Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.09.10

あの頃の思い出も蘇る!?
90年代の空気感が味わえる映画5選!

 




『リアリティ・バイツ』

製作年/1993年 監督・出演/ベン・スティラー 脚本/ヘレン・チャイルドレス 出演/ウィノナ・ライダー、イーサン・ホーク、ジャニーン・ガロファロー

共同生活をする若者4人の青春ドラマ!
現在の“Z世代”のように、その時代、その時代で流行やカルチャーを作る若者は、ひとまとめで呼ばれる。1990年代、それは“ジェネレーションX(X世代)”だった。ネット社会が一般化する前の時代、彼らは“MTV世代”とも言われ、そんなムードをたっぷり満喫させてくれるのが本作。TV局の契約社員を辞め、MTVの幹部と出会うリレイナを中心に、アパートで共同生活をはじめる4人の男女のドラマが展開。大人たちが作ったシステムに縛られたくない。でも自立は不安……。現実と野心の間(はざま)で揺れる彼らの言動が、意外なまでに心に突き刺さり、90年代映画として共感度MAXの一本である。リアリティ・バイツは“現実は厳しい”という意味。

ザ・ナックの『マイ・シャローナ』をはじめ、U2、レニー・クラヴィッツらの曲が絶妙なタイミングで流れ、スーツからカジュアルまでファッションは、いかにも90年代風。登場人物の一人が〈ギャップ〉で働いているが、ちょうど本作の日本公開直後に〈ギャップ〉の日本一号店がオープンしている。そのほかにも若者たちのHIVへの不安など、当時ならではのネタを発見できる。ウィノナ・ライダー、イーサン・ホークら俳優たちの等身大の演技も魅力。MTV幹部役のベン・スティラーは、本作で初監督も務め、キャストとともに独自のムードを創り出した。 

 
 

 


『クルーレス』
製作年/1995年 監督/エイミー・ヘッカリング 出演/アリシア・シルバーストーン、ブリタニー・マーフィ、ステイシー・ダッシュ、ポール・ラッド

90年代の明るさを反映した青春コメディ
人気ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』がスタートしたのが、1990年。その後『〜青春白書』とタイトルを変えて2000年まで続き、90年代の象徴になったが、そんな“ビバヒル”的作品で、意外なほど人気を集めたのが『クルーレス』だ。主人公はビバリーヒルズで弁護士の父と2人暮らしの女子高生シェール。彼女の興味は、ファッションに音楽、食事やクルマなど、オシャレなものを追いかけること。自分のセンスに自信をもつことこそ、人生最大の目標。周囲のイケてない人には、上から目線でアドバイスしたりする。

一見、めちゃくちゃ嫌味なヒロインなのだが、演じるアリシア・シルバーストーンの表情&演技がとにかくキュート。その不思議なバランスで、観ているうちにシェールを好きになっていくのが本作のマジック。途中からはシェールが自分の間違いに気づく展開にもなっているので、意外なほど後味はスッキリ。何よりこの映画、冒頭のミュージックビデオのようなシーンからテンポのよさが抜群。カラフルでポップな色使い、いい意味での能天気なムードで、90年代映画の愛すべき一本になっている。 

 
 

 


『トレインスポッティング』
製作年/1996年 原作/アービン・ウェルシュ 監督/ダニー・ボイル 出演/ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ロバート・カーライル

ドラッグに溺れる若者たちを描いたヒット作
1990年代、日本では東京・渋谷が若者カルチャーの発信源だった。その渋谷の人気ミニシアター、シネマライズで33週間ものロングランを記録した1996年の本作は、90年代を代表する一本と言っていい。スコットランドのエジンバラで、主人公のレントンを中心に、ヘロインやアルコールの中毒になっている若者たちの日常が展開。ドラッグの売買や、思わぬ悲劇などシビアな要素も盛り込まれたストーリーだが、公開当時、ポスターのビジュアルなどから、最先端のカッコいい映画として支持を集めた。

