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CULTURE カルチャー

2020.08.29

【まとめ】大御所スター5人の
熱量高めな出演映画25選!

 

 



[シルヴェスター・スタローン]Sylvester Stallone


 

『ロッキー』
製作年/1976年 監督/ジョン・G・アビルドセン 共演/タリア・シャイア、バート・ヤング

伝説シーンが凝縮された傑作!

シルヴェスター・スタローンの代表作と誰もが認めるうえに、ボクシング映画としても最も人気の高い1作として、映画史に燦然と輝く。モハメド・アリの試合を見てアイデアが浮かんだスタローンが自ら脚本を執筆。

当時、俳優としては無名だった彼自身がロッキー役を演じた結果、主人公の挑戦とスタローンのスターとしての大ブレイクが鮮やかに重なった。その結果、アカデミー賞作品賞という栄冠までつかんだのである。

30歳を迎えて、ボクサーとしての夢を失っていたロッキー。しかし、世界ヘビー級チャンピオンのアポロが、無名のボクサーと対戦すると発表。その相手に選ばれたロッキーが、人生をかけてトレーニングに挑む。

ビル・コンティの音楽とともにフィラデルフィア美術館の階段へ向かう早朝ランニング、生卵の一気飲み、ラストのセリフなど、“伝説”となったシーンが多数。スタローンは、このロッキー役を、2018年の『クリード 炎の宿敵』まで、42年間演じ続けたことになる。 

 

『ランボー/怒りの脱出』
製作年/1985年 監督/ジョージ・パン・コスマトス 共演/リチャード・クレンナ、チャールズ・ネイピア

究極のサバイバル戦に興奮!
2019年に最新作(日本は6月26日(金)公開)『ランボー ラスト・ブラッド』が完成するなど、スタローンにとってロッキーと並ぶ“生涯の当たり役”となった、ベトナム帰還兵のジョン・ランボー。シリーズが成功するかどうかのカギは2作めだといわれるが、このランボーも2作めの『怒りの脱出』が好きだというファンが多い。服役していたランボーが、自由と引き換えに与えられた任務は、今もベトナムのジャングルで捕虜となっているアメリカ兵の調査だった。

ベトナム時代の上官で、1作めにも登場した国防総省のトラウトマン大佐が「地獄はランボーの戦場」と語るように、この2作めはトラウマを作ったベトナムが舞台になることで、より過酷で壮絶な戦いが用意された。

ランボーといえば、弓矢の達人というイメージだが、そのアクションが確立されたのも今作。捕虜救出のミッションは怒涛のサバイバルになだれ込むが、現地の案内人であるベトナム女性との切ない恋も展開。シリーズでは珍しく、ランボーのキスシーンもある。 

 

『オーバー・ザ・トップ』
製作年/1987年 監督/メネハム・ゴーラン 共演/デビッド・メンデンホール、ロバート・ロッジア

挫折をバネに立ち向かう姿こそ醍醐味!
妻子を残して家を飛び出したコンボイ運転手が、妻の病気をきっかけに10年ぶりに息子と再会。しかし父と息子の間には、深い溝ができあがっていた……。複雑な親子関係を、スポ根ストーリーと合わせて描く映画はよくあるが、今作の場合、そのスポーツがアームレスリングというのが斬新だった。

公開時の1987年、日本では“腕相撲”という名称が常識だったが、この映画によってアームレスリングという言葉も一般レベルで浸透。アームレスリング大会が盛んになるという、ちょっとした社会現象も起こした作品。

広大なアメリカを、コンボイトラックが疾走する。そんな映像からテンションが上がり、最大の見どころである“筋肉対決”は大盛り上がりの状態。スタローンの上腕には目がクギづけである。もちろん勝負の行方は、息子とのエピソードが左右し、定番の流れとはいえ、ストレートに感動を呼び起こし、目頭が熱くなる。

ロッキーやランボーもそうだが、今作で演じたリンカーン・ホーク役も、屈折や挫折をバネに強敵に立ち向かうという構図が、ほかのアクションスター以上にスタローンにはよく似合うと証明する。のちにプロレスラーとなり、日本のリングで活躍するスコット・ノートンも出演している。 

 

『クリフハンガー』
製作年/1993年 監督/レニー・ハーリン 共演/ジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー

