1足は持ってるんじゃない!?
〈コンバース〉“オールスター”が、 世界中で愛される理由とは?
スニーカーブームも過渡期を迎えた感がある昨今。ここ数年のブームだけでなく、1990年代のブームでも結局は〈コンバース〉の“オールスター”に落ち着いたという人は多かった。まさに色褪せぬ名作とはこのこと。事実、昨今のヴィンテージ市場でも、ヴィンテージオールスター人気が活況だ。もはや、全世界を探しても履いたことがない人はいないと言わしめる永久名作。その魅力に迫ってみたい。
理由2:豊富な色柄バリエーション
理由3:デニムにもスラックスにも合う万能デザイン
発売以来、一説では数億足も製造されたと言われる“オールスター”。世界広しと言えども、これほどの実績あるスニーカーなどないはずだ。1908年に創業した〈コンバース〉(当時はコンバース・ラバー・シュー・カンパニー)が、1917年に生み出したのが“キャンバス オールスター”。バスケットボールシューズとして誕生した同モデルは、その後プロバスケットボール選手のチャック・テイラーが愛用。引退後も多くのプレイヤーに広め人気を拡大した。さらに、シューズの改良についても様々な助言を与えたという功績を称え、1946年から彼の名をアンクルパッチに記すようになった。つまり、シグネチャーモデルの先駆けというわけだ。
1970年代からはファッションアイテムとしても注目を集め、音楽やアートとともにアメリカだけでなく世界中で支持を広めていった。現在ではローテクスニーカーの名作として盤石な存在でありつつ、2022年12月には時代やニーズに合わせた次世代のオールスター、“オールスター Ⓡ”を展開。履き心地をアップグレードしたリアクト2.0のカップインソールや随所にリサイクル素材を採用するなど、新たなバリエーションも続々と登場し進化を続けている。
今回は、定番モデルから新モデルまで一挙紹介。ベーシックなようで奥深い、コンバース・オールスターの世界を堪能あれ。
創業者マーキス・M・コンバース
“オールスター”誕生前の工場写真
チャック・テイラー。彼の名をアンクルパッチに記すようになるほど“オールスター”に大きな功績を残したプロバスケットボール選手
アンクルパッチにスターが搭載された当時作られた“オールスター”
1922~1983年まで刊行されていたバスケットボールのイヤーブック。全米リーグの全スコアや選手紹介、使用シューズなどが掲載されていた
アメリカ・マサチューセッツ州にて創業した〈コンバース〉。当初は雪や雨でも履ける作業用ラバーシューズを製造していたが、通年で履けるシューズを誕生させるべく当時まだ新しいスポーツだったバスケットボールに着目。それが“オールスター”誕生のきっかけだ。その後、1935年にはバドミントン用シューズの“ジャックパーセル”、1940年にはテニス用の“スキッドグリップ”といったスポーツ用シューズの名作も続々と生み出した。
“キャンバス オールスター HI”各6380円(以上コンバース/コンバースインフォメーションセンター)
マイナーチェンジが度々行われつつも、基本設計は変わらない“オールスター”。現在の生産拠点は東南アジアが中心となっているが、同地の工場ではアメリカ生産時代の工場設備が受け継がれている。それは“オールスター”への敬意からだ。米国工場の昔ながらの製法を徹底。いわゆる100年前と同じ作り方を受け継いだおかげで、今日までの“オールスター”があるといっても過言ではない。
“キャンバス オールスター J HI”各1万4300円(以上コンバース/コンバースインフォメーションセンター)
“オールスターJ”と銘打つ日本製は、2013年に登場。小振りな半円形のトウや’60年代から変わらないアンクルパッチのデザインなどでクラシックな雰囲気を演出。張りのある国産キャンバスや光沢のあるハトメなど、こだわりのディテールがあふれている。ヒールラベルには日本製の証”MADE IN JAPAN”の文字が記されている。
“オールスター US 64 MP HI”。右グリーン、左マスタード各8250円(以上コンバース/コンバースインフォメーションセンター)
メイド・イン・ジャパン シリーズと同年にローンチされたのが、“U.S.オリジネーター”。その名のとおり、〈コンバース〉の原点ともいえるアメリカンヴィンテージテイストにこだわったシリーズ。デッドストックさながらの風合いを醸し出す様々なテイストが魅力だ。
“オールスター Ⓡ HI”。イエロー、コバルトブルー、フューシャピンク、ミントグリーン各8250円(以上コンバース/コンバースインフォメーションセンター)
シューレースをとおすことでタンのズレを防止する、タンスリットをプラス履き心地をアップグレードし、さらに踵を深く包み込む設計により高い快適性を実現させたインソール。リサイクル素材を採用している点も環境への配慮が伺える
これぞまさしく進化する定番。リサイクル素材や高機能カップインソールのリアクト2.0を採用している。また、シュータンの横ズレ防止スリットや黒ずみにくいアイレット、リサイクルポリエステル100%のシューレースなど、随所にアップデートが行われている。
普遍的でありながら、実は時代に即した提案も同時に行なっている〈コンバース〉の“オールスター”。スニーカーブーム過渡期の今、選びに迷ったらコレ一択だ!
●コンバースインフォメーションセンター
TEL:0120-819-217
photo : Kouki Marueki(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka