例年以上に酷暑モードの2024年の夏。気温が上がれば上がるほど、映画館が恋しくなる人も多いはず。そんな夏にぴったりなド派手アクション映画で、今年の本命がコレ。あまりの衝撃に体温が下がるという意味で、夏を乗り切るうえためのマスト体験かも!
タイトルからわかるとおり、竜巻=ツイスターの脅威を描く本作。1996年に公開され、大きな話題となったパニック映画『ツイスター』を思い出させるが、直接のつながりはなく、アップデートさせた新作と言っていい。気象学を極め、災害を予測する仕事に就いたケイトと、“竜巻カウボーイ”の異名を持つタイラー。その2人を中心に、オクラホマ州で多発する竜巻を食い止める計画が展開していく。人間の知恵と力で、気象を変えられるのか? 巨大な竜巻にどんな策を講じるのか? そこは観てのお楽しみだが、28年前の作品に比べて実効力があり、人間vs.竜巻という対決構図がエキサイティングになった。竜巻の発生サイクル、および大きさと威力も異常レベルを記録。次から次へと息もつかせぬパニック感は、この手のディザスター映画のお手本だろう。
学生時代に竜巻で友人を亡くし、トラウマを抱えるケイトに対し、タイラーは豪放で目立ちたがりなタイプ。そのコントラストを体現するキャストも注目で、ケイト役のデイジー・エドガー=ジョーンズは次世代スターの真っ直ぐな輝きをふりまいて熱演。そしてタイラー役のグレン・パウエルは今年に入ってから『恋するプリテンダー』『ヒットマン』と主演作が相次ぎ、その絶好調ぶりが本作のキャラクターに乗り移ったかのよう。竜巻を阻止するうえでライバル関係となる彼らのドラマが、余計な方向に進んでいかないのも好印象だ。竜巻とのカーチェイスや、“そこにいたらダメ!”というツッコミどころなど、いろんなパターンで肉体が反応してしまう一作。最後の力を振り絞って強風から身を守る登場人物たちの気分で、スクリーンを見つめているうちに思わず座席の肘掛けを握りしめたくなる!?
『ツイスターズ』8月1日公開
製作総指揮/スティーヴン・スピルバーグ 原案/ジョセフ・コジンスキー 監督/リー・アイザック・チョン 脚本/マーク・L・スミス 出演/デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル、アンソニー・ラモス、キーナン・シプカ 配給/ワーナー・ブラザース映画
2024年/アメリカ/上映時間122分
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