Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.11.14

MLBの挑戦者たち 〜メジャーリーグに挑んだ全日本人選手の足跡
Vol.1 野茂英雄/日米球界をつなぐパイオニア【後編】



MLB2年目の1996年、野茂はドジャースと3年総額430万ドルのメジャー契約を結ぶ。その安心感もあってか、野茂は昨年以上の素晴らしい成績を残す。4月13日のフロリダ・マーリンズ戦で17奪三振の完投勝利。7月に日米通算100勝を達成。9月1日にはメジャー史上3人目となるデビューから2年連続200奪三振という記録を樹立した。
 

 
そして迎えた同17日、コロラド・ロッキーズ戦。ロッキーズの本拠地であるクアーズ・フィールドは標高約1600mの高地にあり、気圧の低さから打球がよく飛ぶことで知られている。しかも雨のために試合開始は2時間も遅れ、気温が10℃以下にまで下がるという、投手にとって最悪の条件。誰もが荒れた試合展開を予想した。
 

 

ノーヒット・ノーランを達成した野茂を祝福する捕手のピアザ

先発した野茂は、初回、2回と四球でランナーを許す苦しい投球内容。3回からは代名詞のトルネードを封印し、足場の安定するセットポジションからの投球に変更。これが功を奏した。以降は危なげないピッチングを続け、見事にノーヒット・ノーランを達成。ラストの110球目はフォークボールだった。マイク・ピアザ捕手のサインに珍しく首を振り、自ら選んだ1球で空振り三振を奪った。試合後のインタビューでは、何よりも捕手・ピアザのリードを称え、優勝争いをしているチームの勝利を喜んだ。この謙虚さと朴訥さが、いかにも野茂らしかった。この年はチーム最多の16勝11敗、防御率3.19、奪三振234という内容で終えている。
 

 
翌’97年、メジャー最速記録となる500奪三振を達成するなど、まずまずの内容で前半戦を終える。しかし7月以降、右肘に打球を受けたことも影響し、打ち込まれるシーンが目立つようになる。シーズン成績14勝12敗ながら、防御率は4.25と悪化。オフには6月から張りがあったという右肘の遊離軟骨除去の手術を受けた。’98年、調子の上がらない野茂は、環境を変えるためにニューヨーク・メッツへ移籍。それからの数年間は、シカゴ・カブス、ミルウォーキー・ブルワーズ、デトロイト・タイガースとチームを渡り歩いた。
 

 

オリオールズの本拠地オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズで2度目のノーヒット・ノーランを達成

低迷していた野茂が、完全復活を果たしたのは2001年のこと。ボストン・レッドソックスへ移籍し、4月4日のボルチモア・オリオールズ戦でいきなり自身2度目のノーヒット・ノーランを達成。両リーグでのノーヒッター達成は、史上4人目という快挙だった。5月2日のシアトル・マリナーズ戦では、新人として大きな話題を集めていたイチローと初対戦。第1打席を二ゴロ、第2打席を中飛に打ち取ったが、第3打席ではストレートを思いきり背中にぶつけている。この年は13勝10敗、防御率4.50で終了。リーグ最多の220奪三振を記録し、4年ぶりに奪三振が200を超えた。また96四球もリーグ最多だった。
 

 

石井一久とともに2002年の開幕戦セレモニーに参加

‘02年には古巣のドジャースに復帰。この年からMLBにやってきた石井一久とチームメートになる。野茂は16勝を挙げてチームに大きく貢献し、防御率も3.39と良化した。ちなみに、石井と野茂は与四球数のリーグ1位・2位(石井106、野茂103)を記録。監督やチームメートは、さぞイライラしたことだろう。翌’03年には自身3年ぶりの開幕投手を務め、ダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンと投げ合って8回無失点。自身もタイムリー二塁打を打っている。この年も16勝を挙げ、防御率3.09はリーグ6位の好成績だった。
 

 

2005年6月15日、タンパベイ・デビルレイズ(現タンパベイ・レイズ)に所属していた野茂は本拠地トロピカーナ・フィールドで行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦で日米通算200勝を達成

いかに強靭な肉体をもつ野茂といえども、この時すでに35歳の大ベテラン。以降は肩や肘の不調が相次ぎ、マイナー契約でチームを渡り歩く生活を余儀なくされる。’05年には日米通算200勝を達成したが、引退した’08年まで表舞台で輝くことはなかった。引退時は記者会見を開くことすらなく、「自分の気持ちだけで中途半端にしていても、まわりに迷惑をかけるだけだと思った」という短いコメントを残している。黙々と自分の仕事をまっとうする、野茂英雄という男の流儀を最後まで貫いた。
 

 

2023年8月、日本人MLB投手最多奪三振を記録したダルビッシュ有を称えるセレモニーに出席。2016年からダルビッシュが所属するサンディエゴ・パドレスのアドバイザーを務めている

【Profile】

野茂英雄(のも ひでお)/1968年8月31日生まれ、大阪出身。日米通算201勝155敗、3122奪三振(1990年〜2008年)
 

 

 
文=野中邦彦  text : Kunihiko Nonaka
photo by AFLO
元サッカー日本代表・槙野智章も注目する“アミノバイタル® アミノプロテイン”!ルーティンを維持する理想の相棒!
SPONSORED
2026.06.30

元サッカー日本代表・槙野智章も注目する“アミノバイタル® アミノプロテイン”!
ルーティンを維持する理想の相棒!

