ド級のスペックの陰に乗り心地の進化あり⁉ 〈テスラ〉モデルS
皮肉なことに、この新型コロナ禍で世界中の自然環境が改善されているんだそうな。たとえば、ヴェネツィアでは運河に透明度と小魚が戻ってきたり、京都に静けさが戻ってきたり、工場などの停止で中国上空の大気汚染が改善されたり、などなど。そ〜んなことを聞けば、もとよりナチュラルでサスティナブルなライフスタイルを愛する『Safari Online』読者なら、「じゃあ、コレを機にもっと環境改善に貢献したい!」な〜んてさらなる使命感に燃えちゃったりしてるんじゃない?
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だったらまずはクルマから、というのは基本のき。とりわけクリーンなイメージの高い電気自動車が選択肢のひとつになるだろう。となると、すでにパイオニア的立ち位置を確保した〈テスラ〉、なかでも西海岸らしいたっぷりしたサイズのセダンである“タイプS”なんて、いかが?
初代の登場はなんと2012年。導入のスピード感には改めて驚いてしまうけれど、やっぱり時期尚早だったのか、初代はお世辞にも“いいクルマ”とは言えなかった。
EVとしての性能や先進性・デザインはかなりの完成度を誇っていたのだけれど、当時は革新的であった長い航続距離を叶えるために、超重量級のバッテリーセルを床下に敷き詰めたことによる弊害は甚大。ちょっとした路面の荒れや継ぎ目を越えただけでもドスドス・ガツガツしてしまっていたのだ。
とはいえ、あっちを立てれば……じゃないけれど、車内はモーター駆動のためエンジンルームからの燃焼サウンドなど皆無で、とかく静粛性が高い。これは美点のひとつ。だからこそ、この足まわり問題は余計に気になってしまうアキレスの踵、でもあったわけだ。
しかし、年次ごとにこのあたりは劇的に改善されたことは、意外にニュースになっていない。〈テスラ〉といえば、自動運転の実現や航続距離の延長といったスペックにばかり注目が集まるけれど、実は地味〜に、乗り味のメカ的な改善が続けられているのだ。
取材によると、IT部門の頭脳だけでなく、動的質感部門のエンジニアも、世界中からヘッドハンティングを重ねて改善を続けてきていたのだとか。その結果、現行のモデルSは、その威風堂々たる外観を裏切らない、きっちりと大人でリッチなドライブフィールを叶えている。
そんな物理的な進化によって、直接的な恩恵を得たのはやはり鮮烈な走りのブラッシュアップだ。モーター由来だからこそ実現される瞬発的な加速は0-100km/hで驚きの2.5秒! 以前、最高性能版の“モデルS P100D”に試乗したときは、アクセルペダルを踏む自分の操作と圧倒的な加速に脳の処理能力が追いつかず、相当なる速度感に慣れているはずの筆者ですら、思わずアクセルペダルを踏む足を途中で離してしまったくらいなのだ。正直、「空を飛ぶのか!?」と思ったくらい凄かった……。つまり、それくらい異次元だっていうこと!
さらに、こ〜んな他に類を見ない走りに加えて、普段使いのアシクルマとして筆者が注目したもうひとつのポイントがある。それはオーディオの性能が素晴らしい、ということ。静粛な室内においては、サウンドのよさは大いなる魅力。アメリカ車のイメージに違わず、広がりが感じられる&乾いたサウンドづくりがされていて、これがなんとも最高なのだ。
クリーンな環境性能はもちろん、大きく改善された乗り心地と異次元の加速。そしてゴージャスな室内で楽しめる極上のサウンド……。やっぱ〈テスラ〉ってスゴイのだ。
★DATA 〈テスラ〉モデルS パフォーマンス
●全長×全幅×全高:4970×1964×1445mm
●車両重量:2316kg
●航続距離(WLTP):593km
●最高速度:261km/h
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1281万円~
●テスラ 青山
TEL:0120-982-428