直感で伝わる描写と絡み合う世界に魅了される『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は映画史に残る傑作!
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次々と新作が登場するスーパーヒーロー映画の中で、日本でもつねに高い人気をキープしているもの。それは、スパイダーマンだと言っていい。スパイダーマンの世界はどこまで進化し、われわれを興奮&感動させるのか。この最新作で確かめてほしい。
トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドとピーター・パーカー役の俳優を変えて新作が作られてきたスパイダーマンだが、2018年の『スパイダーマン:スパイダーバース』でアニメ版にアップデート。しかも大絶賛されたことで、その主人公、高校生マイケル・モラレスの物語が続くことになった。しかも同作にはピーター・パーカーのほか、スパイダーマンに変身するキャラが複数登場。マルチバースならではの仕掛けで楽しませた。
今回は多くのユニバースから選び抜かれたスパイダーマンたちが最強チームを結成。そこにマイルスも加入し、彼が世界全体か、あるいは愛する人のどちらかを救うという究極の選択が試される。彼の敵となるのもスパイダーマンの一人であり、とにかく全編、ドラマチックこの上ない展開が続くのだ。
前作でもスパイダーマンのユニバースごとにアニメのタッチが変わり、目を奪われたが、今回は各スパイダーマンの世界がさらに深化。しかもどのユニバースも究極のアニメアートと呼んでいいほど、信じがたい完成度の映像になっている。
とくに冒頭の、マイルスが想いを寄せる相手、グウェン・ステイシーの世界。その水彩画のような温かい色づかいに、一気に引き込まれるはず(その後、どんなユニバースが登場するか、できるだけ予備知識ナシでどうぞ!)。最強チームの面々に比べ、別バースへの移動など不慣れも多いマイルスの成長には、このヒーローの最大のテーマ“大いなる力には、大いなる責任が伴う”が切実にシンクロ。改めてスパイダーマンの魅力を実感できる。
細部までネタがぎっしりなうえに、猛スピードで繰り出される一瞬のカットにも酔いしれるので、何度か観直したくなる人も続出するのでは? 壮大な2部作の前半なので、とりあえず必見!
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』6月16日公開
監督/ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン 脚本/フィル・ロード、クリストファー・ミラー、デビッド・キャラハム 声の出演/シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ブライアン・タイリー・ヘンリー 配給/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2023年/アメリカ/上映時間140分
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