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CULTURE カルチャー

2023.07.01

『インディ・ジョーンズ』ほか!
【まとめ】レジェンド俳優ハリソン・フォード出演作12選

Safari Onlineで紹介してきたハリソン・フォード出演作をまとめてご紹介!

 

 


『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』
製作年/1981年 監督/スティーヴン・スピルバーグ 出演/カレン・アレン、ポール・フリーマン

冒険アクションの最高峰!
ブルホイップ(牛追いムチ)を武器にナチス軍を相手に勇敢に戦う一方、蛇だけは大の苦手という主人公インディ・ジョーンズが活躍する冒険映画の最高峰。人類の歴史を覆す大秘宝を求め、南米の秘境を皮切りに、米国→ネパール→エジプト→ギリシャのクレタ島と地球をぐるっと一周する大冒険へと繰り出していく。

冒頭の大玉に追いかけられるシーンからはじまる数々の冒険と、ジョン・ウィリアムズの軽快なテーマ曲が日常を忘れさせてくれ、インディとともに冒険の旅へトリップした気分になれること必至。クライマックスでは神と交信できるというユダヤの秘宝“聖櫃(アーク)”の驚きの中身も明かされ、最後までハラハラドキドキの連続。

製作は『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカス、監督はスティーヴン・スピルバーグ。少年が夢見る世界を愛してやまない2人の巨匠が最強タッグを組んだ、最上級のエンターテイメント作品。冒険家にして考古学教授である“永遠のヒーロー”インディに扮するのはハリソン・フォード。当時39歳、ダンディさが全身からほとばしっていた時期であり、よれよれのソフト帽とサファリシャツ姿なのだが、それが絶妙でかっこいいのだ。 

 

 
あのシーンに恐怖した!
驚愕のトラウマ映画5選!

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
製作年/1984年 監督/スティーヴン・スピルバーグ 出演/ケイト・キャプショー、キー・ホイ・クァン

サルの脳みそシャーベット!
1935年の上海。暗黒街の組織の罠にはめられ、インドの山奥に墜落したインディたち。彼らはそこで出会った村人たちに、邪教集団に奪われた神の石と村の子どもたちを取り返してほしいと頼まれる。それが伝説の秘宝“サンカラ・ストーン”だと知ったインディは、邪教集団の根拠地であるパンコット宮殿へ向かうが……。

パンコット宮殿ではインディらをもてなすために夕食の宴がはじまる。ところが、これがクセもの。悪趣味なメニューが次々と登場するのだ。巨大なヘビの中に詰め込まれた生きたウナギ、丸焼きのカブトムシ、目玉の入ったスープ、締めのデザートはサルの頭をフタにした脳みそのシャーベット! ユーモアたっぷりなシーンなのだ、くれぐれも食事をしながらの鑑賞には気をつけて!

ちなみにそのゲテモノ料理に驚いていたショート・ラウンド役のキー・ホイ・クァンは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でオスカーを獲得。アカデミー賞のステージ上でハリソンと抱擁するシーンは、ファンの目を頭を熱くした。 

 
 


刑事ジョン・ブック目撃者

『刑事ジョン・ブック目撃者』
製作年/1985年 原作/パネラ・ウォレス 原作・脚本/ウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス 監督/ピーター・ウィアー 出演/ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、ダニー・グローバー

真相を追う人間味ある刑事役を好演!
アーミッシュの村に住む少年が旅行中、立ち寄ったフィラデルフィア駅で殺人事件を目撃する。事件を担当することになった刑事ジョン・ブックは少年とその母親に捜査の協力を頼むが、意外な事実が明らかになり……。『いまを生きる』のピーター・ウィアーが監督を務め、アカデミー賞脚本賞に輝くなど、名作として愛され続けている1本。ハリソン・フォードがタイトルロールのジョン・ブックを演じ、“目撃者”となった少年とその母を守りながら事件の真相に迫っていく。文明から距離を置いて暮らすアーミッシュの女性と都会の刑事が立場を超えて繰り広げるロマンスも切なく、ハリソン・フォードが人間味を滲ませながら魅せる。 

 
 

 

『フランティック』
製作年/1988年 監督/ロマン・ポランスキー 出演/エマニュエル・セニエ

スーツケースを間違えただけなのに……!
学会に出席するためパリを訪れた医師とその妻が、不可解な事件へ巻き込まれる秀作サスペンス。長旅の疲れを抱えたままホテルにチェックインした二人は、どうやら自分たちが同型同色の他人のスーツケースを間違って持ち帰ってしまったことに気づき……とまあ、ここまでは海外旅行でよくある話だが、その後、ふと目を離した隙に、妻が忽然と姿を消してしまってからはミステリアスな展開の連続。警察や大使館も頼りにならない中、主人公が慣れない言語に苦労しながら真実へにじり寄る、いわゆる”ヒッチコック”スタイルの際立った一作だ。

特に注目したいのがポランスキー監督ならではの“水”の表現。物語の序盤で、妻が何かを懸命に訴えかける声は、シャワー音にかき消され全く聞こえない。その上、本作中でいちばんゾッとする場面では、なぜか背後にポタポタと水の滴る音が絶え間なく響く。かくも最初から最後まで身と心が湿り気を帯びていくような不気味さが、唯一無二の切迫感に拍車をかけている。 

 
 

 
逃亡者

『逃亡者』
製作年/1993年 原作/デヴィッド・トゥーヒー、ロイ・ハギンズ 監督/アンドリュー・デイビス 出演/トミー・リー・ジョーンズ、ジュリアン・ムーア、セラ・ウォード

ハリソンのサスペンスといえば、この1本!
優秀な外科医リチャード・キンブルが、妻殺しの容疑で逮捕される。身に覚えのないキンブルは、護送途中に起こった事故に乗じて逃亡。自らの潔白を証明するため、真犯人だとおぼしき“片腕の男”を捜しはじめる。一方、連邦保安官補のサミュエル・ジェラードは、そんなキンブルを徹底的に追いはじめ……。往年の人気テレビドラマを映画化し、ハリソン・フォードがキンブルを、トミー・リー・ジョーンズがジェラードを熱演。決死の逃走劇を繰り広げながら真犯人を追うキンブルと、冷静かつ非情にキンブルを追い詰めていくジェラードの攻防が見どころ。ハリソン・フォード主演サスペンスを1本だけ見るなら、まずはこの作品を。 

 
 

 
今そこにある危機

『今そこにある危機』
製作年/1994年 原作/トム・クランシー 監督/フィリップ・ノイス 脚本/ドナルド・スチュワート、スティーヴン・ザイリアン、ジョン・ミリアス 出演/ウィレム・デフォー、アン・アーチャー、ヨアキム・デ・アルメイダ

ハリソンらしい正義の存在感に唸る!
麻薬撲滅を掲げてきた大統領が、コロンビアの麻薬組織の一掃を指示。だが、その渦中で奔走するCIA情報担当官ジャック・ライアンはやがて、幾多の人間の思惑が絡み合う巨大な陰謀を目の当たりにすることに……。ベストセラー作家トム・クランシーの小説を、シリーズ前作にあたる『パトリオット・ゲーム』も手掛けたフィリップ・ノイス監督が映画化。ハリソン・フォードも『パトリオット・ゲーム』に続き、ジャック・ライアンを演じている。麻薬組織を巡る攻防に政治家たちの謀略が絡み合う緊迫過多な展開の中、インディ・ジョーンズに並ぶハマリ役、ジャック・ライアンと化したハリソン・フォードの“正義の存在感”が光る。 

 
 

 


『デビル』
製作年/1997年 監督/アラン・J・パクラ 出演/ブラッド・ピット、マーガレット・コリン

ブラピと共演した骨太作品!
IRAの活動家フランキー(ブラッド・ピット)と引退間近の警察官トム(ハリソン・フォード)。立場は異なれど、同じアイルランド系というルーツを持つふたりの奇妙な友情と対峙を描いたサスペンス・アクション。武器調達のためにNYにやってきたフランキーは仲介者の紹介で準備が整うまでトムの家に居候することになる。ごく普通の家庭で束の間の穏やかさを感じるフランキーと、若いフランキーに親身になるトムの温かな描写と、銃撃戦などの激しいアクションシーンの対比に引き込まれる。

特にブラッド・ピットの、ハードでかっこいい役柄の中に時折見せる、庇護欲を駆り立てる子犬のような瞳と、お父さん然としたハリソン・フォードの渋みがいい。アイルランド独立運動を率いた武装組織IRAや、アメリカにはアイリッシュ系移民が多いことなど、背景もわかっているとより興味深いかも。もちろん何も知らずに見ても面白い! 

 
 

  


『ホワット・ライズ・ビニース』
製作年/2000年 監督/ロバート・ゼメキス 出演/ミシェル・ファイファー

超常現象? それとも人間の仕業!?
ロバート・ゼメキスが得意のCG技術をふんだんに用いたヒッチ・コック風サスペンス。研究者ノーマンと妻のクレアは、誰もが羨むような夫婦。しかし妻は、湖のほとりに建つ自宅でおかしな現象が相次いでいることに気づく。浴室の鏡に文字が浮かんだり、写真盾が倒れたりーーー。盾の裏にはマディソンという名の女性が失踪した記事が。ふと超常現象との繋がりを感じたクレアは、儀式によって霊を呼び寄せてみることに。その結果、記憶の奥に封じられていた、ノーマンとマディソンが浮気関係にあった過去が呼び起こされる。

【ここからがネタバレ】
クレアが夫を問い詰めると、彼はかつて浮気を暴露すると脅してきたマディソンを殺害し、遺体を湖に沈めたことを告白する。彼は真実を知ったクレアをも殺そうと襲い掛かるが、揉み合う二人を乗せたクルマは方向性を失い、湖の中へ。すると水底からマディソンの霊が現れ、ノーマンが息絶えるまで掴んで放さない。そうやって彼女は復讐を遂げ、再び水底へ戻っていくのだった……。“ノーマン”という名や“バスタブ”も『サイコ』のオマージュであるのを意識して楽しみたい一作。 

 
 

