Safari Online

SEARCH

LIFESTYLE ライフスタイル

2021.01.01


【興梠慎三】自分の得点よりもチームの勝利を狙うエゴイストになる! 1本のアシストが1トップとしての自信に!

“浦和のエース”として、圧巻の得点力を発揮している興梠慎三。名実ともにJリーグ屈指のFWとなった彼が自身の“分岐点”として記憶している試合は、浦和レッズでの記念すべきホームデビュー戦だ。

SHINZO KOROKI
TURNING POINT
2013年3月9日
Jリーグディビジョン1 第2節
VS 名古屋グランパス戦

サッカーのサポーターが、ピッチ上の選手たちを鼓舞するために一体となって歌い上げるチャント。Jリーグ屈指の熱量の高さを誇る浦和レッズのサポーターが、FWの興梠慎三のために唱和するチャントはこんな歌詞だ。“慎三ゴール。浦和のエース。行こうぜ慎三。慎三ゴール”。興梠は浦和に加入後、7年連続で2桁得点をマーク。今季3節の仙台戦では、チーム史上初となるクラブ通算100ゴールを決めている。まさに“浦和のエース”という称号を与えられるのにふさわしい活躍ぶりだ。そんな興梠にとって、忘れられない試合となったのが、まさにこの浦和レッズにおけるホームデビュー戦。2013年シーズンの第2節、ホーム開幕戦となった名古屋グランパス戦だ。移籍後はじめての公式戦となったこの試合で、浦和レッズのエースとして覚醒する確かな手応えを興梠は掴んだという。

「僕は浦和レッズに移籍する前の鹿島アントラーズでは、2トップをやっていました。それが浦和にきて、いきなり1トップを任されて。はじめてだったので、正直どこまで1トップとして通用するのかは自分でも未知数だったんです。実際試合では、得点を決めることはできませんでした。でも、宇賀神が決めた決勝点をアシストすることができました。相手の脅威になることができたし、自分としてもプレイの質は非常によかった。このホーム開幕戦を勝利に導いたことで、自分は浦和で1トップとしてやっていける。そう確信を持つことができたんです」

当時の浦和レッズは、興梠が移籍する前年に就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮のもと、早いパスまわしで敵陣を崩す攻撃スタイルを目指していた。

「ミシャ(ペトロヴィッチ監督)が構築しようとしていた攻撃スタイルにおいて、1トップは絶対に欠かせない存在。でも、僕が移籍するまではなかなかハマる選手が見つからなかったらしく。1トップをやれる可能性があるFWが欲しいということで僕が呼ばれ、その欠けていたパズルのピースが、この試合で完璧にハマった。そんな思いが監督にはあったみたいで。だから、僕としても本当に嬉しかった」

興梠のチームへのフィット感は、1対0のスコアで名古屋グランパスを圧倒した試合内容を見ても明らかだった。実際、当時相手チームの敵将だったピクシーことストイコビッチ監督も、試合後のインタビューで興梠を名指しで絶賛した。ストイコビッチ監督は、選手時代から憧れだった存在。そんなヒーローが自分のことを素晴らしい選手だといってくれたことも、喜びに拍車をかけたという。

「さらに嬉しかったのは、この試合でチームのサポーターにも認めてもらえたこと。移籍する前から、浦和レッズのサポーターは他チームからきた選手をなかなか認めてくれないと聞いていました。本当に認めた選手しか応援してくれないぞと(笑)。でも、このデビュー戦の次の試合で、応援してもらえたんです。これにはまわりがびっくりしていました。お前、もう応援されているの!? って(笑)」

この試合で、興梠が1トップとしてのポテンシャルの高さを証明できたのはいったいなぜなのか。その理由は、決勝点をアシストしたプレイを振り返ると浮かび上がってくる。興梠がアシストした決勝点は、センターサークル付近にいた鈴木啓太からの縦パスが起点になった。その鋭いパスを半身の姿勢を取った興梠は、そのままシュートに持ちこむのではなく、宇賀神へのラストパスを選択。この選択が見事にハマり、相手ゴールを揺らした。

