アクティブな週末は運動神経抜群の1台と!
昔の四駆といえば、悪路には強いが、軽快というにはほど遠いクルマが多かった。でも最近のSUVときたら、見た目は武骨なのに“運動神経”だってバツグン!?
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[ボルボ XC40]
VOLVO XC40
フィギュアスケーターの羽生結弦選手が先日、脚にケガをした。言わずもがなの日本を代表する選手だけに、大手メディアが大々的に報道。テレビでも本人の映像が映し出された。画面に流れたのは松葉杖をついて通用口から戻る姿。で、そのときに思った。「この人、本当に運動神経がいいんだなぁ」と。理由はいたってシンプル。松葉杖のさばきがお見事なのだ。なにやらアスレチック的なゲームでもしているように軽々と使いこなしている。もちろん、これまでにも何度かお世話になっているからかもしれないが、そのさばきがきれいで美しい。さすが! フィギュアスケーター。
なぜそんな話をここでするかというと、これってクルマに似ていると思ったからだ。松葉杖は脇の下でカラダを支え、ケガをした足をつかないためにするもの。よって重心は自然と高くなり不安定になりがちだ。が、そもそも運動神経のいい人、つまり運動性能が高いクルマは、重心位置が高くなってもその性能は失わない、ということになる。
〈ボルボ〉XC40の運動性能はとてもいい。「これってSUV ?」ってほどホットな走りが楽しめる。ステアリング操作に対する足回りの反応はクイックで、そのときのボディの一体感もものすごい。堅牢なボディワークがひとつの塊として動く様は2ドアクーペレベルだ。同じ40シリーズにハッチバックのV40があるが、それに迫る軽快さ。高速道路やワインディングで楽しいのはもちろん、たとえ街中を低速で走ってもステアリングを切るのを楽しく感じさせる。重心位置がV40に比べ高くなっても、そもそものベースがいいので運動性能は変わらないのだ。
その“ベース”となるのが、〈ボルボ〉が開発した新世代プラットフォームCMA、コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー。FFパッケージングを前提にしたコンパクトカー用となる。彼らはSPA、スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャーという中・大型用プラットフォームも持つがそれとは別。狙うのはヨーロッパで一番人気のCセグメントと呼ばれる〈フォルクスワーゲン〉ゴルフに代表される層。そこに向けて、ドイツ勢に負けないクオリティとパフォーマンスを発揮するものとして開発した。
しかも、このプラットフォームはハイブリッドやその先のEVも視野に入れる。となるとXC40がどこか未来的なのもうなずける。でもってどこかアスリート的な雰囲気も兼ね備えているよね。
ほかにもある!
このクルマの楽しみ方&使い方
XC40の特徴は、見た目からも感じられる。〈ボルボ〉らしさを残しながらも新しい提案が多く備わっているからだ。リアドアとルーフエンドが交わる部分は特に個性的。遠くからでもXC40であることがひとめでわかる。デザイナーはもっと単純に、シンプルにXC90やXC60のミニチュア版を作ってもよかったはずだが、彼らはそれをよしとしなかった。XCシリーズにヒエラルキーを持たせるのではなく、それぞれに個性を与えることを優先したのだ。もちろん、今の時代、クルマの大きさでヒエラルキーは測れない。環境問題を意識したり、合理性を重んじるセレブリティや富裕層は多い。つまり、サイズではなく中身の価値を見出すということだ。きっと〈ボルボ〉はXCシリーズでそれを表現したかったのだろう。
また、そうすることでちょっとした遊び心もできた。大きな写真のグレードがそれで、こいつを“メンタム”という。どう? どこかお洒落でしょ。その理由は往年の名車P120系、通称アマゾンからインスパイアされたアマゾンブルーのボディカラーにある。’50年代に登場したクルマだからちょっとミッドセンチュリー的な風合いだ。それにホワイトルーフ。この組み合わせがレトロモダン。まるで今どきのカフェのような感じ。よく見るとサイドミラーとホイールもホワイトというコーディネート。これもサイズでは測れない価値の1つなのだ。う~ん、お洒落!
ココにもソソられる!
01 エクステリア
サイズ以上に存在感をアピール!
スタイリングもそうだがLEDデイタイムライトが個性的。この光り方は〈ボルボ〉特有。サイズは全長4425㎜と短めながら全幅は1875㎜。これは堂々とした存在感をアピールする手法。色によってはフェンダーが目立ち、マッチョに見える。
02 インテリセーフ
安全でなくては〈ボルボ〉じゃない!?
クルマにはセンサーやカメラなど周辺情報を感知するシステムが備わる。他車、人、自転車、大型動物をそれぞれ認識し事故を未然に防ぐためだ。こうした運転支援機能を〈ボルボ〉は
インテリセーフと呼ぶ。安全に最大限の力を注ぐ。
03 インテリア
デザインだけでその価値は相当高い
ダッシュパネルセンターにはすでに他モデルで高評価を得ている縦型のモニターが備わる。オペレーションがしやすいだけでなく、ナビ画面が見やすいのが特徴。エアコン吹き出し口などかなりセンスのいいデザインなのは言わずもがなだ。
SPECIFICATIONS
ボルボ XC 40 T 4 モメンタム
●全長×全幅×全高:4425×1875×1660㎜
●ホイールベース:2700㎜
●エンジン:2ℓ 直4 DOHCターボ
●最高出力:140 kW(190 ps)/ 4700 rpm
●最大トルク:300 Nm/ 1400 - 4000 rpm
●トランスミッション:8速ATギアトロニック
●車両重量:1610 kg
●駆動方式:前輪駆動
●定員:5名
●税込み価格439万円
●ボルボ・カー・ジャパンお客様相談室
TEL:0120 - 922 - 662
雑誌『Safari』2月号 P168・169掲載