 
K-19
『K-19』
製作年/2002年 原案/ルイス・ノーラ 製作・監督/キャスリン・ビグロー 脚本/クリストファー・カイル 出演/リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード

偏屈で厳格すぎる艦長を熱演!
米ソ冷戦下の1961年、ソ連の原子力潜水艦K-19が厳格なボストリコフを艦長に、部下からの信頼があついボレーニンを副艦長(リーアム・ニーソン)に出航する。しかし、艦内で放射能漏洩事故が発生。第三次世界大戦を引き起こしかねない状況の中、乗組員たちは死と隣り合わせの奮闘を強いられることに……。『ハートロッカー』のキャサスリン・ビグロー監督が、ソ連の原子力潜水艦で実際に起こった事故を映画化。好感度の高いスターたるハリソン・フォードが一見偏屈で厳格すぎる艦長を演じ、物語に緊張感をもたらしているのもポイント。潜水艦という閉鎖空間がスリルを加速させ、“潜水艦映画にハズレなし”を裏づけている。 

 
 

 


『42 世界を変えた男』
製作年/2013年 監督・脚本/ブライアン・ヘルゲランド 出演/チャドウィック・ヴォーズマン

メジャーリーグの永久欠番になった男を支えるGM役!
史上初のアフリカ系アメリカ人メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ヴォーズマン)の半生を描いた伝記映画。1947年、ブルックリン・ドジャースのGMだったリッキー(ハリソン・フォード)は、周囲の反対を押し切り、ロビンソンとメジャー契約を結ぶ。誹謗中傷を浴びせられるロビンソンだが、プレーに徹することで、次第に周囲の人々の心を変えていく。

黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンは、俊足巧打のスラッガーで、寡黙な男。そんな彼が壮絶な人種差別と戦いながら自らの道を切り開いていく姿に、ひたすら感動。人間の尊厳に満ちていて、野球好き以外も、魅了されるはず。42とはロビンソンが付けていた背番号で、メジャーリーグ全球団共通の永久欠番となっている。残念ながら病死した主演のチャドウィック・ボーズマンの熱演にも涙が止まらない……。 

 
 

 


『ブレードランナー 2049』
製作年/2017年 製作総指揮/リドリー・スコット 監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ 脚本/ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン 出演/ライアン・ゴズリング、アナ・デ・アルマス、ロビン・ライト

再びデッカードを演じる!
舞台は2049年。人造人間の“レプリカント”が労働者として社会に溶け込む世界で、危険なレプリカントを探すのがブレードランナーと呼ばれる捜査官。その一人で、LA市警の“K”が信じがたい事件に巻き込まれていく。K役は『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリングで、前作のブレードランナー、デッカードを演じたハリソン・フォードも登場し、過去の秘密が明らかに。荒廃した未来社会の風景、その衝撃は前作以上かもしれない。

アナ・デ・アルマスがKを自宅で待つ恋人、ジョイというキャラクターを演じている。毎日の仕事を終えたKに癒しを与え、家事もこなすジョイは、人間の女性そのものの外見ながら、実体はAI搭載のホームオートメーションシステム。いま何かと話題のAIが、未来ではこのジョイのような姿で現実になるのか……と妄想もふくらむ。ジョイはAIと言っても、感情をそれなりに表現。とくに無邪気さや内に秘めた悲しみをKに伝える瞬間は、人間とAIの微妙なボーダーラインに不思議な感覚にさせられる。 

 
 

 

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』6月30日公開
製作年/2023年 製作総指揮/スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス 監督/ジェームズ・マンゴールド 出演/ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセン  配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン

最後の勇姿を観届けないわけにはいかない!
15年前の前作(『インディ・ジョーンズとクリスタル・スカルの王国』)は1957年が舞台だったが、今回は1969年。役のインディ、および演じるハリソンとも、年齢に合わせた設定なのがナチュラル。考古学を引退しようと考えていたインディだが、突然目の前に現れた親友の娘、ヘレナの告白によって、冒険心がめざめる。

インディが“運命のダイヤル”と追い求めていた秘宝の手がかりが見つかったのだ。その秘宝を巡って、第二次世界大戦中に因縁のあった相手との激しい争奪戦が繰り広げられる。映画の冒頭は1944年のシーン。そこには今より若いハリソンのインディが! 過去のシリーズの顔の映像が信じられないほど違和感なく合成され、懐かしさとともに物語に没入してしまう。そこから二転三転のアドベンチャーに、映画の王道を実感する人も多いだろう。

今年81歳になるハリソン・フォードだが、インディ得意のムチさばきは相変わらず名人芸だし、過酷なスタントも衰えぬ身の動きでこなし、さすがの一言。前作『クリスタル・スカルの王国』でも秘宝のパワーがぶっとんでいたが、今回も期待を裏切らない規格外。この豪快さ、大胆さこそ、インディ・ジョーンズ映画の持ち味だった……と納得してしまう! 

 
 

 

 
Information

文=斉藤博昭、牛津厚信、渡邉ひかる、長野辰次  text:Hiroaki Saito、Atsunobu Ushizu、Hikaru Watanabe、Tatsuji Nagano
photo by AFLO
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.
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