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2023.08.24


〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!

ジャンルを問わず、その道のトップを走り続ける人の考えを探る、雑誌『Safari』創刊20周年記念企画。今回は、〈ゼニア〉のアーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリ。“創造の中にある美しさ”とはなにかを、構築されたクリエイティブ思考から探る。

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!Q1 20歳の頃はなにをしていた?
A1 デザイナーの勉強していました。
20代前半はファッションとデザインを学んでいて、ミラノのマランゴーニ学院を卒業しました。そして、デザイナーになる夢が叶い、これまでの人生の中でも特に素晴らしい時期を過ごしました。その後、〈ゼニア〉で働きはじめました。1910年に〈ゼニア〉が設立されたトリヴェロの出身だった私は、学校を出た後に社内で見習いとして働くチャンスに恵まれました。

Q2 最近、行った国はどこ?
A2 中国です。
私は仕事、特にリサーチのため、たくさん旅をします。旅に出ると、様々なインスピレーションをもらえます。数週間前に、とても刺激的な中国出張から戻ったばかりです。昨年の後半にはシンガポール、ソウル、東京、ドバイを巡るとても興味深い旅をしました。アメリカでも同じようにニューヨークとロサンゼルスを回りました。

Q3 子供の頃、夢見た将来(仕事)は?
A3 デザイナー。
母がテイラーだったので、ファッションの世界での私の“旅”は、子供の頃に母のアトリエからはじまっていました。振り返ってみると、当時の私はもう、自分が将来デザイナーになると確信していたといえます。とにかく、それが自分の生きる道でしたね。

Q4 大好きな料理はなに?
A4 パルミジャーナなどいろいろ。
パルミジャーナと、リゾット・アッラ・ミラネーゼと、鴨のオレンジソースです。

Q5 ファッションデザイナー以外に、やってみたかった(やってみたい)職業は?
A5 写真家です。
幼い頃から写真に夢中でした。ファッションにのめり込んでいなければ、写真家になっていたと思います。最初のカメラは〈ニコン〉で、それから〈ライカ〉のファンになりました。今は〈ライカ〉のカメラを何台か持っています。

Q6 旅に必ず持っていく洋服や靴は?
A6 オアジカシミヤコレクションのニットウエア。
旅をするときに必ず用意するのが、オアジカシミヤコレクションのニットウエアをインナーに合わせた、着心地がよく、それでいてスタイリッシュなルックです。そして、〈ゼニア〉を象徴するオアジカシミヤのシャツジャケット。これは新しいリラクシングなテイラードスタイルとして、ブレザーの代わりになる、欠かせないアイテムのひとつです。

ニットウエア

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!選び抜かれたカシミヤが使用されたオアジカシミヤニットウエア。着心地はいわずもがな、織りの美しさが作り出すディテールが、他のニットウエアと段違いの差を生む。クラシックなデザインも大人が着る1枚として◎。各22万5500円(以上ゼニア/ゼニア カスタマーサービス)

Q7 人生で成功するには?
A7 情熱を求めること。
心の中にある本物の情熱を追い求めてください。そして、仕事が辛く、無意味に感じられるようなことを避けてください。

Q8 なにかコレクションしているものはある?
A8 ヴィンテージカー。
1960年代の末から’80年代はじめにかけてのヴィンテージカーが大好きで、ミラノではたくさんのコレクションを抱えています。子供の頃から、シトロエンDS23パラスのようなフランス車やランチア・デルタS4の芸術的なボディラインに夢中でした。最初に手に入れたヴィンテージカーは、1965年式、青のフォード・マスタング・ファストバック289でした。今、所有している中でのお気に入りは、1972年式のオレンジのポルシェ911タルガ、赤の1972年式ランチア・フルヴィアHFファナローネ、1981年式のブロンズのポルシェターボです。

Q9 仕事や人生にいきづまったとき、どうやって気分転換をしている?
A9 写真を撮ります。
ひと休みして、〈ライカ〉のカメラを持って外に出て美しい写真を撮ることです。

