古典的なスケルトンがより静謐な顔に。
〈エルメス〉ウォッチメイキングの美学【Vol.4】
時間という概念を人間に与えた天空の動きに誘われ、刻む時はより軽やかに。星に代わり、幾多の歯車が織りなす宇宙を思わせる構造美が指し示すのはまさに未来である。
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HERMÈS
[スリム ドゥ エルメス スケレット リュンヌ]
SLIM D’HERMÈS SQUELETTE LUNE
©Joël Von Allmen
オープンワークされた地板や外周のセコンドトラックはブルーで統一し、シルバーのムーブメントとの美しいコントラストを演出する。エルメス・マニュファクチュールのムーブメントH1953は、厚さ3.57㎜の超薄型を誇る。マイクロローターを採用し、スケルトンの透過性を妨げない。パワーリザーブは約48時間を装備。ケース径39.5㎜、自動巻き、プラチナケース、アリゲーターストラップ、30m防水。585万2000円(エルメス/エルメスジャポン)
©Joël Von Allmen
新たな時の窓を開く
〈エルメス〉の時計を手にすると、それぞれの個性もさることながら、数字インデックスのタイポグラフィに目を奪われる。メゾンにとってそれがコレクションのテーマや世界観を表現する重要な要素であることは“アルソー”や“エルメスH08”を見ても明らかだろう。
2015年に登場した“スリム ドゥエルメス”では、細いラインの数字は変哲がないようでいて、まるでステンシルで記されたように途切れる。手掛けたクリエイティブ・ディレクター、フィリップ・デロタルはこう語った。
「ミニマリスト的な数字といえます。音楽でたとえると、楽譜では休符によって音が止まる瞬間があります。音は止まりますが、そこから生き生きとしたリズムが生まれます。この文字も線が途切れることで、時間が一休みするのです」
スリムという名には、シンプルネスや薄さだけでなく、“軽やかさ”が込められ、そこに時の調べを紡ぎ出すようだ。まさに神は細部に宿る。
新作として、2021年に登場した“スリム ドゥ エルメス スケレット リュンヌ”に、2種類のカラーバリエーションが加わった。夜空を思わせるブルーと凛とした月光のようなアントラシット。いずれも6時位置に設けたダブルムーンフェイズと調和し、風が吹き抜けるようなスケルトンの軽快感は宇宙の無重力さえも感じさせる。ミニッツトラックに控えめに記された数字もまるでスペースシップのようだ。スケルトンは未来という時への新たな窓を開くのである。
SLIM D’HERMÈS SQUELETTE LUNE
©Joël Von Allmen
6時位置には透かし彫りしたダブルムーンフェイズを備える。文字盤のフランジから伸びたマスクの下層で、クレーターを再現した月のディスクが回転し、月相を表示する。天体の動きと精緻な歯車が呼応し、宇宙のロマンティシズムを表現。細くシンプルを極めた時分針や独自の数字タイポグラフィも美しく調和する。ケース径39.5㎜、自動巻き、チタンケース、アリゲーターストラップ、30m防水。345万4000円(エルメス/エルメスジャポン)
©Joël Von Allmen
チタンケースには、プラチナベゼルとWGのリュウズを組み合わせ、ブラックのフェイスにゴージャスな輝きを添える。ケース径39.5㎜、自動巻き、チタンケース、アリゲーターストラップ、30m防水。413万6000円(エルメス/エルメスジャポン)
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●エルメスジャポン
TEL:03-3569-3300
※『Urban Safari Prestige Watch vol.4』42〜43ページ掲載
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