Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.11.25

MLBの挑戦者たち 〜メジャーリーグに挑んだ全日本人選手の足跡
Vol.3 長谷川滋利/ひたむきに腕を振り続けたタフネス


現在、大谷翔平が所属するエンゼルスで、90年代後半に活躍していた長谷川滋利

少し意外かもしれないが、MLBで活躍した日本人選手の中で、最も多くの試合に登板したのが長谷川滋利である。主にリリーフとして、9シーズンで517試合(2位は上原浩治の436試合)。そのうち5シーズンで60試合以上の登板を記録している。彼がいかにタフだったかを物語る数字だ。日本人投手の実力を力強く示したのが野茂英雄なら、その勤勉さや献身性を知らしめたのが長谷川滋利といえるだろう。彼もまた、日本人メジャーリーガー全盛期への扉を開いた人物ではないだろうか。
 

 
 

 

1997年4月5日、ヤンキースタジアムでリリーフ登板。無失点に抑えてメジャー初勝利を手に入れた

NPBのオリックス・ブルーウェーブ(当時)に入団した長谷川は、パ・リーグの最優秀新人賞に選ばれるなど、主に先発投手として活躍した。3年目の1993年からメジャー挑戦の意向を球団に伝えていたが、実現したのは’97年のこと。それもアナハイム・エンゼルスへの金銭トレードという異例の形態となった。まだFA制度が整備される前のことで、すんなりと海外移籍できる環境ではなかった。学生時代からMLBを視野に入れ、英語を勉強し続けていた長谷川が、28歳にしてようやくつかんだ夢だった。
 

 
‘9745日、クリーブランド・インディアンス戦でメジャー初先発。41/3を投げて4失点と、ほろ苦いデビュー戦となった。同15日のニューヨーク・ヤンキース戦で、8回にリリーフとして登場して初勝利。その後も先発では結果を残せず、リリーフを中心に起用されることになる。結局、50登板で373ホールド、防御率3.93という成績で1年目を終えている。
 
  

 
 
2002年5月4日、ヤンキースタジアムで行われた試合にてセーブを記録した長谷川。試合後、チームメートのイチローとハイタッチする

’98年からは3年連続で60試合以上に登板し、リリーフとして大車輪の活躍を見せる。守護神トロイ・パーシバルの出場停止を受けてクローザーを務めるなど、チームからの絶大な信頼を勝ち取っていく。2001年には肩の違和感で故障者リスト入りしたが、手術を回避して1カ月半で戦線復帰。8月には日本人通算200勝目という節目の登板を務めている。この年はMLBでのキャリア最少となる登板数だったが、それでも46試合に投げているのだから恐れ入る。
 

 
‘02年にはシアトル・マリナーズに移籍。オリックス時代の後輩であるイチロー、日本同様の大魔神ぶりを発揮していた佐々木主浩とチームメイトに。よく3人で食事をしたそうだが、とくにイチローとは仲がよく、プライベートでの親交も深い。長谷川のほうが5つも上なのに、イチローは親しみをこめて“シギーと呼んでいるという。
 
  

 

2003年、スプリングトレーニングで佐々木主浩と談笑

マリナーズでも中継ぎ、セットアッパー、クローザーとして獅子奮迅の活躍を見せた長谷川だが、次第に成績が悪化。’05年には日本人として前人未到の500試合登板を達成したものの、オフにFAとなってしまう。日米の複数球団からオファーがあったそうだが、’061月に引退を表明。37歳だった。引退の理由として「マウンド上でのモチベーションを維持することが困難になった」と説明している。
 

  

 

2017年、全米アマチュアゴルフ選手権 2日目に挑む様子

こうして現役生活を終えた長谷川だが、なんと50歳にしてアメリカでのプロゴルファー活動を開始。’21年にはプロ転向後のツアー初優勝も果たしている。現在は日本のPGAプロ資格を取得すべく、プロテストに挑戦中。どこまでもタフな男なのである。

Profile
長谷川滋利(はせがわ しげとし)/1968年8月1日生まれ、兵庫県出身。日米通算102勝88敗37セーブ(1991年〜2005年)
 

 

 
文=野中邦彦  text : Kunihiko Nonaka
photo by AFLO
〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!
SPONSORED
2025.12.24

〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!
『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!

今年で3回めの開催となった、本誌『サファリ』主催のゴルフイベント『サファリ・オープン 2025』。毎年、様々なコンテンツやアクティビティでも話題となるこのコンペ。今回はさらに斬新なサービスも加わり、熱い盛り上がりを見せていた。そんな大盛況…

TAGS:   Lifestyle
知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!大人の品格を宿すクラシックな1本!
SPONSORED
2025.12.24

知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!
大人の品格を宿すクラシックな1本!

大人のコーディネートは、小物選びで“品格”が決まる。特に顔まわりの印象を左右するアイウエアは、手を抜けない重要パートだ。そこで注目したいのが〈トム フォード アイウエア〉の新作。繊細でクラシカルなフォルムが目元に知性を添え、冬スタイルを格…

TAGS:   Fashion
今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!
SPONSORED
2025.12.24

今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!
デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!

タフで男らしい大人のカジュアルに欠かせないデニムは、今、王道の骨太な1本が人気。なかでも2023年に復活し、昨今のトレンドも相まって注目されている〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない。デニム本来の武骨な魅力やヴィンテージ感を気軽に楽…

TAGS:   Fashion Denim
クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!
SPONSORED
2025.12.24

クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!
今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!

カジュアル好きの男にとって、ミリタリー系のアウターは昔から定番。とはいえ、いい年の大人になるとガチの軍モノは、マニアックすぎて少々着こなしにくいのも事実。ならば、洗練された大人仕様の1着を。〈センテナ〉のミリジャケなら武骨なデザインはその…

TAGS:   Fashion
Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタントエレガントな時間を、手元に宿す。
SPONSORED
2025.11.28

Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタント
エレガントな時間を、手元に宿す。

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion
素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。
SPONSORED
2025.11.18

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。
ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。

上質なレザーのしなやかな感触と使い勝手の良さで支持を集めている〈アニアリ〉のバッグ。ミニマルで洗練されたデザインは、装いを自然に洗練されたものへと導いてくれる。また、確かな日本の職人技に裏打ちされた使いやすさと安心感が、使うほどに深まる風…

TAGS:   Urban Safari Fashion

loading

ページトップへ