奈良で噂になっている、旧知事公舎の蔵を鮨レストランとして再生した、8席のみのカウンターバー〈正倉〉!
今、食通が足しげく通うグルメエリアであり、食材産地としても注目を集めている奈良。最近、美味なる鮨&アルコールのマッチングが楽しめるレアな店と噂されているのが、〈紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良〉にある、鮨&バー〈正倉(しょうそう)〉。
奈良公園の西、旧興福寺境内地端に2023年8月に開業した〈紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良〉。大正時代に建てられた奈良県知事公舎をリノベーションしたラグジュアリーホテルとしてご存じの方も多いことだろう。
ホテルのメイン棟に足を踏み入れると奈良の伝統を受け継ぐ和の雰囲気。かつて客間であったというレストランを通り抜けると現れるのが、旧知事公舎の蔵をモダンに鮨レストランとして再生した、8席のみのカウンターバー。
最大8名だけに許された特別な空間
こちらで味わえるのは、ランチ、ディナーともコース“古櫃(KOKI)”のみ。和食料理長の平山和樹さんにおまかせのイノベーティブな鮨コースで、おつまみと握りを組み合わせた12品という構成。
和食や鮨に限ることなく、様々な調理法を駆使。加えて、フランス料理の技法である“デクリネゾン”を取り入れ、ひとつの食材を様々な方法で、例えば、“握り”と“一品料理”に仕上げてくれるという楽しみもある。
取材時のメニューの中から数品と、ペアリングの酒をいくつか紹介していこう。
コース“古櫃(KOKI)”2万6565円。“ワインペアリング付きディナー”(ワイン3種~)3万6685円~
今夜は、ハウスシャンパーニュの“ルイナール ブラン ド ブラン”で彼女と乾杯!
まずは数品、旬の魚介や野菜を使った一品料理が続く。取材時のひと品めは、“アワビのやわらか煮”。スダチの香りをほのかに纏った鮑に、焼き茄子やとろろ、たたきオクラといった地元の野菜の旨味が脇を固める。エレガントな酸味と特有の熟成香が漂う“ルイナール ブラン ド ブラン”との相性はもちろんよし。
続いては、冬瓜と大和(やまと)牛のお椀。まずは澄んだ出汁を味わい、ほっこり。スープを含んだ透き通った冬瓜、ほろっとほどける大和牛のほほ肉の味わいが、シャンパーニュと合わないわけがない!
3品めは、“鯛きずし”。鯛をへぎ造りと、炙り柿の葉寿司のふたつの仕立てで味わうデクリネゾン。へぎ造りは“飲める梅干し”と説明があった自家製の煎り酒で。
コースより、向付“鯛きずし”
シャンパーニュに続いて、ソムリエからの提案は山梨を代表するグレイスワインの“グレイス 甲州”。甲州種の繊細な爽やかさ満点の白ワインは、へぎ造りの食感と煎り酒のほのかな酸味、そして、炙りの軽い薫香のどちらとも響き合う。
5品めは、“烏賊 キャビア”。
コースより、“烏賊 キャビア”
剣先烏賊の握りの上にはフレッシュな国産キャビア〈HAL キャビア〉が乗る。しかも塩分濃度を平山さんが指定したオリジナル。キャビアのいいところだけを凝縮させた味わいは、烏賊のねっとりとした甘味を引き立て、口中で濃厚な旨味の相乗効果を発揮する。
風味豊かながら、飲んだ後はすっきりという食中酒にぴったりの奈良・倉本酒造の“KURAMOTO SE”とともに。
料理の仕上げを目にできるのも、カウンター席だからこそ
コースを通して、ホテル所蔵のアンティークの器や奈良・大和郡山に代々続く赤膚焼・香柏窯の器で供され、目も楽しませてくれる。
7品めは“赤身、トロ”。本マグロのふたつの部位を握りで。わさびは使わず、自家製のガリとの味わいを知る。
コースより、8品目“雲丹、赤酢”
9品めは、鱧を握りと天ぷらで。昆布締めにした生の鱧の鮨と、ほっくりとした鱧の天ぷらを数種の塩で。最後の鮨は大和牛のローストビーフ、そして、留椀は和牛のコンソメスープ。
ワインと日本酒発祥の地とされる奈良の日本酒を盛り込んだペアリングは大いに楽しめた。白ワイン好きと伝えたので白ワインと日本酒がメインとなったが、途中、赤ワインも飲み、食後酒は奈良・西内酒造“談山 貴醸酒”を少し。仕込み水の代わりに日本酒で仕込む極甘口の日本酒で締めた。
海なし県の“奈良で鮨”、そしてお酒との相性を探る新たな旅に、彼女を誘って出かけよう!
●鮨&バー〈正倉〉
住所:奈良県奈良市登大路町62番地 紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良1F
営業時間:ランチ12:00~14:30、ディナー17:30~21:00
無休
TEL: 0742-93-6511
URL:https://www.suihotels.com/shisui/restaurant/
※サービス料込み
はまだふくこの発見! 料理とお酒のベストマッチング!の記事をもっと読みたい人はコチラ!
●雑誌・WEB『Safari』の公式TikTokは
こちらからアクセスしてみて!
ライフスタイルジャーナリスト
美酒と美食はもちろん、ホテル、ビューティ、インテリアなどライフスタイル全般を得意とする。現在はラグジュアリーメディア、ビジネス誌、ホテル専門誌など幅広い媒体に寄稿。美味しいもの探求家でもあり、日々のシャンパーニュは欠かせない。