〈マンダリン オリエンタル 東京〉38階の〈ケシキ〉で、素晴らしい眺望と新料理長のイタリア料理を!
〈マンダリン オリエンタル 東京〉はフランス料理、広東料理、モラキュラー、イタリア料理、インターナショナル料理、ピッツァバー、鮨など、いくつものファインダイニングを擁している。その中でも“注目のアップデイト”があったのは、2024年2月にフルビオ・ベントゥーラさんが新料理長に就任したイタリア料理の〈ケシキ〉だ。
料理長のフルビオ・ベントゥーラさん
フルビオさんはイタリアの海辺の町、サレルノ出身。イタリア料理とフランス料理を学び、世界のラグジュアリーホテルや名店で研鑽を積んできた料理人。食材への深い敬意があり、旬を取り入れたイタリア料理を楽しめるようにと、メニューは3カ月で新しくなる。
フルビオさんの下、ランチにもディナーにも、充実したアラカルトと珠玉のイタリア料理のコースを体験できる。いくつかあるコースの中でも、フルビオさんのクリエイティビティを最も味わえるのが、ディナーコース“イル・ヌォーヴォ(IL NUOVO)”(1万5400円)。アペリティーボ、アンティパスト(前菜)、パスタかリゾット、魚料理、肉料理、デザートという6品構成になっていて、最後にコーヒーか紅茶も付く。コースの一例を紹介しよう。
“ビーフタルタル オリーブ トマト”と“ビーフのジュ バジルエマルジョン スカルペッタ”
最初に酒肴として提供されるアペリティーボは、“ビーフタルタル オリーブ トマト”と“ビーフのジュ バジルエマルジョン スカルペッタ”。前者はトマトに見立てた一品で、フルーツトマトのゼラチンでビーフのタルタル、ケッパー、オレガノを包んだ。肉肉しいしい味わいで、オレガノが爽やかに香る。後者は、旨味の詰まった“ビーフのジュ”(=軽いソース)を、香ばしいオレガノのフォカッチャで“スカルペッタ”(=ぬぐって食べる)スタイルだ。
“ズッキーニスカぺーチェ 花のフリット サフラン”
前菜は“ズッキーニスカぺーチェ 花のフリット サフラン”。ズッキーニは黄色いストライプで目を引くプレゼンテーションで、その花の中にリコッタチーズを詰め、シンプルにフライした。油を含んだズッキーニは、その佳味がふくよかになり、チーズとの相性も抜群。ズッキーニとミントのソースも軽やかで爽やか。
“自家製スパゲットーニ 柑橘バター 牡蠣のチャコールロースト ラムソン 焦がしレモン”
“自家製スパゲットーニ 柑橘バター 牡蠣のチャコールロースト ラムソン 焦がしレモン”は、自家製パスタにこだわるフルビオさん渾身の一品。少し太めで歯応え満点のスパゲットーニが柑橘バターソースによくからむ。ソースは酸味が効いていて、柑橘の香りが豊か。牡蠣の炭火焼は香ばしくて非常にクリーミーで、イタリア・チェターラ産のアンチョビはコクがあって塩気もしっかりしている。
“鰆 サボイキャベツ 色とりどりのビーツ ソレル”
魚料理は、鰆(さわら)の変化を楽しめる“鰆 サボイキャベツ 色とりどりのビーツ ソレル”。腹の部位はローストして旨味を増し、背の部位は甘味のあるサボイキャベツで包んでスチームし、滋味を引き出した。魚の出汁に北海道のビーツとソレルを合わせたソースは酸味がしっかりめで、ビーツのマリネがよいアクセント。
“国産牛サーロイン トマト風味ザバイオーネ スイスチャード モスタルダ マスタード”
“国産牛サーロイン トマト風味ザバイオーネ スイスチャード モスタルダ マスタード”では、脂たっぷりのサーロインをミディアムレアに仕上げた。トマト風味のサバイオーネソースは濃厚でほんのりとした酸味で軽やか。スイスチャードの茎で作ったソースは心地よい苦味があり、自家製の粒マスタードソースはパンチがある。いろいろなソースがあって変化を楽しめるのがいい。
様々な風味を体感できるのが“パンナコッタ ハチミツのキャラメリゼ ベリーシャーベット オリジナルティーのシロップ”。パンナコッタの下にはスポンジ生地が底に敷かれており、カラメリゼした蜂蜜のアイス、ラズベリーの形をしたソルベで構成されている。ベルガモットとウーロン茶をブレンドしたマンダリンオリエンタルティーのジュレがとても上品。
イタリアワインが充実しており、シェフソムリエを務める池田大輝さんがベストな1本をチョイスしてくれる。“ルナリア ペコリーノ アンセストラル ブリュット ナチュレ 2022”(1万円/ボトル)はイタリア・アブルッツォ州のナチュラルスパークリングワイン。豊かなミネラルとなめらかでフルーティな味わいがある。シチリア州の“ドンナフガータ キアランダ シャルドネ 2020”(1万6000円/ボトル)は酸味とミネラルのバランスがいい。バニラのような優雅な香りもあり、前菜や魚介料理にぴったり。
東京を眼下に見渡す眺望もポイント!
〈ケシキ〉はホテル38階に位置し、東京の大パノラマと富士山を借景にするドラマチックな空間となっている。窓が大きいので、日中は採光が多くて気持ちよく、夜は煌びやかな景色が広がる。朝食からディナーまで営業しており、利用しやすいのもいいところ。
料理が刷新され、もっと身近に旬の味が感じられるようになった〈ケシキ〉。新しいホテルグルメのスポットとしておすすめだ!
●〈マンダリン オリエンタル 東京〉ケシキ
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリン オリエンタル 東京38F
営業時間:朝食7:00~10:30、朝食ビュッフェ7:00~10:30
ランチ 11:30~16:00
ディナー17:30~23:00(月~金曜)、17:00~23:00(土・日・祝日)
TEL:03-3270-8188
URL:https://www.mandarinoriental.com/ja/tokyo/nihonbashi/dine/kshiki
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。