『オーシャンズ8』『追想』
犯罪ドリームチームが活躍するシリーズ最新作『オーシャンズ8』と、シアーシャ・ローナン主演の『追想』をピックアップ!
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物語で選ぶ編
ムネアツなポイントは?“ゴージャスなダマしが面白い!”
『オーシャンズ8』
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットら超豪華スター共演で3本が作られた『オーシャンズ』シリーズ。11年ぶりに復活をとげたこの新作は、キャストを一新。犯罪を仕掛けるスゴ腕チームが、なんと全員、女性キャラに! シリーズらしい計画で興奮させながら、新たにゴージャスな見どころも加わった。
今回、犯罪のターゲットとなるのは、NYのメトロポリタン美術館で行われる、ファッション界最大規模のイベント“メットガラ”。多数のセレブたちも集結するなか、ハリウッド女優ダフネ・クルーガーが身につける、なんと1億5000万ドル相当のダイヤモンド・ネックレスを狙う。万全なセキュリティを突破するため、集められた7人のプロたちの完璧な計画がスタート。『オーシャンズ8』なのに7人? その理由は観てのお楽しみだ。
チームの中心となる“2トップ”を演じるのは、ともにオスカー女優のサンドラ・ブロックとケイト・ブランシェット。貫禄十分の2人を眺めていると、難攻不落の計画が、成功への“確信”に変わる。サンドラが演じるのは、『オーシャンズ』前3作でジョージ・クルーニーが演じたダニーの妹。一応、兄のダニーはこの世にいないという設定だが、果たして……? 共演陣で注目なのは、やはりオスカー女優のアン・ハサウェイ。ターゲットとなるスター女優役で、傲慢&天然な言動で笑わせてくれる。
メットガラのシステムへのハッキングはもちろん、目にもとまらぬ速さの“スリ”、防犯カメラを使ったトリックに、ゴミ箱に付けた隠しマイク、目の前の物をスキャンするメガネなど、ありとあらゆるテクニック&グッズが登場し、それらがきっちり犯罪計画に組みこまれている。このあたりはシリーズらしいあざやかさ。女性たちが行うことで痛快さも増している一方で、“女性”を武器にした、ありがちな誘惑攻撃が少ない点はむしろ清々しい。
舞台となるメトロポリタン美術館で実際にロケが行われているので雰囲気もバッチリ。メットガラに列席する意外なセレブを発見する楽しみもある(誰が出ていたかは、エンドクレジットで確認を!)。犯罪ムービーながら、ファッションに注目するだけでも気分が上がるので、デートムービーとして最適なのは間違いない!
『オーシャンズ8』
製作/スティーブン・ソダーバーグ 監督・脚本/ゲイリー・ロス 出演/サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム=カーター 配給/ワーナー・ブラザース映画
2018年/アメリカ/上映時間110分
8月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
セレブで観る編
ムネアツなポイントは?“シアーシャ・ローナンの青い瞳にドキッ!”
『追想』
ハリウッドの若手女優の中で、演技を評価されている1人がシアーシャ・ローナンだ。13歳ではじめてノミネートされたアカデミー賞は、今年で3回めのノミニーと、もはや常連の域。『レディ・バード』では、ゴールデン・グローブ賞も獲得し、まさに大きな飛躍の真っ最中というわけだ。
そんな彼女の魅力は、内面にある苦悩や戸惑いといった感情を表現できる豊かな演技力。初主演の‘09年『ラブリーボーン』では殺害された少女役で、現世とあの世の狭間で家族を見守る難役を演じ、’16年『ブルックリン』では地方から大都会に旅立ち自立した人間に成長する女性を好演。ジャンルもSF、アクション、文芸と多岐にわたっており、すでにメリル・ストリープのような風格さえ漂わせている。
透き通るほどの白い肌に青い瞳。外見もまた彼女の魅力の1つだ。本作ではターコイズブルーのドレスを身に纏うシーンがあるのだが、瞳の青さと相まってハッとするほどの美しさなのだ。まだ、女性らしさにおいても爽やかさが目立つが、これから大人の色気を備えていくと思うと、彼女のこれからに期待せずにいられない。
さて本作はタイトルだけだと、お硬い映画のように思えるがそうではない。若い男女が新婚旅行先のチェジル・ビーチにあるホテルで初夜を迎えるのだが、上手くいかずに破局してしまう……という物語だ。多くの人が経験するエピソードだし、特に男子的には甘酸っぱい思い出とともに共感するところもあるはず。もちろん、出会いやお互いが抱える問題など、それまでに至るエピソードも見どころで、観る者の胸を締めつけるに違いないだろう。
『追想』
原作・脚本/イアン・マキューアン 監督/ドミニク・クック 出演/シアーシャ・ローナン、ビリー・ハウル、アンヌ=マリー・ダフ、エミリー・ワトソン 配給/東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
2017年/イギリス/上映時間110分
8月10日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
© British Broadcasting Corporation/ Number 9 Films (Chesil) Limited 2017