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CULTURE カルチャー

2018.06.07


『30年後の同窓会』『メイズ・ランナー 最期の迷宮』

 物語で選ぶ編
ムネアツなポイントは?“50代の男なら共感必至の感動作!”
『30年後の同窓会』

『6才のボクが、大人になるまで。』などのリチャード・リンクレイター監督が、この新作で描くのは、50代になった男たち3人の再会と、短い旅のストーリー。イラク戦争で戦死した息子の遺体と対面しに向かうラリー(通称“ドク”)に、かつてベトナム戦争に従軍した戦友2人が付き添うことに……。なにやら胸が締めつけられる予感が漂うが、リンクレイター監督らしく、さまざまな感情に引きずられる作品になっている。

 

実は息子を亡くす前に妻もガンで失い、孤独になっていたドク。言動は控えめだが、1度決めたことは曲げない意思の強さの持ち主だ。一方、バーを経営するサルは、相手に遠慮なくなんでも口に出すキャラだが、正義感が強く嘘が大嫌い。そしてベトナム時代は暴れん坊だったミューラーは、名前まで変えて、まさかの神父になっていた。文字どおり三者三様。その性格の違いが、30年ぶりの再会劇でのセリフをどんどん面白くしていく。まさに脚本の妙で、3人がただ会話するシーンは、まるで観ているこちらも仲間に加わった気分にさせられるのだ。



3人を演じるキャストが、これまた完璧。特に注目してほしいのが、ミューラー役のローレンス・フィッシュバーンで、過去の自分を封印しており、旧友の突然の来訪に困惑。しぶしぶ旅に同行するのだが、突如として本来の“野獣”な性格がめざめ、神父としてはありえない言葉遣いになる瞬間のおかしさ! かつての3人の関係に戻るきっかけを、笑わせながら作ってしまう名シーンだ。メイン3人以外でも、息子の遺体をドクに“見ないほうがいい”と説得する軍の指揮官や、レンタカーの受付係など脇キャストに至るまで、そのハマり具合に感心するばかり。

この映画、1973年公開のアメリカン・ニューシネマの傑作『さらば冬のかもめ』の原作にインスピレーションを得て作られた。原作者も脚本に加わり、サル役のブライアン・クランストンが『さらば〜』に出たジャック・ニコルソンを少しだけ演技で意識しているなど、物語は違えど、男たちのロードムービーとしての精神は受け継いでいる。



50代のおっさんたちの軽妙で、心地よい会話劇が魅力の作品だが、“人生には真実ではなく嘘も必要”、“意思を曲げることは恥ずかしくない”など、人生経験を積んだからこその、感動エピソードも挿入。そしてなにより、映画を観る誰もが、懐かしい友人たちの顔を思い浮かべることだろう。

『30年後の同窓会』
製作・監督/リチャード・リンクレーター 出演/スティーブ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン 配給/ショウゲート
2017年/アメリカ/上映時間125分

6月8日から、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
 


セレブで選ぶ編
ムネアツなポイントは?“S級の匂いがするディラン・オブライエン!”
『メイズ・ランナー 最期の迷宮』



巨大な迷路を命がけで攻略するという設定の妙がウケて、大ヒットとなった『メイズ・ランナー』シリーズ。当時、若手俳優が数多く出演したこともあり、本シリーズをきっかけに飛躍をした者もいる。ヒロイン役のカヤ・スコデラリオは、メガヒットシリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』に大抜擢され、世界的な地名度を得るようになった。しかし、将来性となると主役を演じたディラン・オブライエンのほうに分があるように思えてならない!

現在26歳のディラン・オブライエンは、テレビシリーズ『ティーン・ウルフ』で俳優デビュー。グルーグルの舞台裏を描いたコメディ『インターンシップ』の出演などを経て、第1弾となる『メイズ・ランナー』の主役に選ばれた。しかし、当時はあまりパッとせず、話題といえばゲーム性のある巨大迷路や、子役から活躍し、すでに知名度のあった共演者トーマス・ブロディ=サングスターに集まっていた。

しかし、完結編となる本作では、ディランの存在感が他を圧倒するほど増しているのだ。顔立ちは精悍になり、その立ち姿からもS級スターとなる匂いがプンプンと漂っている。特にアクションシーンではその印象が際立っていて、銃を構える、走る、ジャンプするといった動作や仕草はホレボレとするほど。『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズ、はたまた『スピード』のキアヌ・リーヴスに重ね合わせてしまうほど魅力的なのだ。これなら刑事モノや戦争モノといった本格アクション作品でも魅せられるに違いない、と期待せずにはいられない!



完結編となる今回は、仲間の救出と謎の解明のため、迷路を仕掛けた組織の本拠地へと乗りこみ直接対決をする物語。冒頭の『ワイルド・スピード』を彷彿とさせる強奪劇に、『バイオハザード』のような感染者との死闘と、アクション映画のよいところをふんだんに詰めこんでいる。序盤は、ややもたつく流れなのだが、終盤で繰り広げられる高層ビル内でのアクションはド迫力で手に汗握る展開に! 主要キャラとの別れもあり、完結編らしいクライマックスが用意されている。ちなみにディランは、この撮影中バイクアクションの事故で、顔の半分の骨を折ってしまうほどの大怪我を負ったそう。しかし臆することなく、次回作のアクション作『アメリカン・アサシン』にも出演を果たした。根性もS級ってわけか!

『メイズ・ランナー 最期の迷宮』
原作/ジェームズ・ダシュナー 監督/ウェス・ボール 出演/ディラン・オブライエン、カヤ・スコデラリオ、トーマス・ブロディ=サングスター、バリー・ペッパー 配給/20世紀フォックス映画
2018年/アメリカ/上映時間142分

6月15日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

©2018 Twentieth Century Fox Film

 
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