセプトを新たにし、ダイニング、ラウンジ、テラスがしっかりとゾーニングされ、それぞれの場所でそこだけのスペシャルなメニューが体験できるようになったのだ。
エグゼクティブシェフのトーマスさん
シェフを務めるトーマスさんは東南アジアにルーツがあり、幅広い知見とアイデアによってジャンルレスな料理を紡ぎ出す。エキゾチックなフレーバーと西洋料理の豊かな味わい、和食の繊細な旨味が織りなす料理は特筆するべきところ。
どのエリアも魅力的なのだが、早速フーディーたちの間で話題になっているのが、ダイニングで楽しめる“おまかせディナーコース 5th Avenue”(1万5000円)だ。シグネチャーが詰まった全9品のフルコース仕立てになっていて、メリハリのある展開になっている。
メニューはその日のシェフおまかせなので、日によって内容は変わるが、いくつかメニューを紹介しよう。
“アオリイカ・クレソンピューレ甘夏サルサ”
“アオリイカ・クレソンピューレ甘夏サルサ”は最初の冷菜。丁寧に刃を入れたアオリイカは、脂がちょうどほぐれて素晴らしい口溶け感。クレソンのピューレと甘夏のサルサは、心地よいコントラストだ。
“スウィートブレッドのグリル・バナナリーフライスケーキ・エシャロットのバターフライ”
エキゾチックな風味を携えているのが“スウィートブレッドのグリル・バナナリーフライスケーキ・エシャロットのバターフライ”。“スウィートブレッド”=“リードヴォー(仔牛の胸腺)”をインドネシアの串焼き料理であるサテ風に仕上げた。リードヴォーはまるで白子のようにやわらかくてまろやかな口当たり。ブラックガーリック風味のエシャロットのバターフライがサクサクのアクセントだ。下に敷かれたバナナリーフのライスケーキは懐かしい味わい。
“鯛のソテー 春キャベツ・クラム&チリレリッシュ 甲殻類とカレーのプロス・コリアンダーオイル”
“鯛のソテー 春キャベツ・クラム&チリレリッシュ 甲殻類とカレーのプロス・コリアンダーオイル”は鰤の上味を閉じ込めた魚料理。甲殻類のビスクソースは旨味抜群で、鰤の味わいをさらに引き出してくれるのだ。まぶされたスパイス、ココナッツオイルとコリアンダーのオイルによってさっぱりとした後口となる。
“オーストラリア産ビーフサーロインのグリル・筍・山菜のウラブ・ピーナッツソース”
メインディッシュは“オーストラリア産ビーフサーロインのグリル・筍・山菜のウラブ・ピーナッツソース”。サーロインをしっかりめにグリルして、赤身の至味を強調した。タラの芽、コゴミ、ウルイなどの山菜は、インドネシア料理“ウラブ”=“ココナッツ和え”に調理されていて、新しい食味。筍のグリルはサクサクとした歯触りで、赤ワインのソースとピーナッツソースも旨い。
“お食事”がコースに組み込まれているのは、アイデアにあふれるトーマスさんならではの構成。“土鍋で炊いたご飯”はやわらかめに炊き上げられているので、米の甘味がふんだんに感じられる。青味のある山菜、旨味たっぷりの醤油麹が加えられていて、抑揚もあるのだ。
“ヴァシュラングラッセ・マンダリンとミルクのアイス”
“ヴァシュラングラッセ・マンダリンとミルクのアイス”は、クラシックなデザートである“ヴァシュラン”をアーティスティックに表現したアシェットデセール(皿盛りデザート)。かたい焼きメレンゲを割ると、中からエディブルフラワーのジュレ、マンダリンとミルクのアイスクリームが現れる。フロマージュブランの優しい甘味とオレンジピールのキリッとした酸味が、白眉の変化。様々な味わいと食感に彩られていて、最後まで飽きさせない!
国際色豊かなサービスを提供してくれるチーム・ディスクリプト
ハウスシャンパーニュは“デュヴァル・ルロワ ブリュット レゼルヴ”(2800円)。黒ブドウ主体で、骨格がしっかりしていながらも、泡がきめこまやか。マグナムボトルで味わいも落ち着いているので、最初の一杯はこれに決まりだ! フランスやアメリカ、オーストリアを中心にしたワインから日本酒までも取り揃えられているから、好きなものが見つかるはず。わからない時は、レストランジェネラルマネージャーでソムリエの吉田アントワンヌさんにおまかせするのも一手。
会社帰りにふらりと立ち寄ってみたり、シャンパーニュ片手にのんびり過ごしたり、予約して美食を満喫したりと、シーンに合わせて使える幅が広い。新しくなった“ディストリクト”で大人の時間を過ごしてみて。
●〈キンプトン新宿東京〉ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ(District - Brasserie, Bar, Lounge)
住所:東京都新宿区西新宿3-4-7 キンプトン新宿東京2F
営業時間:朝食7:00~11:00(10:30LO)、ランチ11:30~17:00(15:00LO)、アフタヌーンティー11:30~17:00(最終受付15:00、2時間制)、ディナー18:00~23:00(フード21:00LO、ドリンク22:30LO)
TEL:03-6258-1414
URL:https://www.kimptonshinjuku.com/jp/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。