一体なにがいいのか?
名品“ビーン・ブーツ”の昔と今!
暖かくなってきたと思ったら、もうゴールデンウィーク。そうこうしているうちに、気づけば梅雨なんてことになる。まあ、いまやゴアテックスなどのハイテク素材の台頭により、防水シューズ探しに困ることはないだろう。でも、そんな時代だからこそ、名品といわれる防水シューズに目を向けるのも面白い。となれば、やっぱりハズせないのは〈エル・エル・ビーン〉の不朽の名品“ビーン・ブーツ”だ。
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ポイント1: 100年以上変わらない完成されたデザイン
ポイント2:一体型ラバーボトムで水に入っても濡れない
ポイント3:旬なアメカジと最強マッチ
1912年にアメリカ・メイン州で創業した〈エル・エル・ビーン〉。そう、今年で110周年を迎えた歴史あるブランドだ。創業者はレオン・レオンウッド・ビーン。そのイニシャルがそのままブランド名となっている。彼はハンティングを趣味としていたのだが、メイン州は森や湿地が多く、革製のブーツでのハンティングではどうしても足が濡れてしまう。そこで思いついたのが、ゴム製のボトムに革のアッパーを縫いつけたブーツだ。それが“ビーン・ブーツ”の誕生である。
誕生は1912年。つまり、ブランド設立のきっかけとなったのが“ビーン・ブーツ”。見どころはラバーとレザーのコンビ使い。ラバーで水の侵入を防ぎつつ、レザー部分が柔軟性と適度な放湿性を実現。もちろん、現代の防水透湿性ほどとはいかないが、当時すでにその概念があったというワケだ。登場初期にはラバーとレザーの連結部分の不具合が頻発したが、それらの問題を解消してから今まで、基本的な形を変えていない。もはやリアルなハンティングブーツとしての役目は終えているだろうが、そのトラディショナルでヘビーデューティなデザインをはじめ、レザー部分やソールの交換&修理が可能で長く履けること、そして、いまだアメリカでの自社製を貫いていることなどから、アメリカンブーツにおける名品として広く親しまれている。
トリプルステッチで頑丈に縫い合わされるレザーとラバー。レザー部分には防水性を備えたフルグレインレザーを採用。水や泥が侵入しないよう、タンはシャフトと縫い合わされている
通称チェーンソールと呼ばれる、鎖状のパターンソール。沼地でのグリップ力と泥が隙間に入りこまないことを求めた結果だ。ラバー製のボトムは交換が可能。交換はアメリカ本社工場で行う
ハンティングブーツであること、そしてそのアイコニックなルックスを指して、ダックブーツという愛称でも知られる“ビーン・ブーツ”。上記のディテール以外にも、グローブをはめたままでも指をとおしやすいフィンガーループや、凸凹道を歩く際の屈曲性を確保する逆V字型のヒールステイなど、ハンティング由来の作りが随所に。ちなみに、分厚いソックスを履く想定で作られているので、サイズ表記が同じでも一般的なシューズよりも大きめに感じるはず。サイズ選びにはご注意を。
L.L.Bean
01/定番人気は“6インチ”!
“6インチ”各2万900円(以上エル・エル・ビーン/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター)
フェスだってお洒落に楽しめる!
キャンプにも街履きにも使いやすい、ミドルレングスの6インチ。フルグレインレザーとラバーボトム&ソールの組み合わせで、雨はもちろん、ぬかるみでも安心して歩ける。ポリウレタン製のインソールを採用。また、一体型のラバーボトム&ソールながらシャンクもちゃんと配されており、軽く柔軟、そして安定感のある履き心地を実現する。
“8インチ”2万3100円(エル・エル・ビーン/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター)
“8インチ ゴアテックス/シンサレート”3万4100円(エル・エル・ビーン/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター)
よりヘビーデューティ!
ショーツを履くなら、断然8インチのロングがオススメ。アイレットは6つ。高さがあるだけに防水性もさらに増し、雰囲気もよりレトロ感が楽しめる。さらに、防水透湿素材のゴアテックスと、軽く薄手ながら高い保温性を発揮する機能性中綿シンサレートを採用したタイプなら、現代ブーツにも引けを取らないハイパフォーマンスを享受できる。
右:“シグネチャー・ワックス・キャンバス・メイン・ハンティング・シューズ 10インチ”2万3100円 左:オレンジソールの“シグネチャー・ワックス・キャンバス・ビーン・ブーツ 8インチ”2万900円(以上エル・エル・ビーン/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター)
履き心地は意外にソフト!
レザーと比べて履きはじめが柔らかく、それでいてワックスによって撥水性も両立するというワックスキャンバスタイプ。さらに、初見からすでに味のある風合いという点も、大いに魅力。ヒールステイ然り、要所にフルグレインレザーによる補強が行われている点も注目だ。これ以外にも、シボレザーやスウェードなど、素材やカラーバリエーションが豊富に揃う。
“ラバー・モカシン”各1万4300円(以上エル・エル・ビーン/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター)
狙うべきはこんな1足!
こちらはいわゆる羽根がなく、シュータンにタスラン・レースがとおされているガム・シューズ。そのため履き口が広く、スリッポン感覚で履くことが可能。ワンマイルシューズとしてはもちろん、キャンプシューズやリゾートシューズとしても活躍してくれる。
梅雨といった雨の日の実用履きにも、フェスやキャンプといった遊びブーツとしてもうってつけな“ビーン・ブーツ”。特に、アメカジが好きな『Safari Online』読者にとって、大人の街着にもすんなり馴染んでくれる防水シューズとなれば、1足持っておいて損はないだろう。
●エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター
TEL:0422-79-9131
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka