これなら巣ごもりディナーも楽しくなる!?
美味しい! 飯テロ映画8選!
隣で美味しそうに食事しているのを見ると、自分も食欲がわいてくるもの。それは映画でも同じこと。スクリーンの中で、なんともうまそうな料理を主人公が食べていると、思わずお腹が鳴ってしまう、なんてことも!? で、そんな“飯テロ”映画を5本ピックアップ。観ながら食べれば、美味しさも2倍、3倍!?
『パルプ・フィクション』
製作年/1994年 原案・監督・脚本/クエンティン・タランティーノ 出演/ジョン・トラヴォルタ、サミュエル・L・ジャクソン
サミュエルが食べるハンバーガー!
強盗計画を立てているカップルにはじまり、いくつかのエピソードが絡み合う犯罪映画。2人組のギャング、ビンセントとジュールスは盗まれたトランクを取り返そうとある家を訪れる。また、ボスから愛妻ミアの世話を頼まれたビンセントだが、ミアが薬物の過剰摂取で昏睡状態となってしまう。八百長試合を引き受けた落ち目のボクサー、ブッチは試合に勝ってしまい……。
グルメな見どころは、サミュエル・L・ジャクソン扮するジュールスがチンピラの“食べかけチーズバーガー”をむさぼり食うシーン。胃に流し込む相棒は、スプライト! とろけるチーズがめちゃくちゃ美味しそうで、たまらなくなる。ちなみに舞台となる店、ビッグ・カフナ・バーガーは、架空のハンバーガーチェーン。けれども、Tシャツなどグッズが発売されているほか、タランティーノ作品にも登場している、名店(?)だ。
『ホーム・アローン』
製作年/1990年 監督/クリス・コロンバス 出演/マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン
山盛りのマシュマロ&アイスクリーム!
当時10歳だったマコーレー・カルキンの大ヒット作。シカゴに暮らすマカリスター家は、クリスマス休暇を利用してパリ旅行へ。しかし慌てていた一家は、8歳の末っ子ケビンをひとり家に取り残してしまう。けれどもケビンはひとり暮らしを満喫。好き勝手に楽しいんでいると、そこに2人組の泥棒が現れて……。
いつも親に怒られ、兄たちにいじめられている5人兄弟の末っ子ケビン。そのためは、ひとりだけの家はパラダイス。早速、兄の宝物を引っかき回し、見ちゃダメと言われている白黒のギャング映画を鑑賞。で、そのときに頬張るのが、マシュマロとアイスを山盛りにし、そこにチョコレートソースを投入するスペシャルデザート! 大人には甘過ぎるだろうけど、喜びに満ちたケビンの顔を見ていると、なんともうまそうに思えてくるから不思議。
『食べて、祈って、恋をして』
製作年/2010年 監督・脚本/ライアン・マーフィ 出演/ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム、ジェームズ・フランコ
カロリーを気にせずピザをがぶり!
NYでジャーナリストとして活躍するエリザベスは、離婚と失恋を経た後、すべてを捨てて1年間の自分探しの旅に出る。イタリアでは食の快楽を追求し、インドではヨガと瞑想に励む。そしてインドネシアのバリ島では、彼女の人生を大きく変える出会いが待っていた。
彼女がまず向かったのがイタリア。とにかくカロリーも気にせず食べることに熱中! “炭水化物最高!”と言いながらパスタやピザを食べまくる。その美味しそうな食べっぷりは、圧巻。食べることを至福の時間に変えて、存分に人生を楽しんでいる彼女の旅は見ていて羨ましくなるはず。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
製作年/2014年 製作・監督・脚本・出演/ジョン・ファブロー 出演/ソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン
息子に作るチーズサンド!
LAの一流レストランで働く総料理長カールは、あるミスで店を解雇。ほかのレストランからも採用を断られてしまう。故郷マイアミでキューバサンドイッチの美味しさを知ったカールは、フードトラックで移動販売することを思いつく。元同僚のマーティン、息子のパーシーと3人で営業を開始するが……。
この映画には数々の“美味しいシーン”が登場する。なかでも、一番美味しそうなのがチーズサンド。カールが自宅で息子にパパッと作るメニューだ。外はカリッカリ、中はジューシー。カリッと噛むと隙間からチーズがこぼれそうになるところがたまらない! あのシーンこそまさに飯テロ。「あれなら自分でも作れそう」と思えるところも、食欲を誘うポイントだろう。
『幸せのレシピ』
製作年/2007年 監督/スコット・ヒックス 出演/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン
ニックが作るトマトパスタ!