高所恐怖症を克服して挑んだ山映画!
日本では年間トップ(1994年度)のヒットを記録するなど、スタローンのキャリアの中でも人気の高いのが、この山岳アクションだ。同僚の恋人を死なせてしまったレスキュー隊員のゲイブ。気落ちする彼にロッキー山脈からのSOSが届き、国際犯罪組織の罠に巻き込まれていく。

特殊効果は最小限に抑えて、徹底的に肉体のパワーを強調したスペクタクルが見もので、高所や山岳を舞台にしたその後のアクション映画は『クリフハンガー』を引き合いに出されることが常識となった。

『ランボー』のアクション撮影でケガをしたのがきっかけで、高所恐怖症になったというスタローン。そのトラウマを消すために、インナーマッスルと握力を鍛えて今作に挑んだ。絶壁の雪山を素手で、しかもTシャツ1枚で登るなんて、スタローン以外には不可能だとファンならずとも惚れぼれ! 

もちろんスタントマンも大活躍。上空を行く2機の飛行機の間をワイヤーで渡るなど、信じがたい実写シーンも登場する。近年のスーパーヒーローのアクション映像を観慣れた人にとって、このリアル感は貴重。ややヒット作が少なくなってきた時期のスタローンにとって、一発逆転作品としても記憶にとどめておきたい。 

 

『バレット』
製作年/2012年 監督/ウォルター・ヒル 共演/サン・カン、サラ・シャヒ、クリスチャン・スレーター

ベテランらしい抑えた演技が光る!
監督は『ストリート・オブ・ファイヤー』などのウォルター・ヒルで、スタローンとはこれが初の作品ながら、長年、親しい関係だったという2人。そうした信頼感から、監督はスタローンに“抑えた演技”も提案したという。そうした演出によって、スタローンの多くの主演作の中でも独特のムードが生まれたのが、この『バレット』だ。

スタローンが演じるジミーは、スゴ腕の殺し屋である元海兵隊員。少しだけランボーも連想させるが、裏社会に生きる男だ。そんな彼が、相棒を殺されたことで復讐の鬼と化す。敵に近づくため、ジミーが手を組むのは刑事のテイラー。殺し屋と刑事。普通なら協力することのない彼らがコンビとなるわけで、正義と悪の混沌とした世界へと進んでいく。

スタローンも邪悪さとヒーローの両面を好演。すでに60代半ばになっていたので、たしかに全盛期のような肉体のキレはない。 

  



[アーノルド・シュワルツェネッガー] Arnold Schwarzenegger


 

『ターミネーター2』
製作年/1991年 監督・脚本/ジェームズ・キャメロン 共演/リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング

無骨なアクションヒーロー像を確立!
2019年には最新作も公開され、誰もが認めるアーノルド・シュワルツェネッガーの代表作シリーズ。その中でも最高の人気を誇るのが、この第2作。1作めではヒロインのサラ・コナーを抹殺するために未来から送り込まれたターミネーターのT-800。つまり“悪役”だったわけだが、この続編では、サラの息子ジョンを殺そうとするT-1000に対し、ジョンを守ろうとする。悪役が“味方”に変貌したことで、観る者の心をグッとつかんで離さない。

液体金属として姿を自在に変えるT-1000。公開当時はその驚異のビジュアルが話題になった。一方のシュワのT-800が、やや旧式のパワーで、あくまでも真っ向勝負に挑む。マシンなので基本的に無表情。ジョン・コナーから人間の心を学ぶ姿も微笑ましく、無骨のアクションヒーローというシュワの原型が完成した1作と言っていい。日本では1991年、ぶっちぎりのナンバーワンヒット。あの有名なラストシーンや、「地獄で会おうぜ(アスタ・ラ・ビスタ)、ベイビー」といった名セリフなど、いつまでも心に残っている人も多いはず。 

 

『コマンドー』
製作年/1985年 監督/マーク・L・レスター 共演/アリッサ・ミラノ、ヴァーノン・ウェルズ

勢いにまかせた豪快アクションが存分に味わえる!
『コナン・ザ・グレート』の史劇の世界の剣士、『ターミネーター』のT-800と、どこか非現実的な役でスターへの階段を駆け上がっていたシュワルツェネッガー。そんな彼が“現実的”なヒーロー役で初めて認知されたのが、この『コマンドー』だ。