現役時代からカラダ作りに強いこだわりを持つ元サッカー日本代表の槙野智章。現在もそれは変わらず、毎日のルーティンやトレーニング後のケアが大切だという。そんな彼が今注目しているのは、“アミノバイタル® アミノプロテイン”。カラダと向き合い続け…

テカりに打ち勝つ美容液が決め手に!?アワードで選手たちのかっこよさを支えた〈SHISEIDO MEN〉!
SPONSORED
2026.06.21

テカりに打ち勝つ美容液が決め手に!?
アワードで選手たちのかっこよさを支えた〈SHISEIDO MEN〉!

シーズン中に活躍した選手並びにチームを讃える“B.LEAGUE AWARD SHOW 2025-26”。受賞者たちは華々しくランウェイを闊歩したが、男らしくスタイリッシュなビジュアルの舞台裏には、“テカり知らずの清潔感ある肌”も一役買って…

TAGS:   Health&Beauty
上質にしてエレガント、〈ブランパン〉で時を楽しむ。複雑機構こそ大人の愉悦 ムーンフェイズを手元に。
SPONSORED
2026.06.26

上質にしてエレガント、〈ブランパン〉で時を楽しむ。
複雑機構こそ大人の愉悦 ムーンフェイズを手元に。

“フィフティ ファゾムス”に象徴される本格ダイバーズとともに〈ブランパン〉のアイデンティティを体現するのが、ドレスウォッチの“ヴィルレ”コレクション。その魅力を十二分に楽しませてくれるのが、ムーンフェイズを備えたコンプリートカレンダーモデ…

TAGS:   Watches Urban Safari
独創的にして普遍の美しさを体現する〈ラドー〉。技術と革新。セラミックの造形美。
SPONSORED
2026.06.26

独創的にして普遍の美しさを体現する〈ラドー〉。
技術と革新。セラミックの造形美。

革新的な素材使いによって、手元のお洒落に独創性とスタイリッシュさをもたらしてくれる〈ラドー〉。その真骨頂となるのが、“アナトム”と“トゥルー スクエア”というふたつのコレクション。ハイテクセラミックを駆使した造形美が、新しい“時”の楽しみ…

TAGS:   Watches Urban Safari
“阿波藍”に彩られた特別な〈オシアナス〉。美しき日本の伝統色を、手元に。
SPONSORED
2026.06.26

“阿波藍”に彩られた特別な〈オシアナス〉。
美しき日本の伝統色を、手元に。

世界初のデュアルタイム搭載フルメタルクロノグラフ電波ソーラーウォッチとして2004年に誕生して以来、高い人気を誇る〈オシアナス〉。海に着想を得た“青”の世界観を追求し続けてきたその配色に、また新しい魅力がもたらされた。伝統技法を取り入れた…

TAGS:   Watches Urban Safari
〈エドックス〉の日本限定モデルは真っ黒ダイバーズ!大人のバカンス姿はオールブラックで引き締めを!
SPONSORED
2026.06.25

〈エドックス〉の日本限定モデルは真っ黒ダイバーズ!
大人のバカンス姿はオールブラックで引き締めを!

淡いトーンのリラックス感あるリゾート姿だからこそ、どこかに引き締める要素が必須だ。ならば〈エドックス〉の日本限定の“真っ黒ダイバーズ”時計はどうだろう? 余裕のある大人のサマーバカンスには、こんなステルス仕様な腕元の相棒が効果的!

TAGS:   Watches
〈エドックス〉×〈ムータ・マリン〉のコラボ時計第2弾が登場!夏男の腕に映える“海をまとう”タイムピース!
SPONSORED
2026.06.25

〈エドックス〉×〈ムータ・マリン〉のコラボ時計第2弾が登場!
夏男の腕に映える“海をまとう”タイムピース!

防水時計のパイオニアとして知られるスイスの老舗時計ブランド〈エドックス〉。そしてラグジュアリーな大人の海スタイルを提案する〈ムータ・マリン〉。そんな夏を象徴する2大ブランドのコラボ第2弾が実現。“海をまとう”デザインにタフな機能性が備わっ…

TAGS:   Fashion Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