監督は、その後、アカデミー賞も受賞(『スラムドッグ$ミリアネア』)して巨匠になったダニー・ボイル。レントンたちが走るシーンでのテンションが上がる演出や、ドラッグの酩酊状態で見た世界の奇妙な映像、イギー・ポップ、ルー・リードなど使用曲のセンスは、いま改めて観ても鮮烈。レントン役のユアン・マクレガーも過激な演技を披露し、本作で一気にブレイク。仲間たちの絆が迎える幕切れには心ざわめくが、20年後の続編『T2 トレインスポッティング』とセットで観れば、時の流れにちょっぴり切ない気分になる。 

 
 

 


『パルプ・フィクション』
製作年/1994年 原案・監督・脚本/クエンティン・タランティーノ 出演/ジョン・トラヴォルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ブルース・ウィリス

映画界を変えたタランティーノの出現!
90年代、映画の世界を革新した才能といえば、クエンティン・タランティーノ監督だろう。『レザボア・ドッグス』で注目され、この監督2作目でカンヌ国際映画祭の最高賞、パルムドールを受賞。映画のスタイルが何もかも独創的で“新しい映画”を体験する感覚をもたらしてくれた。ダイナーで、何やらダラダラと会話を続けていた2人が、いきなり犯罪行為で暴走化する。そんなオープニングから、劇的な事件が起こったり、あるいは意味不明だけど楽しそうな会話が続いたり……と、時制も場所もフラッシュされて、複数のエピソードが交錯していく。
 
ボスの情婦と一夜を共にすることになるギャング、ボクシングで八百長試合を頼まれるボクサーなど、出てくるキャラクターはすべて濃密な香りを漂わせ、俳優たちもリミッターを外したかのようにそれぞれの役で怪演をみせる。なかでも当時、キャリアが低迷していたジョン・トラヴォルタは本作で見事に復活。彼とユマ・サーマンが踊るツイストや、サーフミュージックとして知られる曲『ミザルー』のクールな使われ方など、強烈に記憶にやきつくシーンも多数。そしてタランティーノの代名詞となったバイオレンスでも圧倒する。革新性とインパクト、そしてスタイリッシュな魅力で90年代の頂点に立つ一本だ。 

 
 

 


『mid90sミッドナインティーズ』
製作年/2018年 製作・監督・脚本/ジョナ・ヒル 出演/サリー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストン、ルーカス・ヘッジズ、ナケル・スミス

90年代半ばのLAを舞台にした成長物語
90年代映画と聞くと、その当時の話題作を思い浮かべるが、後の時代に“90年代を描いた作品”もある。『マネーボール』などで個性派俳優として知られるジョナ・ヒルが、少年時代を過ごした90年代半ばのロサンゼルスを舞台に、主人公を自身に重ねて監督したのが本作。母と兄と暮らす13歳のスティーヴィーは、暴力をふるう兄におびえつつ、スケートボード・ショップで知り合った年上の少年たちの仲間になる。スケボーの技を磨き、危険な事件にも巻き込まれながら、スティーヴィーは大人へと成長していく。

スケボー専用のパークはもちろん、夕陽をバックにクルマが行き交う公道をボードで行くシーンなど、ボーダーたちの自由な日常は観ていて爽快。そんな西海岸のスケボーカルチャーに加え、スーパーファミコンやTシャツ、音楽などで全編、90年代の空気感が伝わってくる作り。それらが少年目線で描かれるうえ、90年代映画の質感を意識して16mmフィルムで撮った、ややザラついた映像が、甘酸っぱいノスタルジーを呼び起こす。少年たちのホロ苦い現実にも心がヒリヒリ。実際に90年代に作られた映画と、本作のように90年代を“懐かしむ”映画を観比べるのも、今だからこその楽しみ方だ。 

 
 

 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO
きっかけは〈MINI〉!“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!
SPONSORED
2025.09.04

きっかけは〈MINI〉!
“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!