「1トップは得点力ばかりを求められるイメージがありますが、仕事はそれだけじゃない。実は味方のための潰れ役になれるかどうかも評価されるポイントです。そういった味方を生かすプレイに対する意識がひとつの形になったのも、この試合かもしれません。自分が点を取るためのエゴイストではなく、チームを勝たせるためのエゴイストになる。そういう気持ちに切り替わっていきました」

浦和での1トップの経験が、FWとして覚醒するきっかけとなった興梠だが、そこに繋がる意識は高校卒業後に入団した鹿島アントラーズで育まれたようだ。

「特に、FWとしてチームを勝たせる仕事に徹する柳沢 敦さんには、多くを学びました。鹿島時代に先輩から学んだことは、どんな記録にも代えがたい財産です」

サポーターのチャントに応えるかのように得点力を発揮し、チームのためにハードワークし続ける興梠。その背中を見ることは、浦和レッズの若手選手にとっても大きな財産になるに違いない。

サッカー選手
興梠慎三
SHINZO KOROKI
1986年、宮崎県生まれ。鵬翔高校を卒業後、2005年鹿島アントラーズに加入。天皇杯全日本サッカー選手権大会など、数々のタイトル獲得の原動力に。2013年には浦和レッズに完全移籍。ここでも得点を重ね、AFCチャンピオンズリーグタイトルなどをもたらした。


TAMURA'S NEW WORK[大坂なおみ]
臨場感や躍動感が伝わってくる完成形のイラスト。試合会場にいるかのような気持ちに

全体の完成図を想像し下書き

線描きの状態でもこのクオリティ!

陰影はペンの濃さを変えて調整

仕上げは写真を見ながら。細部へのこのこだわりがあるからこそ、世界に認められるイラストが描ける

「力強さと華やかさを伝えたい」
この連載のイラストを手掛けている田村大の新作として、SNSなどで話題を集めたのが、力強い渾身のリターンショットを放つ大坂なおみを描いたこの作品。

「これまではメンタルの弱さで崩れてしまう印象のあった大坂選手ですが、今回の全米オープンではそれを感じさせない強さを発揮。同時に発言力を持つアスリートとしてメッセージを放つ姿も印象的でした。その進化がとまらない姿に感動し、作品を描かせていただきました」

はたして、その見どころとは?

「男性アスリートを描くときは、筋肉を強調して躍動感を表現します。でも、大坂選手は女性なので、あえて線を描かず、色だけで表現するなどの工夫で柔らかさも加味しています。同時に、力強さの中にキラキラとした華やかさのようなものも感じられるように描いたので、そのあたりも楽しんでもらえたら嬉しいですね」

アーティスト
田村 大
DAI TAMURA
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会、ISCAカリカチュア世界大会で総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは10万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。海外での圧倒的な知名度を誇る。Instagram:@dai.tamura

Information

雑誌『Safari』12月号 P238~240掲載

“アスリートの分岐点”の記事をもっと読みたい人はコチラ!

イラスト=田村 大 文= 遠藤 匠
illustration:Dai Tamura  text:Takumi Endo  photo by AFLO
玉木一史ジャパン ジェネラルマネージャーに聞くイタリアの至宝〈マセラティ〉の真の魅力とは?
SPONSORED
2024.04.25 NEW

玉木一史ジャパン ジェネラルマネージャーに聞く
イタリアの至宝〈マセラティ〉の真の魅力とは?

SUV“グレカーレ”が日本カー・オブ・ザ・イヤーの“10ベストカー”に選出されるなど、日本の高級車市場においてますます存在感を増しているイタリアの名門〈マセラティ〉。日本市場を統括する玉木一史に、このブランドが好調である理由を分析してもら…

TAGS:   Urban Safari Cars
俳優・山﨑賢人が語る〈サンローラン〉の新作バッグの魅力!大人のお洒落をキメるのは上質感と遊びのあるデザイン!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

俳優・山﨑賢人が語る〈サンローラン〉の新作バッグの魅力!
大人のお洒落をキメるのは上質感と遊びのあるデザイン!

