Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2025.05.03


『プリティ・ウーマン』が映画界に残したものとは?【前編】ツメアト映画〜エポックメイキングとなった名作たち~ Vol.34

 

 


今年(2025年)3月に発表された第97回アカデミー賞で作品賞を含む最多5冠に輝いた、ショーン・ベイカー監督の『ANORA アノーラ』。この傑作を鑑賞した面々の中には、現在ミドルエイジの世代にはおなじみの、ある1本の映画のツメアトを感じ取った人が多いのではないか。そう、1990年の全米興行収入No.1映画であり、ハリウッドのロマンティック・コメディを語るうえでは欠かせない人気作、ジュリア・ロバーツ&リチャード・ギア主演の『プリティ・ウーマン』(監督/ゲイリー・マーシャル)である。

共通点はお話の骨子だ。“富裕層の男性がアンダークラスの女性を見初める”という基本軸。そしてヒロインの女性が、ストリートで客引きをしているセックスワーカーであること。彼女(たち)は男性から高額のギャラを受け取って期間限定の愛人となるが、まもなく仕事の契約を超えた関係へと転がっていく。ただし同じような経済格差を背景にしていても、約35年もの時を隔てた両作にはハッキリと時代相の違いが表れている。『ANORA アノーラ』ではロシアからやってきたグローバル企業の御曹司から、余りにも無責任に、主人公のアノーラはあっけなく夢の梯子を外されてしまう。都合のいい玉の輿とか、社会階層の一発逆転なんてあり得ねえんだよ、とばかりに。ゆえに日本でも21世紀のアンチ・シンデレラストーリーとのコピーを用いて宣伝されたが、対して20世紀のラストランに大ヒットを飛ばした『プリティ・ウーマン』は、ハリウッド/アメリカの甘美な夢を見させてくれる最後のシンデレラストーリーの名作とでも位置づけられるかもしれない。
 
  

 


もっとも『ANORA アノーラ』の下敷きになったとおぼしき『プリティ・ウーマン』にはさらなる原型がある。ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』を原作としたミュージカルの映画化である、1964年の『マイ・フェア・レディ』(監督/ジョージ・キューカー)だ。これはオードリー・ヘプバーン扮するロンドンの下町で花を売っていた少女イライザを、ヒギンズ教授が一流の淑女に仕立て上げるという物語。ちなみに『プリティ・ウーマン』では劇中のちょうど真ん中辺りで、ジュリア・ロバーツ扮するヴィヴィアンがホテルのテレビでヘプバーン主演の『シャレード』(1963年、監督/スタンリー・ドーネン)を観ているという斜めにひねったオマージュが捧げられている。『マイ・フェア・レディ』は米映画ながらイギリス式の階級社会がバックボーンになっていたわけだが、それをアメリカ式の資本主義が生み出す格差のメカニズムへと変換したところに、『プリティ・ウーマン』の決定的な卓越のひとつがあったと言えるだろう。
中編に続く
 

  

 

 
文=森直人 text:Naoto Mori
Photo by AFLO
山下智久が〈ブルガリ〉の新しいオクトとともに!一面では語れない多彩な表現者!
SPONSORED
2026.07.24

山下智久が〈ブルガリ〉の新しいオクトとともに!
一面では語れない多彩な表現者!

山下智久は、デビューから今年活動30周年を迎えた。しかし、歩んできた軌跡は、けっして平坦ではなかった。アイドルから俳優、海外での活動など常に新たな道を自ら切り拓いてきた。その腕元には〈ブルガリ〉の“オクト フィニッシモ”がある。そして新作…

〈ロエベ〉の新作で差をつける!"色"と"重ね技"で週末を遊ぶ!
SPONSORED
2026.07.24

〈ロエベ〉の新作で差をつける!
"色"と"重ね技"で週末を遊ぶ!

さりげないお洒落を楽しみたい週末。どこかでまわりと差をつけるなら、"色"と"重ね技"で遊んで余裕を表現したいところ。そこでおすすめなのが〈ロエベ〉の新作コレクション。上品で落ち着いたワードローブを中心としつつ、楽しげな色や粋な小物をひと足…

元サッカー日本代表・槙野智章も注目する“アミノバイタル® アミノプロテイン”!ルーティンを維持する理想の相棒!
SPONSORED
2026.06.30

元サッカー日本代表・槙野智章も注目する“アミノバイタル® アミノプロテイン”!
ルーティンを維持する理想の相棒!

現役時代からカラダ作りに強いこだわりを持つ元サッカー日本代表の槙野智章。現在もそれは変わらず、毎日のルーティンやトレーニング後のケアが大切だという。そんな彼が今注目しているのは、“アミノバイタル® アミノプロテイン”。カラダと向き合い続け…

テカりに打ち勝つ美容液が決め手に!?アワードで選手たちのかっこよさを支えた〈SHISEIDO MEN〉!
SPONSORED
2026.06.21

テカりに打ち勝つ美容液が決め手に!?
アワードで選手たちのかっこよさを支えた〈SHISEIDO MEN〉!

シーズン中に活躍した選手並びにチームを讃える“B.LEAGUE AWARD SHOW 2025-26”。受賞者たちは華々しくランウェイを闊歩したが、男らしくスタイリッシュなビジュアルの舞台裏には、“テカり知らずの清潔感ある肌”も一役買って…

TAGS:   Health&Beauty

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