“定番で名品”な〈アスペジ〉のミリタリーブルゾン!
“定番”と呼ばれるのも大変だけれど、“名品”となるとそれに輪をかけて困難なことのように思われる。だから、その両方を兼ね備えている稀有なアイテムがあったら!? 着てみないわけにはいかないでしょ!?
- SERIES:
- FOCUS ON 今月注目したいモノ・コト!
ASPESI
1970年代後半の名作映画に登場するミリタリーアイテムは、ベトナム戦争という時代の大きなうねりを反映するものであることは間違いない。特に“M-65”は多くの映画でアイコニックな衣装として登場する。最も有名なのが『タクシードライバー』(1976年)のロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィス・ビックルの衣装だろう。ベトナム帰りの元海兵隊員という役柄を印象づけるのに役立っている。
1979年に公開された『クレイマー、クレイマー』でダスティン・ホフマンが着ていたことでも有名だ。息子との別れのシーンで着用していたので、記憶に残っている人も多いだろう。こちらは戦争を連想させるものとしてではなく登場するので、当時すでにお洒落の“定番”として、“M-65”が市民権を得ていたということだろうか!?
同じ頃、イタリアでこの“M-65”に注目していたのが、アルベルト・アスペジだ。〈アスペジ〉の創業者である彼は、この“M-65”をファッションアイテムに昇華させることに成功し、今に至るまでブランドを象徴するアイテムのひとつになっている。ややゆったりしたシルエットで、さっと羽織るにはいいし、1枚着るだけで、ミリタリーアイテムが持つ男らしさをしっかり演出してくれるのも嬉しい。
それだけではない。製品染め(生地の段階ではなく、製品が完成した後に染めること)が、ヴィンテージのような独特の風合いで、大人が着るにふさわしい雰囲気だ。色合いも、いわゆるミリタリー=オリーブ色ではない点も、“ミリオタ”にならず、上品に見えるポイント。“M-65”という定番服を、新鮮に見せてくれるのは、これらの要素が巧みに絡み合っているからだろう。まさに“名品”と呼ぶにふさわしい逸品だ。“定番”と“名品”。このふたつを兼ね備えた稀有なミリタリーブルゾン。着ないわけにはいかないでしょ!?
〈アスペジ〉のアイコン的アイテムのM-65型ミリタリーブルゾンの新作。製品染めを施すことで、ヴィンテージのようなこなれた印象に仕上がっている。保温性と通気性を兼ね備えた高機能な中綿を採用。裾とウエストにドローコード付き。スタンドカラー内にフード内蔵。各12万6500円(以上アスペジ/トヨダトレーディング プレスルーム)
●トヨダトレーディング プレスルーム
TEL:03-5350-5567
雑誌『Safari』12月号 P265掲載
“FOCUS ON”の記事をもっと読みたい人はコチラ!