「今とは“違う自分”に出会ってみたい」あるいは「本当の自分を発見したい」。そんなアナタに必要なのが“遊び心あふれる新しい自分”を探す旅。とはいえ今回は、リゾート地や最果ての土地を目指すのとは違って、“新しい自分”に出会うために新しいクルマ…

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!
SPONSORED
2025.09.03

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!
オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!

こだわりの強い男は、ファッションもインテリアも、実際に触れてみてから手に入れたいと思う人は多い。自分の目で確かめることは大切だからね。でも、その目を先見の明を持つ〈ロンハーマン〉がすでにしてくれているとなれば話は違う。要は、その信頼があれ…

TAGS:   Fashion
普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!
SPONSORED
2025.09.02

普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!
ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!

休日にウィンドウショッピングに行ったり、彼女と映画デートに出かけたり。こんなふうに気軽に街に出るときは、嵩張らずさっと肩掛けできるようなバッグが便利。といっても、せっかくのお出かけスタイルにそぐわないものでは本末転倒……。というわけで、使…

TAGS:   Fashion
即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 
SPONSORED
2025.09.01

即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 
大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 

大人には、見た目の落ち着きと品だけでなく、上質な素材による肌触りのよさも大切。その風合いのよさは、醸し出す雰囲気までグッと格上げてくれるから、モノ選びをするときには外せない点。それはカジュアルなアイテムであればあるほど、大事になってくる。…

TAGS:   Fashion
〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!
SPONSORED
2025.08.25

〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!
ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!

昨年、驚きとともにユニークな取り組みと評判を呼んだ、〈フランク ミュラー〉と〈ダナー〉のコラボブーツ。早くも登場した第2弾はキャラ立ち必至なデザインはそのままに、カラーやディテールでグレードアップ! 質実剛健なアウトドアブーツを、アートな…

TAGS:   Fashion
俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!強く輝きを放つ黒スケルトン!
SPONSORED
2025.08.25

俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!
強く輝きを放つ黒スケルトン!

航空計器からインスパイアされた四角と丸の組み合わせで唯一無二の地位を築き上げている〈ベル&ロス〉。特に現代的なデザインが人気の"BR-05"シリーズに新加入したのが、シャープな輝きと力強さを秘めたセラミック製の黒スケルトンだ。年々深みを増…

TAGS:   Fashion Watches
屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!
SPONSORED
2025.08.25

屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!
ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!

太めのダメージデニムはストリートなイメージが強く、若者が穿くものと思っている人も意外と多いのでは!? そこでおすすめしたいのが、〈デンハム〉のワイドデニム“ジャンボ”。膝に入った適度なクラッシュや、腿に施された絶妙なバランスのヒゲなど、ま…

TAGS:   Fashion Denim
遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!週末を遊び尽くす大人の韓国!
SPONSORED
2025.08.25

遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!
週末を遊び尽くす大人の韓国!

羽田空港や成田空港から約2時間で行ける〈インスパイア・エンターテインメント・リゾート〉。迫力のウォーターアトラクションを楽しめるプールや贅沢な5ツ星ホテル、きらびやかな韓国最大級カジノ、食欲をそそる韓流の肉料理など、多彩な魅力が集まってい…

TAGS:   Gourmet Stay&Travel
【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい
SPONSORED
2025.08.22

【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る
〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい

グループに属さない独立系時計ブランドならではの自由な時計作りで、存在感を放つ〈オリス〉。スイスの機械式時計の文化継承に多大な貢献を果たしてきた“正統派の後継者”である一方、1980年代に趣味的な高級品に留まっていた機械式時計を身近な存在に…

TAGS:   Watches
即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 大人カジュアル必携の人気のブラックアイテム!
SPONSORED
2025.08.18

即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 
大人カジュアル必携の人気のブラックアイテム!

大人になると色あざやかなアイテムを組み合わせてコーデするということを避け、ベーシックカラーを好むようになってくる。そのなかでも黒は、精悍でスマートに見せてくれるから、アラフォーにとって万能色といえるだろう。さらに季節が秋冬に向かえば、それ…

TAGS:   Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