マンハッタンのレストランで料理長を務めるケイトは勝ち気で完璧主義者。ある日、姉が事故で亡くなり、姪のゾーイを引き取ることに。仕事場にはケイトとは正反対の性格で、陽気なニックが副料理長として新たに加入してきた。さらにゾーイは、心を閉ざしたままで……。
母を亡くしたショックで、ケイトが作る料理に手をつけようともしないゾーイ。けれどもニックの作ったトマトパスタには興味津々。おそるおそる一口食べると、うまいと判明! もう一口だけ、あと一口だけ……。口いっぱいに頬張って、ついには平らげてしまう。このシーンがなんとも美味しそうで最高! バジルの入ったあのトマトパスタ、一体どんな味なのか知りたい〜!
『イタリアは呼んでいる』
製作年/2014年 監督・脚本/マイケル・ウィンターボトム 出演/スティーブ・クーガン
観ていると口がイタ飯を欲してくる!
グルメと旅は最高の組み合わせ。その醍醐味をとことん味わえるのが本作だ。英国コメディ俳優のスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの2人が、“俳優である自分”という役を演じながら、1週間かけてイタリア各地を巡るロードムービー。彼らの仕事や家族のドラマも絡む珍道中が楽しいが、行く先々のホテルで頼むメニューも、こちらも主役とばかりに大きくクローズアップされる。
海辺のホテルでは、タコのポテト添えなど魚介づくし。そして山間の町ではイノシシやウサギのジビエ料理。そこにイタリア料理の定番であるパスタもバラエティ豊かに出てくるので、主人公2人と一緒にグルメ旅を満喫している気分になる。しかも、どれもがSNS映えしそうな独創性と美しい見た目! それぞれのレシピやワインのウンチクも語られるが、そのあたりもサラリと嫌味が少ないので、気軽に楽しめるグルメ映画の傑作といえそう。この主演2人、同じスタイルで英国を巡るバージョン『スティーヴとロブのグルメトリップ』も作っているが、イタリア版の方が食欲をソソるレベルは圧倒的に上かも!
『初恋のきた道』
製作年/1999年 監督/チャン・イーモウ 出演/チャン・ツィイー
きのこ餃子が気になって仕方がない!
中国の巨匠、チャン・イーモウ監督作で、後に世界的女優へと成長するチャン・ツィイーの大ブレイクのきっかけとなったこの映画。都会から村にやって来た20歳の教師と、彼にひと目惚れした18歳の少女のあまりに純粋なラブストーリーは、公開当時日本でも多くの人の胸を打ち、話題になった。校舎を建てる教師ら男たちのために、村の女たちが料理を作るエピソードもあるが、特にグルメ映画というわけではない。出てくる料理も、ネギのお焼き、栗ご飯、炒り卵など、本当にシンプルなものばかりだ。
でも、そのシンプルさこそが本作の魅力。そして極めつきが、きのこを詰めた蒸し餃子。教師の好物だと知った主人公が、手作りの餃子を丼に入れて彼に届けようとする。しかし心が急ぐあまり転んでしまい、餃子は野山の道に散らばってしまう。このシーンのチャン・ツィイーのピュアで切ない表情に、心が締めつけられない人はいないと断言! そんな忘れがたい名シーンによって、映画を観終わった後も「あの、きのこ餃子はどんな味なのか?」と気になって仕方なくなる。その意味で、映画史に残る“最高の1品”!
『バベットの晩餐会』
製作年/1987年 監督・脚本/ガブリエル・アクセル 出演/ステファーヌ・オードラン
超高級料理に喉が鳴り続ける!
グルメな映画と聞いて、この作品を思い浮かべる映画ファンは多いだろう。舞台はデンマークのユトランド地方。結婚することもなく年老いた姉妹が、亡き父の生誕100年を記念した晩餐会を開くことに。ちょうどそのとき、パリから移り住んでいた元料理人のバベットに宝くじが当たり、彼女はその当選金で、姉妹のために最高の料理を作ると申し出る。
まず驚くのは、バベットが取り寄せた高級食材の数々。生きたウズラや海亀、1本数万円もするクロ・ヴージョというフランスの超高級ワイン……。海亀はスープとなり、ウズラはパイになるのだが、ふだん目にすることのない超レア高級料理が完成するまでの過程だけでも興味津々。さらに本作の見どころは、その料理を食べる人たちの反応で、人生で最高の味に出会った瞬間の表情や、ため息とともに出る感想が、観ているこちらの心を揺り動かす。デンマークの片田舎の素朴な風景や人々と、最高料理の組み合わせというミスマッチ感も、じつに“乙”なのである。
photo by AFLO