【週末は映画三昧】思わず目頭が熱くなる!
大人も泣ける映画5選!
週末を巣ごもりで楽しもうという人にオススメなのが映画。なかでも、感動作品などはいかがだろう。涙を流すことで気持ちもスッキリ。明日への活力も湧いてくるはず!?
『マイ・フレンド・フォーエバー』
製作年/1995年 監督/ピーター・ホルトン 脚本/ロバート・クーン 出演/ブラッド・レンフロ、ジョゼフ・マゼロ
“友情の証”に涙する!
映画を観て涙腺のスイッチが入る瞬間は、人それぞれ。しかし子供同士のピュアな友情が描かれると、そのスイッチは多くの人に作動するはず。そんな法則を成立させるのが、『マイ・フレンド・フォーエバー』だ。エリックの隣に引っ越してきたデクスターは、幼い頃の輸血が原因でHIVに感染していた。最初はデクスターを敬遠していたエリックだが、ともに友達がいないことで、やがて遊び仲間となっていく。この映画が作られた当時、HIV感染は今とは比べものにならないほど深刻だった。デクスターの治療法を探すため、2人は旅に出ることを決意する。
2人の少年の友情ドラマとロードムービー的な展開で、メインの旅の部分は、子供らしい無邪気な行動や、大人の女性にドキドキする描写なども盛り込まれ、共感度はハイレベル。エリックが真剣にデクスターの健康を心配しているのに、大人たちの言動は差別的で冷たかったりして、少年たちの純粋さに心洗われる瞬間が何度も訪れ、ラストは“友情の証”に涙する人も多いはず。デクスター役のジョセフ・マゼロは『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンのメンバーを演じるなど活躍中だが、エリック役のブラッド・レンフロは、25歳で急死。その事実も重ねながら観ると、より胸が痛くなる。
『ニュー・シネマ・パラダイス』
製作年/1989年 監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ 出演/フィリップ・ノワレ、ジャック・ぺラン、アントネラ・アッティーリ
泣ける映画の代表作!
映画ファンに“泣ける作品ランキング”を調査したら、確実にトップ3には入ると思われるのが、この作品。未見の人には教えられない(でも、なんとなく予想できる)号泣必至のラストだけでなく、要所にグッとくるシーンを用意している。それらが、映画を観る喜びと強烈につながっているから、何度も涙腺が刺激されるのだ。満席の映画館で人々が一緒に笑い、泣き、拍手するという光景は、新型コロナウイルスで“密を避ける”ルールとなった時代で観ると、本当に愛おしく感じられ、目が潤んでしまうはず。
イタリアのシチリア島の小さな村で、“トト”と呼ばれるサルヴァトーレ少年が、映画を大好きになる。村の映画館で映写技師として働き、映画監督へと成長した彼が、過去を回想する物語。ローマにいるトトが、母から恩人の死を知らされ、故郷の村へ帰ってくる。少年時代のトトを演じたサルヴァトーレ・カシオの、あまりに無邪気な表情に感動しない人はいないだろう。そしてエンニオ・モリコーネによる音楽は、映画史でも最高の仕上がり。ドラマや登場人物の心情との重なり具合が絶妙すぎて、メロディに反応して目頭が熱くなる、“パブロフの犬”的な作用を起こす!
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
製作年/1997年 監督/ガス・バン・サント 脚本・出演/ベン・アフレック、マット・デイモン 出演/ロビン・ウィリアムズ
最高の友情ストーリーが心に静かに染み入る!
