光と音楽が柔らかく広がりヴィンテージ家具と共演!
自分たちの城は、立地もデザインも妥協なしに作りあげたい。だから、気に入った物件が空くのを待って購入し、フルリノベーションした六車邸。ガラス越しに繋がる西海岸的開放感と、お互いの存在が見え隠れする都会的な空間配置が絶妙。光に映えるヴィンテージ家具との暮らし、扉の閉開でオンオフをコントロールする空間作り。是非参考に!
- SERIES:
- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.34
六車邸/2LDK/73.3㎡ソファは祖父から譲り受けたヴィンテージ品。窓には〈ナニック〉の天然木のバーチカルブラインドを設置して光をコントロール。閉めれば木張りの壁のように見え、半開にすれば格子戸のようにも見える
東京・中目黒駅からすぐの高層マンションに六車邸はある。街の雰囲気とマンションのセキュリティの高さを気に入り、売り物件が出るのを待って購入。既存の間取りはワクワクしないからと、迷いなくフルリノベーション。築12年で設備も内装も決して古びてはいなかったが、自分たちのこだわりを詰め込んだ。
玄関ドアを開けると、柔らかな光が室内に満ちている。斜め張りにしたヘリンボーンの床が、伸びやかに広がる空間を強く感じさせる。「お互いの気配がわかる開放感のある家にしたい。一方で、音楽配信をする妻のために防音性の高さも必要でした」と六車氏。相反する2つのテーマをクリアにしたのが、壁を取り払い、各室をガラスの間仕切り戸でゆるやかに空間を分けることだった。
角部屋で部屋ごとに日差しが入る時間帯がずれる。しかし、寝室側に入る光もガラス戸越しにリビングに取り込めるのだ。その光あふれるリビングには祖父から譲り受け革を張り替えてリペアしたソファ。伯父からもらったスピーカーなどヴィンテージ品がさりげなく置かれ日常使いされている。木質感豊かなブラインドで日差しと景観をコントロールする、しっとりと落ち着いた大人の空間だ。
夫が在宅ワークをしたり、妻が音楽制作を行ったりする部屋は、LDKの一角に設けた。部屋には2人が並んで作業ができるデスクを造作。壁の有孔ボードのなかには吸音材を入れ、床はカーペットの下に振動吸収パネルを敷いている。近隣に配慮した工夫が空間デザインを壊さぬよう、さりげなく施されている。
朝から晩まで常に音楽があるという六車邸。仕事のスイッチを入れたいときはポップな洋楽を、夜はジャズを聴きながら夜景を眺める。部材までこだわって完成した城で、サラウンドに広がる音の世界を楽しんでいる。
01 ガラス戸を閉めればワークルームに!床のへリンボーン張りは木の種類や色、太さまで指定するこだわりよう。LDの隣のワークルームは、デスクに向かえば生活感が一切目に入らず仕事に集中できる。音楽配信をする妻のワークルームとしても使用するため、上吊りのガラス戸はソフトクロージングタイプで遮音性が高いものを選択
02 シンメトリーで端整なルックスの寝室ベッドの両サイドには、スクエアなラインが美しい〈ピエール・ポラン〉のドロワーテーブル。その上には〈101コペンハーゲン〉のマッシュルームランプをシンメトリーに
03 足元と飾り棚の抜け感が造作収納を軽やかに!シューズクロークは足元を抜き一部を飾り棚にして圧迫感を解消。白い空間に黒のバタフライスツールが映える
伯父から譲り受けた50年モノのスピーカーリビングの一角にあるのは、1970年代に製作された〈ビクター〉のスピーカー、“GB-1H”。球形キャビネットの中に8個のスピーカーが配置され、360度に同じように音が広がる。ジャズバーを営んでいた伯父から譲り受け、天井のサラウンドとともに使用している。今も変わらぬ音の響きやコロンとしたフォルムが、存在感を発揮している。
「賃貸に住んでいるときも、可能な範囲でDIYをして自分たちらしい空間にしていました」という六車夫妻。しかし賃貸ではやれることに限界があるため、お気に入りの街で物件を探したという。壁を取り払いフルリノベーションすることで、六角形の建物の個性を活かした部屋にできたと語ってくれた。
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●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』3月号 P190~191掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo