スイス時計の“頭脳”が目指す理想
機会式時計の心臓といえば、ムーブメント。自社製を製造できるブランドはそう多くないが、〈フレデリック・コンスタント〉は、困難な開発をスピーディに成し遂げ、“ハートビート マニュファクチュール”を生み出した。
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- ハートに火をつけて! Vol.100
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- ハートに火をつけて! Watches
FREDERIQUE CONSTANT
この躍進の立役者となったのが、設計と技術開発を手掛けるピム・コースラグ。アフターサービストレーニングのため来日した彼に、開発の秘話を聞いた。
「ブランドの代名詞である“ハートビート”は、文字盤に小窓を設け、内蔵するムーブメントを見せるデザインが特徴です。このムーブメントの自社開発は2001年にはじめ、2004年に成功。バーゼル・ワールドで受注した500本を私1人で作りました。1人だったからこそ、多くを早く学べたと思います」
ムーブメントのパーツを手にすると、ピムの目はさらに輝き、語りにも熱が。
「機械式時計の設計はマジック! デザインがとても重要です。記憶に残る名車のように、機能だけではない、エモーショナルな時計を作りたいのです」
ピムが手掛けた左の時計は188個のパーツを内蔵
創業30周年記念の88本限定“クラシックパーペチュアルカレンダー トゥールビヨン マニュファクチュール”。ケース径42㎜、自動巻き、SSケース、アリゲーターストラップ、5気圧防水。281万8000円(フレデリック・コンスタント/フレデリック・コンスタント相談室)
Pim Koeslag[ピム・コースラグ]
1981年、オランダ生まれ。時計エンジニア学校に在学中、〈フレデリック・コンスタント〉の社長に出会ってムーブメント開発を約束。マニュファクチュール化を成し遂げ、ブランドの地位を一気に引き上げた。
●フレデリック・コンスタント相談室
TEL:0570-03-1988
雑誌『Safari』 3月号 P224掲載