今やビッグスターになったベン・アフレックとマット・デイモン。ハーバード大学時代にデイモンが執筆した脚本を、アフレックの協力で完成。2人が自らの出演で映画となり、いきなりアカデミー賞脚本賞という快挙を達成した。幼い頃から孤独だったウィル・ハンティングは、ケンカを繰り返して鑑別所送りが日常だった。大学で清掃員のアルバイトをしていた彼は、学生たちが解けず、黒板に残された数学の難問をあっさりクリア。記憶と数学に関するウィルの天才的才能を知った教授が、ウィルを更生させるために心理学の講師であるショーンを紹介する。
ともに深い屈折感を抱えていたウィルとショーンが、徐々にたがいを理解し合っていくドラマがじつにエモーショナル。ショーン役で故ロビン・ウィリアムズがアカデミー賞助演男優賞を受賞しただけあって、ウィルの心を解き放ち、才能を開花させる、まさに最高のサポート演技をみせてくれる。さらに感動的なのは、アフレックが演じる親友チャッキーと、ウィルの友情だ。ワル仲間という関係が、ウィルが巻き込まれる事件や、成長と葛藤によって、どう変わっていくのか? チャッキーの決断が、本作を最高の友情ストーリーとして輝かせる。号泣する感動映画というより、心に静かに染み入り、記憶にやきついて離れないタイプの名作。
『I am Sam アイ・アム・サム』
製作年/2001年 監督・脚本/ジェシー・ネルソン 脚本/クリスティン・ジョンソン 出演/ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニング、ローラ・ダーン
父娘の姿に心を揺さぶられる!
難病モノというジャンルは、基本的に涙を誘うのが目的で作られるが、過剰になったり、あざとくなったりする可能性も高い。そのハードルを軽々と超え、さわやかな感動を届けてくれるのが、この作品。知的障がいのために知能は7歳のままのサムは、スターバックスで仕事をしながら、一人娘のルーシーと生活している。ルーシーの母親は出産後にすぐに失踪しており、サムはシングルファーザー。前半は、周囲の人々の温かいサポートで毎日を乗り越える父娘の姿が誠実に描かれ、観ているこちらは、早い段階から目頭が熱くなってしまう。
やがてルーシーが7歳になり、父よりも“大人”になったことで、サムの養育能力が問われることに。ルーシーがサムの元から引き離されたことで、サムは裁判で訴えるという無謀なチャレンジに出る。サムとルーシーの親子愛、それを取り戻そうとするサムの実直な奮闘と、いくつもの感動のポイントが、登場人物に寄り添うように演出され、名作となった。人気アーティストがカバーした、数々のビートルズの曲もドラマとぴったりで効果的。サムという難しい役をリアルにこなしたショーン・ペンもさすがだが、ルーシー役、ダコタ・ファニングの天才子役ぶりに、心を揺さぶられるのは確実だ。
『世界一キライなあなたに』
製作年/2016年 原作・脚本/ジョジョ・モイーズ 監督/テア・シャーロック 出演/エミリア・クラーク、サム・クラフリン
クライマックスの展開に胸を締めつけられる!
メジャーな感動作ではなく、知る人ぞ知る作品で、しかもシンプルに涙を誘うだけでなく、賛否両論も出そうな心ざわめく展開もある。そんな一本が『世界一キライなあなたに』だ。オートバイにはねられて脊髄損傷となり、車椅子生活を送る元実業家のウィルと、職を失い、6カ月の契約で彼の介護をすることになったルー。性格は傲慢で、思うような行動ができず、つねに苛立っているウィルに対し、介護の仕事が新米のルーは悪戦苦闘。最初は水と油のような関係だった2人は、やがて恋におちてしまう。
未来を悲観して自暴自棄になっていたウィルが、ルーとの出会いで生きる希望を取り戻す……。ここまでだったら、予想範囲内の展開。ラブストーリーとしても素直に感情移入しやすい作風だ。問題となるのは“6カ月の契約期間”。これが何を意味するのかは、これから観る人は知らない方がいい。中盤から、このポイントがヘビーな意味をもち、クライマックスへの展開にいろいろと考えさせながら、強烈に胸を締めつけられることになる。誰もが涙する感動作ではなく、複雑な後味を求めたい人にはオススメの一作だ。
photo by AFLO