
歴史ある町並みや豊かな自然が残る飛騨高山。その街に佇む『飛驒高山美術館』では、企画展『ジャポニスムとアール・ヌーヴォーの巨匠たち ~東洋と西洋の自然への想い~』を2027年2月15日まで開催中だ。エミール・ガレをはじめとするアール・ヌーヴォーの巨匠たちが、日本美術から受けた影響をひも解きながら、時代や国境を越えて響き合う美意識を紹介する内容となっている。
19世紀後半、日本から海を渡った浮世絵や工芸品は、ヨーロッパの芸術家たちに大きな衝撃を与えた。大胆な構図や余白の美、草花や鳥など自然を繊細に見つめる感性は、新たな表現を模索していた芸術家たちの創作意欲を刺激し、『ジャポニスム』と呼ばれる文化現象へと発展していく。
本展では、その影響を色濃く受けたエミール・ガレやドーム兄弟らの作品を通して、日本文化が西洋美術へ与えた影響を紹介。装飾やモチーフだけでなく、日本の自然観や精神性がどのように作品へ取り入れられたのかを知ることができる。
展示作品の見どころは、自然の生命力を映し出した繊細な表現。

エミール・ガレ《菊花紋鶴首花瓶》
会場の冒頭を飾るガレの《菊花紋鶴首花瓶》は、菊が咲き広がるような優雅な装飾と、美しく伸びるフォルムが印象的な作品。日本を象徴する花をモチーフにしたデザインからは、ガレが抱いていた日本への憧れが感じられる。

エミール・ガレ《装飾扇「闘鶏」》
また、《装飾扇「闘鶏」》では、古伊万里を思わせる意匠と、今にも動き出しそうな鶏の姿を緻密に描写。日本美術との出会いが、独自の表現へと昇華されていく過程を垣間見ることができる。

エミール・ガレ《ネストテーブル》
さらに、《ネストテーブル》では植物文様の象嵌やダリアの彫刻を随所に施し、家具そのものを芸術作品へと昇華。ガラス工芸だけにとどまらない、ガレの豊かな創造性にも触れられる。

この展覧会の魅力は、作品だけではない。『飛驒高山美術館』では、光・音・香りを取り入れた演出によって、作品を空間全体で楽しめる没入型の鑑賞体験を提供。飛騨高山の自然をイメージした音やアロマが、作品の世界観をより印象深く演出してくれる。
古い町並みや伝統文化が色濃く残る飛騨高山という土地で作品に向き合うことで、西洋の芸術家たちが憧れた"日本の美"を、よりリアルに感じられるのもこの展覧会ならではだ。
9月30日までは、展示作品に描かれた動植物を探しながら鑑賞する体験型イベント「いきものを探せ!」も開催中。作品に隠れた生きものを探しながら、アール・ヌーヴォーやアール・デコの世界を楽しく学べる内容となっており、夏休みのお出かけにもぴったり。
飛騨高山を訪れるなら、自然や街並みだけでなく、日本と西洋の美意識が出会って生まれた芸術にも触れてみたい。旅の記憶をより豊かにしてくれる、そんな機会になるはずだ。
Information
⚫︎ジャポニスムとアール・ヌーヴォーの巨匠たち ~東洋と西洋の自然への想い~
期間:開催中〜2027年2月15日(月)
場所:飛驒高山美術館(岐阜県高山市)
開館時間:10:00〜18:00(最終入館17:00)※最終日は12:00閉館(最終入館11:00)































































