ネットフリックス『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』は謎解きの醍醐味がとことん味わえる!
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人生の当たり役に出会った俳優は幸せだ。しかし、あまりに当たり役のイメージが強すぎると、キャリアがワンパターンになるリスクも背負うことにもなる。多くの人が、ダニエル・クレイグといえば、ジェームズ・ボンド役を重ねるのが必然。しかしボンドを卒業したダニエルの、その後の俳優人生は心配無用だと、この“第2の当たり役”が証明してくれる。
2019年の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』では、探偵ブノワ・ブランがイギリス郊外の豪邸で起こった作家の不審死事件を解決した。どんよりとした曇り空をバックにした前作から一転、この続編では舞台がギリシャのリゾートへ移動。
豪邸だけが建つ孤島に、億万長者のマイルズが友人たちを招待し、そこで彼がゲームを仕掛けたことから、衝撃の殺人事件へと発展していく。集められた友人たちは、誰もがマイルズと深く複雑な関係があり、容疑者となる動機も十分。さらに現場の島は、外部から隔絶された空間……と、ミステリーとしては最高のシチュエーション。
誰がどんな状況で殺人の犠牲者になるのか、それ自体も観てのお楽しみだ。マイルズの友人でもない探偵のブノワに招待状が届いた理由も、物語の大きなポイント。さまざまな事実がつながる謎解きのシーンは、この種のミステリー映画の中でも最高に鮮やかだと感じられるはず!
真っ青な空と海。キラキラの太陽。タイトルの“グラス・オニオン(ガラスの玉ねぎ)”を模した豪邸のゴージャス極まりないインテリアなどで、心からリゾート気分を味わえるのも本作の魅力。まさかの有名美術品まで登場し、驚かせてくれる。
ストーリー自体はシビアなのだが、コミカルなネタや会話が大量に投下され、痛快さもハイテンション。笑える要素も邪魔にならず、そのバランスが絶妙だ。ややとぼけた味わいながら、推理力はキレキレなブノワを、いかにも楽しそうに演じるダニエルを中心に、キャストたちの熱演・怪演・妙演も見もの。
超有名人が一瞬だけ登場したり、前作にはなかったブノワの私生活が描かれたりと、細部まで観逃せないうえに、ド派手アクションでも魅せるエンタメの見本のような一作だ。
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』12月23日配信
監督・脚本/ライアン・ジョンソン 出演/ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、ジャネール・モネイ、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr、ジェシカ・ヘンウィック、マデリン・クライン、ケイト・ハドソン、デイヴ・バウティスタ 配信/ネットフリックス
2022年/アメリカ/視聴時間139分
(c)Netflix映画『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』12月23日(金)より独占配信