
Maarten de Boer
Jon Hamm [ジョン・ハム]
1971年3月10日アメリカ・セントルイス生まれ、54歳。1997年『アリー・myラブ』で俳優デビュー。『マッドメン』(2007〜2015年)の主人公ドン・ドレイパー役を演じて一躍人気者となる。出演作は『ミリオンダラー・アーム』(2014年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)など。
ジョン・ハムといえば、2007年から2015年まで9年間も人気シリーズとして続いた『マッドメン』に主演し、トップスターの地位を築いたことで有名。1960年代、ニューヨーク広告業界の文字どおり“マッド”な実態を描いた同作(タイトルの正式な語源はNYマディソンアベニューの頭文字)で、大手広告代理店の敏腕ディレクターにハマりまくっていた彼が、10年ぶりにドラマシリーズの主演を務めることで話題になっているのが『フレンズ&ネイバーズ』だ。ハムが演じるのは、成功を収めた金融マンのアンドリュー・クーパー。しかし突然、会社を解雇されて茫然自失。離婚した家族との関係もぎくしゃくするなか、金持ちの隣人宅に侵入し、盗みを働くようになる。クーパーの行為によって、やがて隣人や家族の驚くべき真実が明らかに……というセンセーショナルなドラマだ。映画やドラマで活躍してきたジョン・ハムにとっても、久々の主演作ということで特別な思いで挑んだに違いない。そんな彼へのインタビューは、私生活で大好きな“野球”の話にも広がった。
ーー『マッドメン』が終了してから10年の節目で、この新作『フレンズ&ネイバーズ』で主演を務めたことになりますね。
「あれから10年経ったことに、自分でも驚いてる。でもその間、主役を演じられる作品を求めていたわけじゃないんだ。この10年、どんな映画やドラマでも、現場で愛やリスペクトを感じ、楽しく仕事をしてきた自負がある。出演を決めるポイントは、自分にどんな影響を与える作品か、あるいはどこまで興味をそそられるかの2点かな。今回の『フレンズ&ネイバーズ』は、以前からファンだった、作家でクリエイターのジョナサン・トロッパーのプロジェクトだったので参加したんだ」
ーー主演だけでなくエグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)として関わったのは、それだけ作品を気に入ったからですよね?
「これまでも何本かでプロデューサーを経験し、作品の基盤から関わることが重要だと実感していた。脚本のジョナサンらとチームを組んで、セクシーで洗練され、ドラマチックな作品を目指したんだ。観始めてすぐに“プロの仕事だ”と納得させるルックを大切にしたよ」
ーー具体的にあなたが出したアイデアとは?
「最初の2エピソードの監督に、クレイグ・ギレスピーを推薦した。彼とは2014年の映画『ミリオンダラー・アーム』(ハムはメジャーリーグの選手を探すエージェントの役で主演)で組んだし、『クルエラ』や『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』を観て、ビジュアルへの鋭いセンス、シリアスな物語へのユーモアの入れ方に感心していたんだ。アートディレクターも僕の指名で決まった」
ーーあなたが演じる主人公のクーパーは、離婚した妻や子供たち、バーで初対面の女性から、ちょっと“面倒くさい”と思われるるキャラとして登場します。
「たしかにそんな印象だね(笑)。でも僕はそのキャラを好意的に受け止めた。役に対し、深いレベルで演技を考え、知性やユーモアを持ち込むのが僕のやり方。クーパー役には、その方法がうまくフィットした」

ーー犯罪的行為を繰り返すクーパーに、観ているこちらがなぜか共感してしまうのは、あなたの演技のおかげですね。
「違法行為に手を染める人間を、なぜか観ながら応援してしまう。そんな本作の神秘的パワーは、ジョナサンの脚本の為せる業(わざ)で、クーパーの行動がエスカレートするたびに、観ている人が“なんかイヤな感じになりそう”とドキドキするのも、これまた本作の魅力。そこがうまく機能したのは、僕のバランスの良い演技が成功したからでもある。終盤に向かうと、また違った感覚に襲われるけど、そこはネタバレしないでおくよ(笑)」
ーークーパーは会社を突然解雇され、自暴自棄の行動に走るわけですが、あなたが俳優人生で似たような感覚に陥ったことはありますか?
「『マッドメン』のシリーズ終了を告知された時かな。恋愛相手のように大切にして、長く付き合った作品との別れは、死を宣告された患者の気分だった。終了後の数年は、俳優としても、一人の人間としても、自分を見つめ直す期間になった。これって、俳優なら多くの人が経験するんじゃないかな。足元からカーペットを引き抜かれ、宙に浮いたような感覚だ。その意味で、クーパーが予想外の事態で人生をリセットしとする気持ちも、深く理解できたよ」
ーー先ほど『ミリオンダラー・アーム』の話が出ましたが、あの作品はメジャーリーグの世界を描いていました。あなたはセントルイス・カージナルスの熱狂的ファンであることでも知られています。
「その質問、うれしいな。野球の話をするのは大好きだから。僕は今もロサンゼルスでチームに入って、仲間と野球を続けているよ」
ーー日本が今、空前のメジャーリーグ・ブームなのは知っていますか?
「もちろん知ってるよ! 大谷翔平を僕らは“ユニコーン”と呼んでるけど、そのニックネームどおりの活躍だよね。でも僕はイチロー、ヒデキ・マツイと、初期の世代の日本人メジャーリーガーから見守ってきた。彼らの功績は本当に素晴らしい。野球は僕の情熱。カージナルズの愛は誰にも負けない(笑)」
ーーでは、そんなあなたの夢を教えてください。
「日本で野球の試合を観戦すること。日本で野球を観た人たちから“すごく楽しかった”と聞かされ続け、どんな雰囲気なのか体験したいんだ。絶対に実現させたい夢のひとつだ」
ーー日本でお待ちしています。
「わかった。必ず行くよ!」
今年(2025年)は日本でシカゴ・カブスvs.ロサンゼルス・ドジャースのメジャーリーグ開幕戦が行われ、カブスの大ファンである『ゴーストバスターズ』のビル・マーレイも東京ドームでの観戦で来日した。ジョン・ハムが日本のスタジアムで野球を楽しむ姿が目撃されるのも、そう遠くない未来かもしれない。
Apple TV+『フレンズ&ネイバーズ』
監督・脚本/ジョナサン・トロッパー 出演/ジョン・ハム、アマンダ・ピート、オリヴィア・マン、ホーン・リー、マーク・トールマン
4月11日(金)よりApple TV+にて配信開始!
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