血沸き肉躍る! 〈アウディ〉RS6 AVANT
脱プラ、CO2削減にSDGs。昨今話題の環境負荷低減のためには、きっと感度の高い『Safari Online』読者諸兄も、なにかしらの努力をされていることだと思う。そう、海を愛するみなさんなら、ビーチクリーン活動なんてのもそのひとつ。しかし、男たるもの、やっぱり血沸き肉躍るスポーツモデルには、いつだってココロときめかせていたいモノ。「だけど今は地球に優しくしたいし……」な〜んて思って、スポーツカーを自制していませんか? いやいや、今はハイパワーでハイスペックなコレだって、マイルドハイブリッドシステム搭載。ちゃ〜んとCO2削減を見越して、ラインナップされているのだ。〈アウディ〉の誇るハイスペックモデル、RSシリーズの売れっ子モデル、RS6 アバントだ。
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“赤バッヂ”と呼ばれるRSマークを有するモデルの中でも、ステーションワゴンタイプのコチラは、ただ速さを求めるだけでなく、ファミリーユースまでも見越しているのがポイントで、最大のセールスポイント。
パワートレーンの諸元は4.0ℓV8のガソリンツインターボエンジンで、最大出力600ps、最大トルク800Nm(!)という、泣く子も黙る数字が並ぶ。これは兄弟車であるRS7 スポーツバックと同じモノだけど、日本導入モデルはサスペンションでそれぞれの性格をしっかりと分けている。
RS6 アバントは、ステーションワゴン不遇といわれている日本市場でも人気のモデルだ。
セダンやクーペ、スポーツバックよりも荷室が広くてユーティリティに優れているのに、SUVやミニバンほど走りをスポイルされていない。というのが人気の理由だと考えられるのだけれど、そのステーションワゴンならではの性格を壊さないように、電子サスペンションが採用されている。
これにより、800Nmという怒涛のトルクをも滑らかに路面に伝え、ただガッチガチではない滑らかなアタリを実現している。対してRS7 スポーツバックは、よりソリッドなコンベンショナルのメカサスを採用。より路面に追従する、玄人好みの走りを楽しめる。
そのサスの恩恵も手伝ってか、ノーマルモードでの乗り出しの印象はあくまでも“リッチ”。ツインターボの味付けの妙もあり、ドカンと飛び出すようなピーキーさは微塵もなくて、どこか余裕すら感じさせる、まったりとした滑り出しを見せる。
むろん、再加速などの際に踏みこめば、わずか数ミリの踏み足しであってもガツン!とトルクが発揮されるのは言うまでもない。だけれど、あくまでも基本性格は淑女の様相で、なかなかその仮面を取ってくれずに焦らされてしまう。さらにクルーズに入ればその優等生な性格が増長されてしまう。なんとV8の片バンクを気筒休止する、シリンダーオンデマンドも採用されているのだ。
その本性の片鱗を一般道で知ろうと思えば、スポーツモードに変更するしかない。エギゾーストのフラップが開き、いきなりサウンドまで勇ましくなるさまは、やはりクルマ好きを一気に笑顔に変えてくれる演出だと唸らされるのだ。
こんなナリして「ちゃんと考えてます」、な〜んてメッチャいいと思いません? 環境感度の高いドイツで受け入れられ続けている理由は、ソコにもあるのかもしれない。
★DATA
●全長×全幅×全高:4995×1960×1485mm
●車両重量:2200kg
●ホイールベース:2925mm
●エンジン:4.0ℓV型8気筒DOHCインタークーラー付きターボ
●最高出力:441kW(600PS)/6000~6250rpm
●最大トルク:800Nm(81.6kgm)/2050~4500rpm
●トランスミッション:8速ティプトロニック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1764万円