『ヒンド・ラジャブの声』混乱のガザ地区で6歳の少女から助けを求める連絡が! 実際の通話記録で構成した衝撃作!
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年に何本か、あまりの衝撃で、理性すら失うような体験を導く映画が現れる。本作は、まさにそんな作品。今も世界のあちこちで続く戦争。そうしたニュースが日常の中、映画館に行ってまで戦争を扱った作品を観るのも……と躊躇する人もいるかもしれない。しかし本作は、ちょっと別格のレベルに圧倒される。
2024年1月、イスラエルの侵攻が続くガザ地区で、パレスチナ人家族の車が、イスラエル軍に銃撃を受けたとの通報が入る。パレスチナ赤新月社のボランティアチームが車内の携帯電話に連絡を入れると、6歳の少女、ヒンド・ラジャブの助けを求める声が響いた。ヒンド以外の家族は、どうやら攻撃で命を失っているらしい。チームは必死にヒンドを励ましながら、急ぎ救援隊を手配しようとするのだが……。この事件を再現した本作は、ドキュメンタリーではなく劇映画。赤新月社のスタッフを俳優が演じている。しかし、ある部分だけが“真実”そのもの。それは少女の声。当時の通話記録をそのまま使い、その声に俳優たちが反応するという演出スタイルなのだ。これが有無を言わさぬリアリティを創出していく。
当然のごとくヒンドはパニック状態。何度も同じことを繰り返したりする。その声を聴く俳優たちは、当時のスタッフとまったく同じ気持ちになり、鬼気迫った表情と化す。本作は、ほぼボランティアのオフィス内で展開するのだが、空間が限定されたことで、われわれ観客もヒンドの状況を“想像”するしかない。つまりスタッフと同じ気持ちになって、彼女を一刻も早く救ってほしいと願うことになるのだ。ヒンドの居場所がわかっているのに、簡単に救援を送れないガザの状況によって、後半はさらに信じがたい窮地も生じ、呆然となるしかない。ありきたりな表現だが、ここまで戦争が愚かしいと感じさせる映画も珍しく、本作のメッセージに同調したブラッド・ピット、ホアキン・フェニックスらハリウッドの著名人たちもプロデューサーとして参加。ヴェネチア国際映画祭グランプリ、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートへとつながった。観終わった後の感覚を、必ず誰かと分かち合いたくなるという意味でも、超必見の一本だ。
『ヒンド・ラジャブの声』9月4日公開
製作総指揮/ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、マイケル・ムーア、スパイク・リー 監督・脚本/カウテール・ベン・ハニア 出演/サジャ・キラニ、モタズ・マルヒース、アメル・レヘル 配給/スターキャットアルバトロス・フィルム
2025 年/チュニジア、フランス/上映時間89 分
©MIME FILMS — TANIT FILMS

































































