景色は同じでも、まわりの建物やクルマに時代を感じる! 西海岸といえばの有名エリアの今と昔!
もはや観光スポットとして、日本人にもよく知られている風景がカリフォルニアにはいくつかある。映画の都、ハリウッドの街だったり、サンフランシスコでケーブルカーが坂道を下っていく場所だったり。そんな名所の昔と今を比べてみると、見た目はそれほど変わらずとも、まわりの空き地やクルマ、建物などの様子が大違いなのがわかる。
SANTA MONICA
1900年代初頭から変わらない!?
カリフォルニアと聞いて思い出す風景といって過言ではないのが、100年以上前に造られた桟橋のあるここ、サンタモニカピア。周辺には高級レストランやブティックも増えたが、桟橋から多くの人が夕陽を眺める景色は昔から変わっていない。ちなみにランドマークの観覧車は現在、世界唯一の太陽光発電なのだとか。
現在、観覧車のある場所には、かつてパシフィックオーシャンパークという遊園地があった。1967年に閉園したが、桟橋の再開発に伴い、1920年代を彷彿とさせる昔懐かしの遊園地を1996年に再現。風船割りゲームなど、ノスタルジックな遊びを今でも楽しめる
元大統領がランしていたことも!
ビル・クリントンが大統領候補だった頃、桟橋周辺をラン。足元は、ニューバランスを愛用
SAN FRANCISCO
ヨットハーバーがジョイン!
サンフランシスコが坂の街になった理由は諸説あるが、ゴールドラッシュで急いで街を整備する必要に迫られてという説が有力。写真奥に見えるアルカトラズ島(1963年まで“ザ・ロック”と呼ばれた刑務所があった)が見える絶景は、今も昔も変わらないが、2019年の写真には2001年にオープンした“ハイドストリートハーバー”に停泊する船の優雅さが加わる。
ケーブルカーには3つの路線があり、観光客に一番人気なのが、この写真にも写る“パウエル‒ハイド線”(市内の中心地“マーケット・ストリート”と“フィッシャーマンズ・ワーフ”を結ぶ)。途中には、世界一有名なグネグネ道“ロンバード・ストリート”もある
HOLLYWOOD
渋滞もず〜っと変わらない!?
ハリウッドとビバリーヒルズを結ぶ“サンセット大通り”。ここは昔も今も時間帯によっては渋滞のメッカ。まだ、ほのぼのとした雰囲気の残る街並みの1965年の写真にも、すでにその渋滞の様子が。しかしながら、そこに写るクルマは、今となってはヴィンテージカーと呼べるものばかり。時代の差を感じる。
巨匠ビリー・ワイルダーの映画『サンセット大通り』(1950年)で過去の栄光にすがって生きる大女優が住む大豪邸があるのが“サンセット大通り”。“サンセットストリップ”と呼ばれるエリアもあり、ウイスキー・ア・ゴーゴーやヴァイパー・ルームなどの有名ナイトクラブが軒を連ね、LAらしいカルチャー発信地であり続けている
DODGER STADIUM
実はハイテク化されている!
NYのブルックリンで1800年代に設立されたドジャースが1958年に拠点をLAに移し、1962年に完成したのがドジャースタジアム。51歳を超えた2013年。100億円をかけた改装で、新しい座席に入れ替えたり、音響システムが更新され、完成当時の写真でも写っている2つの六角形型のスコアボードもLEDになり大きくなった。
こうして比べてみると、昔は球場のまわりは駐車スペースだらけだったのに、今ではそこに建物が立っていることがよくわかる。また、2019年シーズン終了時から2020年オールスター(残念ながら中止)に合わせて外野スタンドとセンターフィールドの敷地内が大改装され、センターフィールドゲートが新設。これにより外野の入口がライトとレフトを合わせて3つに
ROSE BOWL
リノベーションする夢舞台!
1922年の完成以来、カレッジフットボール全米王者決定戦や、NFL王者を決定するスーパーボウルなど数々の名勝負の舞台となってきたローズボウル。1931年の写真にはなく、2021年のスタジアム左側にある建物はプレスボックス“テリー・ドナヒュー・パビリオン”。2013年に元UCLA名ヘッドコーチの名を冠した7階建ての建物で、プレミアムシートや放送ブースなどが入る。
1994年のサッカーW杯や1999年の女子W杯の決勝の舞台にもなってきた由緒あるスタジアム。約9万人収容のコンサート会場としても有名で、ステージに立ってきたアーティストは、ワン・ダイレクションやコールドプレイ、ビヨンセといったスーパースターばかり。スタジアムにはローズボウルMVP選手などの偉業を讃えるチャンピオンズコートがあり、2019年には女子W杯決勝で決勝点を決めたブランディ・チャスティンの銅像も追加された
’94W杯決勝となったブラジルVSイタリア戦のPKでロベルト・バッジョが外し、優勝を逃した場面は、大会史上初のPK決勝という意味でも記憶に残った
スーパーボウルでのマイケル・ジャクソンは、圧巻のパフォーマンスで試合以上の視聴率を叩き出したのだとか
雑誌『Safari』3月号 P153~155掲載
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text : Takumi Endo photo by AFLO