日本人女性が関わった新フラッグシップ! 〈シトロエン〉C5 X
先日〈シトロエン〉から新しいフラッグシップモデルが登場した。セダンでもない、クーペでもない、まるでどこにも属さないようなクロスオーバー。それが今、グローバルでも流行のデザインだが、まさにそのドンピシャにハマるのがコレ。C5 Xだ。
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〈シトロエン〉といえば、C3エアクロスやC4カクタスなど、ちょっと丸みのある、キュートでポップなクルマたちが近年のラインナップの中心だった。いまや欧州MPV(マルチ・パーパス・ビークル=多目的車)の中でもトップセラーとなったベルランゴもまた、どちらかといえばファニーフェイス。しかし、今回のC5 Xはちょっと様子が違う。威風堂々、洗練された都会らしさを濃厚に漂わせているのが印象的だ。
実はこのC5 Xには、日本人デザイナーが深く関わっている。そしてそのことこそが、シンプルで洗練されたデザインの答えでもある。柳沢知恵さんというその人は、カラー&マテリアルデザイナーとして〈シトロエン〉本国で働く唯一の日本人であり、またフランス本国で採用された才媛だ。
2015年、彼女が〈シトロエン〉に採用されたその理由が、ズバリC5Xをつくるためだったという。つまり、これほどまでに開発サイクルの短い現代の自動車産業において、C5Xは実に5年もの時間をかけて開発されたクルマである、ともいえるだろう。
C5 Xはアジア圏での成功を見越してデザインされてきた。そのイニシアチブを握ったのが「シンプルでミニマルな、日本古来のデザインをクルマに落とし込んでほしい」と選ばれた、日本人女性だったということを、改めて誇りに思ってしまう。
全長4805×全幅1865×全高1490㎜のボディサイズは決して大柄ではない。しかしそのぶん、キュッと凝縮されたような印象を受ける。これまでの〈シトロエン〉と違って、メタリックパーツを多用して、上品な大人の雰囲気を演出している。ルーフはブラックで、どのボディカラーを選んでも必ずツートーンカラーとなることも、デザイン当初から決まっていたのだとか。そのボディカラー自体も〈シトロエン〉の前例を無視し、グレー中心のダークトーンにされている。
ホイールは切削面を押し出した、こちらもメタリックなルックス。全体的にピリッと辛口で、甘さは微塵もない。徹底した潔さにこそ、女性デザイナーらしい凛々しさが垣間見えるようだ。
全体的な雰囲気はエクステリア同様かなりの辛口なのに、ディテールに優しいクラフトマンシップがちりばめられているのがインテリアだ。〈シトロエン〉のアイコンといえばダブルシェブロンだが、これが少し遊んだ感じで、様々な場所にあしらわれている。たとえばドア内張りに、ひと筆書きのように。たとえば木目、たとえばダッシュボードのシボ、たとえばシート表皮に、など。一見そうは見えない柄でも、よくよく見ると「これってダブルシェブロン?」と思うようなグラフィックが配されているのがユニーク。さらにそれらのいくつかは、全く同じパターンを使っているため、それぞれを重ね合わせるとピッタリと符号するのだとか。
C5 Xにはプラグインハイブリッドとガソリンエンジンモデルが用意されるが、補助金諸々合わせると、ゴージャスな内外装&装備が選べるプラグインハイブリッドがオススメ。ちなみに〈シトロエン〉ならではの魔法の絨毯ライドが楽しめるサスペンションも新開発とのことで、走りも楽しみ! コチラは追ってレポートしたい。
★DATA 〈シトロエン〉C5 X プラグインハイブリッド
●全長×全幅×全高:4805×1865×1490mm
●車両重量:1790kg
●ホイールベース:2785mm
●エンジン:1.6ℓ直列4気筒DOHCターボチャージャー付き
●エンジン最高出力:132kW(180PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:250N・m/1750rpm
●モーター最高出力:81kW/2500rpm
●モーター最大トルク:320N・m/500~2500rpm
●システム合計最高出力:225PS
●システム合計最大トルク:360N・m
●トランスミッション:8速オートマチック
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:636万円~
●シトロエンコール
TEL:0120-55-4106
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