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Vol.3 オフィスワーカー必見!肩こり予防のためのストレッチ
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オフィスワーカーの代表的な悩みとも言える『肩こり』。首筋から肩にかけての筋肉が緊張し、重く張ったような不快感や痛みを感じる。重度になると仕事のパフォーマンスに影響を与える事もあるのでは?
そこで今回は、肩こりの症状、原因、そして日常でも取り入れることができる、効果的な予防方法について詳しく解説していく。
【肩こりが引き起こす症状と種類】
頭痛
肩こりから来る頭痛は『緊張型頭痛』と呼ばれる。肩や首まわりの筋肉の過度な緊張と血流不足によって頭蓋骨の筋膜にまで影響を及ぼすことで引き起こされている可能性がある。
『緊張型頭痛』は締め付けられるような感覚を伴う頭痛で比較的女性に多く、多数派に分類される
頭痛。仕組みとしては、頭部や頸部の筋肉の過度な緊張によって血流不足が生じ、頭蓋骨を覆っている筋膜の感受性が増大して、痛みを感じる神経が刺激された結果頭痛を引き起こしている。
眼精疲労
肩こりと眼精疲労には深い関わりがあり、両方の症状を訴えるデスクワーカーは多いといえる。眼精疲労状態では、眼球のまわりと、眼球内部の筋肉に負担がかかりすぎていて、『目の焦点調節』がうまくいかず、焦点を合わせにくくなる。
睡眠障害
肩こりが悪化すると、睡眠障害につながることもある。夜に眠れないような肩こりは、筋肉の疲労、肩や首まわりの血行不良、末梢神経のダメージなどが蓄積されている可能性がある。
・姿勢の崩れ
・眼精疲労
・運動不足
などが慢性的に続いてしまうと、睡眠障害につながることがある。
集中力の低下
集中力の低下は、姿勢の崩れによって血流が悪くなり、脳への酸素供給量が低下して起こると考えられる。この姿勢の崩れが改善されないと、次第に肩こりが悪化し、肩こり自体の辛さによって仕事への集中力の低下につながる。
このように負のスパイラルにつながる傾向がある。
【肩こりの原因とは?】
長時間のデスクワーク
デスクワークによって長時間集中して作業をする際、同じ姿勢をキープすることになりやすい。職種によっては、ほとんどの時間を机に向かって行うこともある。その際に不良姿勢をとってしまうことでのカラダへの影響は計り知れない。
机と椅子の高さの調整、パソコン作業の合間の軽いストレッチ等を適切に行うようにしよう。
ストレスと肩こりの関係性
ストレスからくる肩こりには2つのパターンがある。一つは交感神経を刺激する『自律神経ルート』、もう一つは運動神経を刺激する『脳脊髄神経ルート』である。精神的にストレスを強く感じると『自律神経ルート』は交感神経が興奮し、血管が収縮する。一方『脳脊髄神経ルート』は、脳が受けたストレス情報が神経線維に伝わることで筋肉を緊張させる。
どちらのルートも血行の悪化につながるので、肩こりの原因になってしまう。
ストレスの管理が必要になってくるわけだが、これについては、肩こりの予防方法の項目で触れる。
運動不足が引き起こす肩こり
運動不足は、肩こりの四大原因のうちの一つである。運動によって筋肉量の低下を防ぎ、柔軟性を高めることができる。筋肉は血液を送るポンプの役割をしているため、習慣化することで全身の血流改善ができ、肩こりを起こしにくい素地を作ることができるだろう。
【日常の肩こり予防方法】
肩こり予防のための運動
肩こりの予防を目的として運動を行う場合には、筋肉にかける負荷よりも、筋肉をよく動かすことが大切である。血行をよくするために実施するので、ウォーキングやラジオ体操といったもので十分に効果がある。室内の場合には屈伸運動などで替わりになる。その際、手を少し大きく振ることを意識すると肩の筋肉もほぐしやすいだろう。
ストレス管理で肩こりを予防する
ストレス管理(マネジメント)は、セルフモニタリング(自身の心身の状態を観察すること)とストレスコーピング(対処)にわけて考える。
セルフモニタリングを実際に行う場合には、週間活動記録表の作成と、コラム法というものに取り組むことが多い。週間活動記録表とは、起床してから就寝するまでの活動内容と気分の記録をつけるもの。これに対して、コラム法とは、実際に自身が直面した出来事・感情・考えを書き出す手法。
これらに取り組むことによって自分にあったストレスの解消法を見つけることができる。
最近では、セルフモニタリングを行えるアプリケーションなどもあり、手軽に取り組むことが可能だ。
ストレスコーピングに関しては、誰しもに当てはまることとして、以下の2つがある。
・バランスの良い食事を摂ること
・充分な睡眠を確保すること
