ゴラフェ砂漠へ放り出されたような非日常が味わえる〈ディストリクト・ハイブ〉
起伏に富んだ渓谷が連続するグラナダのゴラフェ砂漠。カラカラに乾いた大地は、太陽の角度によって黄土色、ピンク色、レッドとドラマチックに色を変えていく。ダイナミックな大自然の絵巻に取り込まれた、人の暮らしのかけらも感じさせない荒野に、ポツンと建つホテルが、〈ディストリクト・ハイブ〉。100%自給自足ができる、自律型のモジュール(組み立てユニット)だ。
- SERIES:
- 眺めのよいホテル! vol.11
このモジュールなら、どんなところでもホテルができる。水道や電線などインフラのない砂漠だって問題なし。水は空気から作り、その量は1日に250ℓ。電力はソーラーパネルを使い、太陽がなくても2日間は持つ。生活排水は濾過され、灌漑用水として再使用。ゴミは灰に変換する。土地のものは使わず、二酸化炭素の排出は抑えた、完璧なオフグリッドというわけだ。しかもAIを駆使して、モバイルアプリでコントロール。エネルギーの残量や太陽光の発電量、温度や水質などの管理から、ドアの開閉や照明、テレビのスイッチ、室内の臭いまで、あらゆる操作がスマホで可能だ。
客室は、2台のダブルベッドを置くベッドルーム、キッチン&ダイニング、リビング、バスルーム、オープンテラスなどからなる。横長のレイアウトで、それぞれに仕切りもあるが、ガラス張りで周囲と繋がっているよう。人など来ない荒野ゆえ、プライバシー確保は万全だ。
キッチンはあるけれど、小腹がすいたときはどうする? スナックや飲み物なら、オンデマンドでオーダーが可能。料理が苦手な人は、クルマで近隣のレストランへ行く手もある。施設は、ほかにも雄大な渓谷を見わたすインフィニティプールやアウトドアシャワー、スターゲイジングラウンジなども。最新の持続可能なホテル。子供の頃に夢見た未来に、また一歩近づいたようだ。
AIやアプリのおかげで繋がっている安心感がありながら、砂漠の只中へ放り出されたような非日常が味わえる。インテリアや仕上げにこだわった室内は、モダンかつラグジュアリー。
昨年の夏、新たにインフィニティプールを導入。どんなに乾いた気候でも、空気から水を作り出すので、水不足の心配なし。
周囲に人工物がない、断崖絶壁に建つ。居住不可能とされるエリアでも、快適に過ごせるモジュール。可搬型なので、あらゆる場所に設置でき、数時間で使用できる状態に。
乾燥し、澄んだ空気の半砂漠地帯ゆえ、星空観察には格好のロケーション。客室併設のオープンテラスやプール近くのスターゲイジングラウンジで、全天いっぱいに広がる星を。
ヨーロッパ諸都市や中東で乗り継ぎ、スペイン主要都市へ。マドリッドから空路で約1時間、電車なら約3時間でグラナダへ。グラナダからクルマで約1時間30分。
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●ディストリクト・ハイブ[DistrictHive]
住所:Gorafe, Granada, Spain
TEL:+351-22-145-0770
料金:1室€200~300(最大4名まで収容)
URL:https://districthive.com/
雑誌『Safari』4月号 P242~243掲載
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text : Chieko Koseki