映画『サブスタンス』 デミ・ムーアの激演と驚愕の展開が観る者を圧倒する!
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味わったことのない強烈な体験。それを楽しみにする人に、おそらく最高の時間を届けてくれるのが、この映画かも。観始めたら次から次へと予想の斜め上を行く展開が待ち受け、まさに“映画の魔力”に囚われる!
年齢を重ねるにつれ、多くの人たちが気にするのが、肉体や外見の衰え。いろいろな機会で“もう少し若かったら”なんて考えることも増えてしまうのは仕方ないこと。しかも外見が重要視される仕事であればなおさら……というわけで、この『サブスタンス』は、50代になった元人気女優の主人公が、ある再生医療によって若さと美しさを取り戻すドラマを、目を疑うようなシーンの連続で展開。どのように若い自分が誕生するのか。若い姿で7日間、今の姿で7日間というルールを破ったら、どうなるのか。物語が進むにつれ、激烈なビジュアルが用意されるので、“閲覧注意”と予告してもいいほど! こうして書くと突飛で奇怪なストーリーのようだが、若さと美しさへの安易な欲求や、主人公エリザベスが直面するハリウッドでの年齢の壁、女性の立場といったテーマをきっちり踏まえているせいか、流れに乗っていきやすいのもポイント。今年のアカデミー賞で作品賞など5部門にノミネートされたように、単なるキワモノ作品ではないのだ。
惜しくもオスカーは逃したものの、エリザベス役、デミ・ムーアの熱演・激演・怪演が『サブスタンス』を成功に導いた最大要因。再生医療に手を出す切実さから、混乱していく精神状態、さらに終盤のまさかの状況までを、“もはや恐れる物ナシ!”の覚悟で表現していく。若返ったもう一人の自分、スーを演じるマーガレット・クアリー(母親は40年前の『セント・エルモス・ファイアー』でデミと共演したアンディ・マクダウェル)も、デミに負けていない。自分の美でTVプロデューサーらを虜にする挑発っぷりで、映画を観るわれわれの理性も失わせる。エリザベスの私生活からわかるハリウッドセレブの日常や、映画通も唸らせる過去の名作へのオマージュなど、とにかく見どころが紹介しきれないほどの“満腹感”を確約したい!
『サブスタンス』5月16日公開
製作・監督・脚本/コラリー・ファルジャ 出演/デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド
2024年/イギリス・フランス/上映時間142分
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