犯罪者ボニー&クライド、どう捕まえる!? 『ザ・テキサス・レンジャーズ』
“テキサス・レンジャーズ”と聞くと、メジャーリーグの球団を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、本作は野球映画ではない! 時は1930年代。アメリカ中西部で強盗と殺人を繰り返していた犯罪者コンビ、ボニーとクライドを探したのが、警官とは別組織の“テキサス・レンジャーズ”。ボニーとクライドといえば、名作『俺たちに明日はない』の主人公。本作は、追う側から描いた本格派クライムアクションだ。
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『ザ・テキサス・レンジャーズ』
胸熱なポイントは? 最恐の犯罪者に立ち向かう男たちの気骨さに惚れる!
まず驚くのが、冷血そのもののボニーとクライドが、アメリカ国民にとっては、ある種の“ヒーロー”だったという事実。銀行を襲い、刑務所から囚人を脱走させ、追ってきた警官を返り討ちする2人。その姿が、権力や富に反発する人々の心を掴んでしまった。ボニーのファッションが女性たちの間で流行したりと、そんな異様な当時の状況も本作は描いている。
しかも、ボニーとクライドの顔を映像でほとんど見せていない。これも、うまい演出! 終盤の展開は『俺たちに明日はない』を知っている人には“お約束”ではあるが、それでも一大クライマックスまでに高まる緊迫感と、すべてが爆発するアクションは圧巻の一言だ。
そしてこの映画に最も引きこまれるポイントは、テキサス・レンジャーズの隊員2人が下す決断と苦闘。演じるのはケヴィン・コスナーとウディ・ハレルソンで、はっきり言って若くはない。
一度はレンジャーズを退いた中年の彼らが、アメリカで最恐の犯罪者に立ち向かうわけで、衰えていた銃の腕前や体力を復活させる姿は、ちょっぴりユーモラスでもあり、共感せずにはいられない。そんな2人がFBIとも対立しながら、経験とひらめきで追跡を続ける。時代や国を超え、濃厚な男のロマンが充満する一作となっている。
『ザ・テキサス・レンジャーズ』
監督/ジョン・リー・ハンコック 脚本/ジョン・フスコ 出演/ケヴィン・コスナー、ウディ・ハレルソン、キャシー・ベイツ
2020年/アメリカ/132分
ネットフリックスで配信中
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