映画『隣人たち』 見応えのあるドロ沼の人間ドラマと緊迫のサスペンス!
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時として人気俳優には“出演作ラッシュ”の絶好調期がやって来る。撮影自体はかなり前でも、たまたま公開が重なって、次々と注目作で目にするパターンだ。2026年は、アン・ハサウェイ。もともとの知名度に加え、私生活で出産のニュースもあり、話題が途切れない状態!
当たり役での20年ぶりの続編『プラダを着た悪魔2』が日本でも大ヒットし、この夏はパニック超大作の『オークストリートの異変』で主演を務め、さらに今年を代表する一本になりそうな、クリストファー・ノーラン監督の新作『オデュッセイア』と、出演作を並べただけでアン・ハサウェイの勢いは最高潮。この『隣人たち』は、アメリカなどではちょっと前の公開作だが、日本では“勢い”の中でお披露目。そしてこれまでとまったく違う彼女の演技に驚く作品になっている。
アン・ハサウェイが演じるのは、1960年代、アメリカの郊外に暮らすセリーヌ。隣の家に住むアリスとは、息子が同い年ということもあって、親友のような関係を育んでいる。一見、幸せを絵に描いたような生活を送っていた彼女たちだが、ある悲劇が起こったことで事態は急転直下。ドロ沼の人間ドラマと緊迫のサスペンスを呈していく。きっかけとなる悲劇が何なのか。もし前もって知らなければ、そのままで本作を観ることを強くお勧めしたい。冒頭の甘いムードが一変し、中盤からの展開のあまりの激しさに目が離せなくなるだろう。ドラマのメインとなるのは、セリーヌとアリスがたがいへの疑念と妄想をふくらませる真意の探り合いなのだが、その描き方が映画的にセンセーショナルだ。
途中から精神的バランスを完全に崩壊させるセリーヌ役で、アン・ハサウェイの凄みは、オスカーを獲得した『レ・ミゼラブル』を凌ぐレベル。対するジェシカ・チャステイン(こちらもオスカー俳優!)も、悲劇の連鎖によって、アリスの過去の“闇”があらわになるプロセスを熱演する。2大スターの演技対決だけで“お腹いっぱい”の例えがぴったりかも!? 一方でセリーヌとアリスの専業主婦としての閉塞感、夫や子供との関係など、観る人によって切実な感情が湧き上がる作品でもある。そしてクルマやファッション、インテリアなど、1960年代アメリカの完璧な再現度に気分が上がる人もいるのでは?
『隣人たち』7月24日公開
原作/バーバラ・アベル 監督/ブノワ・ドゥローム 脚本/サラ・コンラット 出演/ジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ジョシュ・チャールズ 配給/ギャガ
2024年/アメリカ、ベルギー、フランス、イギリス/上映時間94分
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