ブランド初の電動SUVはどんなキャラ? 〈フォルクスワーゲン〉ID.4
デザインやその佇まいだけで「お? なんだか面白そう!」な〜んて、直感的に思わせるクルマがある。筆者にとって、まさにコレがそんなタイプ。〈フォルクスワーゲン〉から発表された、全く新しい電気自動車ID.4(アイディーフォー)だ。どう、ちょっと心惹かれない? この、おおよそ〈フォルクスワーゲン〉らしくない(?)ポップでキャッチーな姿。実は扉を開けてもサプライズが隠されていたし、走りだってちゃんとキャラ立ちしていた。さっそくレポートしてみたい。
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特徴的なルックスはご覧のとおり。〈フォルクスワーゲン〉初のフル電動SUVとなるこのID.4は、電気自動車専用に新型のアーキテクチャを開発、採用している。よって、ボディサイズも独自の寸法。実はこのディメンション、同社ミドルサイズSUV“ティグアン”にとてもよく似てはいる。
だけれど、ID.4はほんの少し全長が長く、ホイールベースはうんとたっぷり取られている。つまり前後オーバーハングが極端に短い。もちろんこれは電気自動車ならではの特徴によるもので、ひとつは前後モーターをそれぞれ独立して配置させ、制御することが可能なため、レイアウトに自由が効くということ。そしてもうひとつは床下にバッテリーを敷き詰めるという特性上、ホイールベースを確保する必要があるということ。自動車としてはこれが大正解の配置で、直進安定性に優れた長いホイールベースを担保でき、低重心を叶えるほか、さらにバッテリーセルを保護するためのパーツが剛性部品の役割を果たす。結果、エンジンモデルにないバランスのよさを叶えているというワケ。ID.4もその例に漏れず、このパッケージの恩恵で素晴らしいハンドリングを手に入れている。
「ID.4は100%電気自動車、かつ100%〈フォルクスワーゲン〉です」というのが開発陣の言葉だけれど、確かにID.4はちゃんと〈フォルクスワーゲン〉らしさを濃厚に漂わせていた。感激したのはサスペンションのなめらかさ! 実はID.4、上級グレードの“Pro”では前235/50 R20、後255/45 R20という、かなり勇ましいサイズのタイヤを装着している。下位グレードの“Lite”でも18インチ。
しかし、この20インチというサイズをして、バッテリー重量をものともせず、不思議な“カタ柔らかさ”を備えている。つまり、入力は明確なのに、その先のダンピングがものすごくしなやか。そして、トルクのつけ方が絶妙なのだ。
黎明期の電気自動車は各社ともにとにかく「バビュン!」と飛び出すような加速を味付けとして好んでいたようだけれど、ここ最近はそうでもない。ちゃんとクルマやブランドにあったトルクの出し方を選んでいるように感じる。ID.4も例にもれず、最初はなめらかに、そして途中ではまるでGTIやRモデルのように、ワクワクするような加速感をもたらしてくるのだ。ハンドリングは軽やかだが、曖昧さのないシャープさを持ち、こちらも実に〈フォルクスワーゲン〉らしい。
ただひとつ、〈フォルクスワーゲン〉っぽくないのが、超ポップでキュート、さらに相当質感の高いインテリア! たとえばアクセルペダルには再生マーク、ブレーキペダルにはポースの音楽プレイヤーみたいな模様が。こんな裏切り方なら大歓迎、なんてね。
★DATA 〈フォルクスワーゲン〉ID.4 Proローンチ エディション
●全長×全幅×全高:4585×1850×1640㎜
●車両重量:2140kg
●ホイールベース:2770㎜
●一充電走行距離(WLTCモード):561km
●モーター最高出力:150kW(204PS)/4621~8000rpm
●モーター最大トルク:310N・m(31.6kgm)/0~4621rpm
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:636万5000円
●フォルクスワーゲン カスタマーセンター
TEL:0120-993-199
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