『左利きの少女』母娘3人の愛と葛藤を描く家族ドラマに心揺さぶられる!
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キャストや監督の名前で観たい映画を選ぶ。それはよくあるパターン。でもたまに、プロデューサーや脚本家で傑作の予感を漂わせるものもある。昨年のアカデミー賞で作品賞や監督賞、脚本賞などに輝いた『ANORA アノーラ』。そのショーン・ベイカー監督が製作や脚本、編集で関わったのが本作だ。
ショーン・ベイカーが脚本に参加しているとはいえ、この映画は台北が舞台で、セリフはすべて中国語。監督と共同脚本を務めたツォウ・シーチンは台北出身で、彼女はずっとベイカーの監督作にプロデューサーとして貢献してきた人。これは2人の結晶ともいえる。タイトルで示される主人公の少女イージンは5歳。母親、姉と3人暮らしで、母は台北の夜市で麺屋台を営み、ウージンは店に連れて来られ、手伝いもしている。左利きのウージンは、考え方が古い祖父から“左手は悪魔の手”と責められたことを気にしはじめ……。5歳の少女の葛藤&成長ストーリーが描かれつつ、シングルマザーである母のシューフェン、いろいろと問題を抱える姉のイーアン、それぞれの複雑なドラマに“ショーン・ベイカーらしさ”が込められた一作だ。
ストリップダンサーを主人公にした『ANORA アノーラ』もそうだったが、ショーン・ベイカーの映画に出てくる人物の多くは、追い詰められた状況でも、それを跳ね返す生命力、したたかさで対処するケースが多く、だから、まったく共感できないキャラでも元気や勇気をもらえたりする。『左利きの少女』でも、周囲の“常識人”と対立する主人公たちを、素直に応援したくなる作り。そして助け舟を出す、人のいいキャラをうまく使うのもベイカー作品ならでは。終盤には意外な展開も用意されるが、前半の些細なセリフに伏線があるなど、脚本の巧妙さも観終わって実感するはず。そして何より心に残るのは、作品の“色合い”かもしれない。台北の夜市のシーンを中心に、ピンクやイエローなどポップな色彩のネオンが強調され、シビアな人間ドラマを軽やかな口当たりに変える。このあたりは、初監督を任されたシーチンの映像センスなので、ぜひ堪能してほしい!
『左利きの少女』8月14日公開
監督・脚本/ツォウ・シーチン 製作・編集・脚本/ショーン・ベイカー 出演/ニーナ・イエ、マー・シーユエン、ジャネル・ツァイ 配給/スターキャットアルバトロス・フィルム
2025 年/台・仏・米・英/上映時間108 分
©2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
































































