【9選】サンタが世界の街にやってくる⁉︎
クリスマスソングが街に響き、イルミネーションが夜を灯すホリデイシーズン。その輝きはまるで魔法のように人々の心を温め、冬の寒さを忘れさせてくれる。日本では恋人たちのイベントとなっているが、海外では伝統的な風習としてクリスマスを祝う。そんな聖なる時間を旅してみよう。
- SERIES:
- 春夏秋冬 季節のトラベラー! vol.7
太陽の復活を寿ぐ祝祭!
日本では「クリスマスイブは恋人と過ごすイベント」というイメージが強いが、海外では家族で祝うのが一般的。4週間前からはじまる準備期間(アドベント)を外で楽しみ、イブや当日は家族や親族と自宅で食事をして過ごす。賑やかだった街のショップも、24日の午後からクリスマスにかけてどこも閉店してしまい、日本との違いに驚かされる。
そもそもクリスマスとは“キリストのミサ”を意味する英語で、キリスト教徒にとってイエス・キリストの生誕を祝う1年で一番のお祭り。しかし歴史を紐解くと、もともと古代ヨーロッパではこの時期に伝統的な冬至のお祭りが行われていた。
ご存知のとおり、冬至は北半球で一番昼が短くなる日。この日を境に少しずつ日照時間が延びていくため、冬至は春への起点ともなる。これを祝う風習が先にあり、後にキリスト教の布教・信仰活動のためにクリスマスへ結びつけられたといわれている。
実際、クリスマスツリーは古代ゲルマン民族の樹木信仰とユール(冬至祭り)を起源にし、ドイツ発祥で知られるクリスマスマーケットも、かつては冬に備えて肉やお菓子、日用品を持ち寄って交換する場だったとか。
今では宗教を問わず、世界中の多くの人が楽しむクリスマス。贈りものを用意し、ツリーを飾り、サンタの訪れを待つ。恋人であれ、家族であれ、大切な人とともに冬の底から春への一歩を祝いたい。
ドイツ
ドイツ第4の都市、ケルン。市内10カ所以上でクリスマスマーケットが開催されるが、一番人気はこのロンカリ広場のマーケット。世界最大のゴシック建築、ケルン大聖堂のすぐ南側に位置し、高さ157mの双塔のもとに150以上の屋台が並ぶ。その煌びやかな姿は壮観だ。
アメリカ
約5万個のLEDライトをまとったツリーが名物。毎年点灯式がNYから全米にテレビ中継され話題になる(今年は11月29日の予定)。天辺の星はスワロフスキー社製で、直径約3m、重さも250kgと桁違い。1月上旬まで公開され、その後ツリーは建築木材へリサイクルされる。
ハンガリー
王宮や鎖橋など、市内モニュメントのライトアップが美しいブダペスト。クリスマスシーズンになると、なんと市電まで3万~4万個ものLEDライトで装飾される。そして真っ赤な車体のバスもライトアップされ"サンタズ・トロリーバス"として運行。街がさらに光輝く。
イギリス
ロンドン中西部、ノッティング・ヒル駅近くにあるクラシックなパブ。夏は色とりどりの花に覆われた姿で有名だが、クリスマスが近づくと約100本のツリーと2万球以上のライトに包まれ、より幻想的に。ちなみにパブではパッタイやグリーンカレーなどのタイ料理が人気。
イタリア
ウンブリア州ペルージャ県にある、中世の雰囲気を色濃く残す街グッビオ。12月になると、街の背後にそびえるインジーノ山の中腹に高さ約750m、横幅最大約450mのイルミネーションが出現。実際に世界最大のクリスマスツリーとしてギネスブックに認定されている。
ドイツ
シュトゥットガルト、ニュルンベルクとともにドイツ3大クリスマスマーケットに数えられるドレスデン。そのはじまりは15世紀と、世界最古の歴史を持つ。クリスマス菓子“シュトーレン”にその名を由来し、会期中の祭りでは巨大シュトーレンのパレードが行われる。
日本
12月になると、長崎県内のカトリック教会堂がいっせいにクリスマスムードに。日本最古のキリスト教建築物で、国宝・世界遺産の大浦天主堂では、控えめな電飾が周囲を優しく彩り、煉瓦造平屋の建物は白く照らされる。隣接するグラバー園とセットで訪れたい。
フィンランド
フィンランド北部、ラップランドのロヴァニエミ近郊にあるサンタクロース村。村で一番人気なのは“サンタクロースの家”。毎年12月23日の夜には、サンタクロースが世界各地にプレゼントを届けにソリに乗って出発するのを見送るためのイベントが話題となる。
エチオピア
国民の大半がエチオピア正教を信仰するエチオピアでは、一風変わったクリスマスの光景が見られる。エチオピア暦を使用するため1月7日がクリスマスになり、“ゲンナ”と呼ぶ。当日は聖地巡礼のため、街の人口の数倍もの巡礼者がこのラリベラの岩窟教会を訪れる。
雑誌『Safari』1月号 P163~168掲載
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