大人のお洒落を考えるうえで重要なポイントになるのがバッグ。上質な素材と丁寧な作り、そして“ワザあり”なデザインの三拍子が揃ったバッグが、着こなしをさりげなく格上げしてくれる。そこで注目したいのが〈サンローラン〉。見た目も使い勝手も申し分な…

TAGS:   Fashion
テーブス海が〈エンポリオ アルマーニ〉を華麗に着こなす!自分に限界を作らないから無限の可能性がある!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

テーブス海が〈エンポリオ アルマーニ〉を華麗に着こなす!
自分に限界を作らないから無限の可能性がある!

空高く自由に舞うイーグルをあらゆるボーダーを超えていくシンボルとして掲げ、信念をもって挑戦する人々を鼓舞し続けている〈エンポリオ アルマーニ〉。様々な壁を越えて高く舞い上がり、まだ見ぬ理想の世界を求めて進む自由な精神を、今シーズンも体現し…

TAGS:   Fashion
〈UMITO〉で叶う新しい別邸スタイル!贅沢ステイはいつも“海のアリーナ席”!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈UMITO〉で叶う新しい別邸スタイル!
贅沢ステイはいつも“海のアリーナ席”!

平日は都会、週末は海辺という二拠点のライフスタイルが叶うのがUMITO(ウミト)。最大の魅力は、オーシャンフロントの絶景を独占できること。さらにシェアリングサービスと、不動産・別荘やホテルのいいところを併せ持つ“新しい暮らしの形”が実現可…

TAGS:   Lifestyle
色と素材で差がつく〈タトラス〉の新作!初夏のビーチで差がつく格上ウエア!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

色と素材で差がつく〈タトラス〉の新作!
初夏のビーチで差がつく格上ウエア!

大人のビーチスタイルに必要なのは、落ち着いた色使いと上質な素材感。そうすれば、肩肘張らず自然体でいられて、気持ちよく過ごせる。そこで注目したいのが、〈タトラス〉の新作ウエア。優しげなトーンから爽やかな色合いまで幅広く揃う。

TAGS:   Fashion
甘~いカラーが新鮮な〈ラルフ ローレン〉の新作!どこかに“ピンク”でレトロな夏スタイル!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

甘~いカラーが新鮮な〈ラルフ ローレン〉の新作!
どこかに“ピンク”でレトロな夏スタイル!

ピンクは甘い雰囲気の中に、心理的に優しさや思いやりを与える効果があるカラー。だからといって、女性的で男性には似合わない……なんて、決めつけないで! 同じピンクでもスモーキーなトーンなら、南国テイストとレトロなムードがうま~くミックス。大人…

TAGS:   Fashion
〈テーラーメイドアパレル〉で真夏のラウンドをエンジョイ!夏のゴルフは快適&スタイリッシュが常識!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈テーラーメイドアパレル〉で真夏のラウンドをエンジョイ!
夏のゴルフは快適&スタイリッシュが常識!

暑~い夏のラウンド。涼しく快適にプレイしたいけれど、それだけに気を取られているようではまだまだ。そこで、ゴルフファッションにもうるさいモデル&タレントの石倉ノアが、この夏にぴったりのゴルフコーデを紹介。〈テーラーメイドアパレル〉のふたつの…

TAGS:   Fashion
〈ラコステ〉のゴルフラインでオンもオフも充実!レトロなウエアで夏ゴルフを満喫する!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈ラコステ〉のゴルフラインでオンもオフも充実!
レトロなウエアで夏ゴルフを満喫する!

ここ数年のゴルフファッションは“レトロ”がキーワード。色や柄を駆使して、どこか懐かしいムードが漂うアイテムが大豊作! そんななか、この春夏の新作として注目したいのが、〈ラコステ〉のゴルフウエアだ。マルチボーダーやクラシックな総柄をまとった…

TAGS:   Fashion
〈ベル&ロス〉の新作はセラミックのラグスポ顔!リゾート姿を格上げるタフな真っ黒時計!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈ベル&ロス〉の新作はセラミックのラグスポ顔!
リゾート姿を格上げるタフな真っ黒時計!