また、試してみるとよいのが
・入浴後のストレッチ
・ヨガや座禅
・腹式呼吸の実践
・スポーツの実施
などである。
肩こり予防に効く食事
肩こりが長引く場合などに見直したい栄養素に関しては、
ビタミンB群
ビタミンB群は細胞がエネルギーを生み出すために必要なビタミン
B1:ブドウ糖がエネルギーとして使われるために必須のビタミン
B6:細胞がタンパク質からエネルギーを産生するために必要
B12:神経の働きを保つ役割
ビタミンE
末梢血管を広げて、全身の血流を良くする作用がある。不足してしまうと、筋肉の血液循環を悪化させてしまう
クエン酸
筋肉疲労の回復に役立つ
などがあげられるので、次のような食品を意識的に摂取してみてほしい。
ビタミンB群
B1:豚肉・大豆・ゴマ・鮭
B2:卵・牛乳・納豆
B6:カツオ・マグロ・ニンニク
ビタミンE
かぼちゃ・アーモンド・うなぎ
クエン酸
梅干し・柑橘系の果物
また、主食の穀物は、全粒粉など精製の度合が低いものを選ぶことで、ミネラルの摂取量を確保できる。
当たり前のことだが、日々の食事の積み重ねで我々のカラダはできている。上であげたような栄養素を意識して、偏りの少ない食事を繰り返していくことが大切。
【デスク周りでできる!肩こり解消ストレッチ】
ラットプルダウン
1.ハンドタオルの端を肩幅より左右に一握りずつ広く持つ
2.椅子に正しくすわり、タオルを持ったまま頭上に万歳をする
3.顔を正面に向けたまま、頭の後ろで肘を曲げてくる
4.首の後ろまでタオルがきたら、2の姿勢まで戻す
5.2~4の動きを1回として、15回程度繰り返す
ポイント
頭を下に向けてしまうと、肩甲骨の動きにくくなるので、下を向かないように注意する。
同様の理由で、手首の動きに頼らずに上下させるようにしたい。
ダンベルショルダーシュラッグ
1.軽い負荷(数キロ程度)のダンベルを両手に持って立つ
2.軽く胸を張って、息を吸いながら肩をできる限りすくめる
3.一瞬とめてから、息を吐きながらストンと肩を落とす
4.15回程度繰り返す
ポイント
ダンベルがない場合、何も持たずに実施しても問題ない。前肩の状態で引き上げてしまうと肩甲骨が動きにくいので、少し肩を後ろに引いた状態で行うようにする。
肩甲骨ストレッチ
1.肘を90度かつ、肩の高さまであげる
2.両腕を顔の前で合わせる
3.両腕の高さを保ったまま、肩甲骨を背骨に向けて引き寄せ、腕を後方にもっていく
4.頭の上で両手の甲がつくようにゆっくりと腕をあげていく
5.腕をおろしてきて、2の状態に戻す
6.5回程度繰り返す
ポイント
3の動作の際に、肘の高さが落ちる人が多いので、肘を下げないことを優先する。
肘の高さを保てるようになったら、徐々に肩甲骨を寄せる動作を意識するようにしたい。
どのストレッチも、動きになれるまでは鏡などで動作を確認しながら行う方が良い。
速く動かす必要はないので、一つ一つの動作を正確にすることで、運動効果につながるという点に注意したい。
【肩こりにおすすめの枕と寝具の選び方】
肩こりがひどい場合にチェックしたいのが、枕。
枕を選ぶ上では、まず適切に寝返りが打てるかどうかがポイントになる。その上で、脊柱のS字カーブに対して負担がかかりにくいことが望ましい。朝目が覚めた時に枕から頭が落ちていたり、首が曲がっているというような方は、まずは頭のポジションをキープすることが重要なため、低反発枕を試してみていただきたい。
夜中に寝苦しさを感じたり、翌朝にカラダがだるいなどの不調があり、肩こりも起きている場合には、寝返りが適切にできていない可能性が高いので、高反発枕が向いていることが多い。寝返りをうまく打てるようになることで、睡眠時の血流が改善されるので肩こりも改善に向かっていく。
【肩こりが引き起こす症状と種類についてのまとめ】
肩こりが引き起こす症状として、頭痛・眼精疲労・睡眠障害・集中力の低下などがあるが、それぞれが独立しているわけではなく、同時に複数の症状を抱えることもしばしばある。また、頭痛が悪化したり眼精疲労がひどくなった結果として集中力が低下するというように、負のスパイラルに入りやすい。たかが肩こりと軽視したり、職業病のようにとらえずに、本当に酷くならないうちに、手を打っていただきたい。
【著者:吉田怜司】
品川区を拠点に活動するパーソナルトレーナー。トレーナー歴10年。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程修了。修士(スポーツ健康科学)。資格/NSCA CSCS( 認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
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