マジメなマイナーチェンジに感動! 〈アウディ〉Q8 e-tron
ただいま絶賛開催中の、東京モーターショー改め“ジャパンモビリティショー”。著者も数度足を運んだが、いやはや、会期が終盤に近づくにつれて、平日でもかなりの動員っぷりだ。で、そのショーで目につくのはやはりBEV。しかし、今回ご紹介したいのはショーモデルではなくて、そのBEVのプレミアムセグメントを開拓した、あのクルマのマイナーチェンジ。〈アウディ〉Q8 e-tronをご紹介しよう。
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「え? マイナーチェンジ? そんなクルマあったっけ?」と思うのも無理はない。実はこのQ8 e-tron、導入当時の2020年(日本)には“e-tron”として導入されていた。〈アウディ〉はBEV商品群にe-tronという名を冠し、かなり早い段階からブランド戦略を打ち立ててきた。私の記憶が確かならば、まだ市場にBEVのBの字もない2006年頃にはすでに、電動化戦略としてe-tronの文字が資料に散見されたほど。
で、その記念すべき市販モデル第一弾となったクルマは、ブランド戦略そのものであるモデル名で販売されたのだが、現在すでにS、Q4、GTと、10車種にまでラインナップが拡がっていることを受け、マイナーチェンジのタイミングで、SUVの中のトップモデルであるQ8の名を冠したというワケ。
さて、ルックスこそキープコンセプトながら、大きく変わったのはフォーリングスが2Dになったこと。センサー内蔵を思わせるツルンとしたフォントがお洒落だ。さらにこのフォーリングス含めたグリル周りがすべて艶ブラックになり、ストリートっぽいコナレ感を漂わせる。また、フロントとリアのデザインを小変更し、空力系を見直した。特にリアのディフューザー形状の変更は、e-tron時代から考えても、ずいぶん若々しさを強調しているから注目してほしい。
もちろんBEVのマイナーチェンジの常として、航続距離やバッテリー容量の向上も盛り込まれている。モデルラインナップには50と55というふたつの選択肢があるのだが、50には現行モデルの55に搭載されていたバッテリーをお下がりにし、55は新たにバッテリーセルのスタック方式を見直し、容量を拡大。これにより、55は一充電あたりの航続距離を+23%の501㎞とし、50は+34%の424㎞としている。また、モーターも従来の12コイルから14コイルに変更することで、トルクの向上や低電力&高出力化を叶えた。
というわけで、実際にハンドリングを試してみると、なるほどめっちゃトルクの密度が高い! BEVならではの瞬間的な加速に〈アウディ〉お得意の“クワトロ”、つまり四輪駆動の合せ技で、もとより気持ちよかったコーナリングがさらに“ちゅるん”と快適になった。
今回、ステアリング比の改良や、シャシー(エアサス・ダンパーコントロール)も見直して、これまでちょっと気になっていたドスドス感(重いからね)や、ちょっとしたジタバタ感がきれいに払拭されていることに感動。そう、自動車メーカーらしい、実に生マジメで愚直なマイナーチェンジは、かなり好感の持てる内容だった!
★DATA 〈アウディ〉Q8 50 e-tron Quattro S Line
●全長×全幅×全高:4915×1935×1635㎜
●車両重量:2600㎏
●ホイールベース:2930㎜
●一充電走行距離(WLTCモード):424㎞
●モーター最高出力:250kW
●モーター最大トルク:664N・m
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1099万円~
●アウディ コミュニケーションセンター
TEL:0120-598-106
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