解放感漂うビーチリゾートでは、コーディネートも自然とラフになってしまいがち。では着こなし以外で、大人らしいクラス感を演出できる手立てはないものか?その最適解は〈ベル&ロス〉の“BR 05 ブラック セラミック”モデルにある。ジュエリーのよ…

TAGS:   Fashion Watches
英国の老舗〈バブアー〉の新作に注目!ヘビロテ必至の大人の夏の定番!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

英国の老舗〈バブアー〉の新作に注目!
ヘビロテ必至の大人の夏の定番!

大人の夏の定番アイテムといえば、Tシャツやポロシャツがその代表。そこに異論がある人はいないと思うが、肝心なのは、そんな定番にどんなものをチョイスするかということ。ここがセンスの分かれめというワケ。で、注目したいのが英国の老舗〈バブアー〉の…

TAGS:   Fashion
〈カシラ〉の新作は素材と柄で違い出し!モノトーンの帽子が“街映え”の決め手!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈カシラ〉の新作は素材と柄で違い出し!
モノトーンの帽子が“街映え”の決め手!

被るだけで、コーデがぐっと見違える帽子。これからの季節、シンプルな着こなしが多くなってくるが、そんなときでも個性出しが簡単に叶う。とはいえ、主張がありすぎるとワル目立ちしたり、浮いて見えたり。で、おすすめは大人っぽくまとまるモノトーン。素…

TAGS:   Fashion
大人の男によく似合う〈エルケクス〉の新作!夏の休日に着たい“アースブルー”のシャツ!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

大人の男によく似合う〈エルケクス〉の新作!
夏の休日に着たい“アースブルー”のシャツ!

空、海、建物、標識……、地球上には様々なブルーがあるけれど、シャツだって同じ。なにしろブルーシャツは濃度や柄のバリエが多彩。素材感が違うだけでもガラリと印象が変わってくる。そこで着目したいのが、地球上の“アースブルー”をシャツに落とし込ん…

TAGS:   Fashion
男のかっこよさはデニムで決まる! 着心地とシルエットの揃った、〈リプレイ〉のデニムにクギづけ! 
SPONSORED
2024.04.19

男のかっこよさはデニムで決まる! 
着心地とシルエットの揃った、〈リプレイ〉のデニムにクギづけ! 

男のファッションは“シンプル”が基本。だからこそ飾らないデニムの風合いは、いつの時代も魅力的に映るのだろう。シルエットや色落ちに多少のトレンドはあるけれど、ベーシックなデニムを長く愛用するのも、芯がとおっていてかっこいい。で、そんな王道デ…

TAGS:   Fashion
Always, My Dear Ocean海の近くで暮らす夢は〈UMITO〉が叶えてくれる。
SPONSORED
2024.03.29

Always, My Dear Ocean
海の近くで暮らす夢は〈UMITO〉が叶えてくれる。

いつか、海の近くに住んでみたい。そんな夢を思い描いている人は多いよう。というのも、仕事のリモート化が進んでからというもの、実際に海沿いの家の人気はうなぎのぼりだからです。ただ、都会の暮らしを手放したくないのも事実ですよね。だからといって、…

プロサーファー・市東重明が体感した、新型“トライトン”の魅力!いつでも自由に!自分らしさを貫く男に似合う武骨なピックアップトラック
SPONSORED
2024.03.29

プロサーファー・市東重明が体感した、新型“トライトン”の魅力!
いつでも自由に!自分らしさを貫く男に似合う武骨なピックアップトラック

本格ピックアップトラックとして世界中で愛されてきた〈三菱自動車〉の“トライトン”が、12年ぶりに国内投入。三菱がラリーの世界で磨き抜いた4WDシステムで高い走破性を実現する一方、唯一無二の個性を主張する精悍なデザインは、「“冒険”の定義を…

TAGS:   Cars

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