Q10 あなたにとってのヒーローは?
A10 母です。
最高のテイラーである、私の母です。

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!Q11 2023~24AWシーズンのコレクションで、最も象徴的だと思うアイテムは?
A11 シャツジャケットとトリプルステッチスニーカー。
シャツジャケットとトリプルステッチスニーカーは絶対に外せません。これらは毎シーズン、最も象徴的なアイテムのひとつです。春夏のピュアリネンと秋冬のオアジカシミヤのシャツジャケットは、モノクロームのルックによく合います。春夏から秋冬まで、すべてのコレクションは新世代のファブリックをベースに設計しています。これは私たち〈ゼニア〉にとって、ラグジュアリーレジャーウエアの新境地を象徴するものです。

シャツジャケット

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!どんな着こなしにもはまる、シンプルなデザインのシャツジャケット。余裕のあるゆったりとしたサイズ感が、リラックスの極致、リゾート感をプラスする。右18万4800円、左45万1000円(以上ゼニア/ゼニア カスタマーサービス)

Q12 雑誌『Safari』についてひと言。
A12 ファッションの世界のひとつの基準となる雑誌です。
『Safari』は日本で非常に大きな影響力を持つ雑誌です。そのメンズウエアの専門知識と感性ゆえに、ファッションの世界のひとつの基準になっています。20周年おめでとうございます!

Q13 よく聴く音楽(楽曲)はなんですか?
A13 エレクトロニックミュージック。
一番魅力を感じるのはエレクトロニックミュージックでしょうか。そしてトーキング・ヘッズとプラシーボが大好きです。

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!1974年に結成、1991年に解散したアメリカ合衆国のロックバンド、トーキング・ヘッズ。ロックの域を超えたインテリジェンスなグループとして人気を博した

Q14 思い出の映画は?
A14 コーエン兄弟作品。
挙げればきりがありませんが、特に、コーエン兄弟が手掛けた作品はすべてお気に入りです。

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!兄ジョエル(右)、弟イーサン(左)からなる、兄弟映像クリエイターコンビ。カンヌ映画祭の常連で、『バートン・フィンク』で同映画祭初の主要3部門(パルム・ドール、監督賞、男優賞)を制覇。名実ともにアメリカを代表する映画監督

Q15 好きなスポーツは?
A15 カーラリー。
根っからの自動車マニアなので、ラリー・モンテカルロの観戦が好きです。

Q16 クローゼット(ワードローブ)に必ず入っているものは?
A16 ヴィンテージの洋服です。
私は服の収集が趣味で、ヴィンテージに目がありません。インスピレーションの最大の源がヴィンテージの洋服です。徹底的にリサーチするのが好きなので、ワードローブは様々なものであふれています。今気に入っているのは、脱構築的なジャケットです。

Q17 メンズのワードローブにおいて、Tシャツとは?
A17 エッセンシャルなアイテムのひとつ。
エッセンシャルなアイテムのひとつであり、〈ゼニア〉からもオールシーズン着用できる革新的なナチュラルウールの糸を使用した、ハイパフォーマンスTシャツなどがラインナップされています。

Q18 改めて、ファッションの魅力とは?
A18 創造性の中にある美しさです。
消費者へメッセージを正しく伝えるには、製品そのものを超えたストーリーテリングによって、没入できるエモーショナルな体験を生み出す必要があります。店舗計画からビジュアルマーチャンダイジング、広告キャンペーンの方向性などすべては繋がっているのです。ファッションの美しさはそういった創造性の中にあります。

Q19 好きなデザートはなに?
A19 ボンバ・ディ・ジャコモ。
イタリアでメジャーなデザートのひとつの“ボンバ・ディ・ジャコモ”です。シャンティクリーム、マスカルポーネ、野イチゴを、2枚のパイ生地で挟んだものです。とても美味しいんですよ!

Q20 オン・オフでよく履いている靴は? 
A20 トリプルステッチスニーカー。
〈ゼニア〉のトリプルステッチスニーカーです。このラグジュアリーなシューズは、〈ゼニア〉のワードローブの中心的な存在であり、プライベートジェットから役員室まで、あらゆる場所で愛用されてきました。

トリプルステッチスニーカー

〈ゼニア〉アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリに聞く20の質問!〈ゼニア〉の魅力であるオン・オフを贅沢に彩るスタイルに、実用的な機能性を兼ね備えた1足。大人に似合う重厚なデザインと、抜群の履き心地と軽さが魅力。まさにアクティブな『Safari』読者にぴったりなスニーカーだ。13万7500円(ゼニア/ゼニア カスタマーサービス)

 
Information

●ゼニア カスタマーサービス
TEL:03-5114-5300

雑誌『Safari』9月号 P57~60掲載

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