いまハリウッドで最も勢いのある若手スター。その魅力が最大限に生かされたとあれば、当然、作品自体も圧倒的なエネルギーを帯びているはず。そんな法則を証明してくれたのが『チャレンジャーズ』だ。プロテニスの世界を背景に、鮮烈すぎる愛の関係を描いたこの映画は、すでに公開されたアメリカでも絶賛を集めている。
主演を務めたのは、ゼンデイヤ。『スパイダーマン』シリーズ3作でヒロインのMJを演じ、『デューン 砂の惑星 PART2』など話題作への出演が相次ぐ27歳。歌手としても活躍し、そのスラリとした肉体でファッションアイコンでもある彼女が、この『チャレンジャーズ』ではテニス選手のタシ役を鮮やかに体現した。ラケットを持ってコートに立ち、鋭いサーブを繰り出す。スマッシュも華麗に決める。ジュニアの有望選手で将来の大器と期待されたテニスプレーヤーを、ゼンデイヤが完璧にこなして驚くばかり! そのタシと、同世代のプレーヤーである2人の男性、アートとパトリックの“三角関係”が複雑に、そして濃密に展開していく。監督は『君の名前で僕を呼んで』などで世界的名匠となったルカ・グァダニーノで、全編に心ざわめく演出が仕掛けられているのもポイントだ。
メインで進行するのは、アートとパトリックの因縁の試合。テニス界のトップに立つアートが、ランキング下位の選手が出場する小さな大会に参加。かつてダブルスも組み、ともに成長するも、現在は下位に甘んじるパトリックと激戦になだれこむ。観客席にはタシの姿があった。その試合に3人の過去のエピソードが挿入され、ドラマチックな関係が浮かび上がってくる。試合の流れと、3人の感情がリンクする見事な構成に唸り、13年にもおよぶ彼らの関係に絡むテニス界の舞台裏もセンセーショナル。スピーディなカメラワークや、打たれたボールの視点に切り替わるシーン、スローで落ちる汗……。スポーツものとしての斬新な映像にも何度か心が震えることだろう。そして『ソーシャル・ネットワーク』や『ドラゴン・タトゥーの女』などの映画で超絶クールな音楽を作ってきたトレント・レズナーとアッティカス・ロスが、今回はさらに大胆なサウンドを提供。映像と音楽の究極のケミストリーで、未体験の扉が開く!
『チャレンジャーズ』6月7日公開
監督/ルカ・グァダニーノ 出演/ゼンデイヤ、ジョシュ・オコナー、マイク・フェイスト 配給/ワーナー・ブラザース映画
2024年/アメリカ/上映時間131分
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