シュワが演じたのは、元陸軍特殊部隊(=コマンドー)の隊長、ジョン・メイトリクス。南米でクーデターが起こり、彼の娘が誘拐される。犯人に大統領暗殺を強要されるジョンだが、その依頼には従わず、単独で敵地に乗り込む。

T-800役からさらに進化した銃撃など、シュワのアクションが確立された1作。セリフ回しがややぎこちなかったりもするが、それさえも魅力に変える、カリスマ的オーラが漂っている。娘を奪還するジョンの行動は、とにかく迷いがなく勢いまかせ。しかし、その勢いが爽快感につながり、作品の持ち味になったという、ある意味で“奇跡”のような作品。シュワのファンには彼の本質を心から味わえるという意味で、根強い人気を保っている。 

 

『プレデター』
製作年/1987年 監督/ジョン・マクティアナン 共演/カール・ウェザース、エルピディア・カリーロ

地球外生命体とのタイマン勝負に血が騒ぐ!
人間を相手にした戦いでは物足りないとばかりに、シュワルツェネッガーが地球外生命体と格闘する。敵となる“プレデター”の、ありえないほど不気味なビジュアルも話題を集めた。シュワが演じるのは、元グリーン・ベレーの隊員で、通称“ダッチ”。南米で消息不明となった要人を探し、ダッチが指揮をとる特殊コマンド部隊がジャングルに分け入っていく。

前半はゲリラ軍との死闘が展開。このあたりはバトルアクション映画のド迫力で、中盤は正体不明の敵がいつ襲ってくるかわからないサスペンス風のムード。地球外生命体のプレデターは肉体を透明化する能力をもち、獰猛な肉食という点が斬新だったが、シュワのほかの作品を観慣れた人には、1対1の戦いが明らかにシュワに軍配……という安心感も!?

『プレデター』は続編も作られ、後にエイリアンと人気キャラ対決する映画も公開された。けれども、ダッチは1作めの後に亡くなったという設定なので、シュワが出演したのは今作のみ。その意味でも貴重。 

 

『ツインズ』
製作年/1988年 製作・監督/アイヴァン・ライトマン 共演/ダニー・デヴィート、ケリー・プレストン

コメディセンスを遺憾なく発揮!
シュワルツェネッガーがほかの大物アクションスターと違うのは、コメディセンスが独特な点。初期の『コマンドー』でも片鱗は覗いていたが、純粋なコメディ作品に主演するのは、これが初めて。製作と監督は『ゴーストバスターズ』のアイヴァン・ライトマン。今作と『キンダーガートン・コップ』で、新たな才能がマックスで発揮された。日本では一時、CMにも出ていたりしたので、こっち側の彼を“シュワちゃん”と呼び、ファンになった人も多い。

シュワが演じるのは双子のひとり。とはいっても、もうひとりは外見が似ても似つかぬダニー・デヴィート。遺伝子操作の実験によって、片方は長身で運動神経バツグン、頭脳も優秀。もう片方は、すべて逆という双子が誕生。大人になって再会した2人が母親を探す旅に出る。

もちろん主演2人の凸凹感が見どころなのだが、すべて優秀のようなシュワ演じるジュリアスが、実は世間知らずで純粋な性格という味つけが笑いを加速。ホッコリするラストまで、シュワ主演作としては安心感も満点! 

 

『ラストスタンド』
製作年/2013年 監督/キム・ジウン 共演/ロドリゴ・サントロ、フォレスト・ウィテカー、ピーター・ストーメア

無敵じゃないキャラが新鮮!
2003年、カリフォルニア州知事に就任し、基本的に俳優業は休止状態となったシュワルツェネッガー。知事の合間に『エクスペンダブルズ』などへの特別出演はあったが、2011年に任期を終えて映画界に本格復帰。2003年の『ターミネーター3』以来、約10年ぶりに主演を務めたのがこの作品だ。演じたのは、メキシコ国境に近い田舎町の保安官。国境を超えて逃亡しようとする凶悪犯の麻薬王を、なんとか阻止しようとする。

公開時、シュワは70歳。作品の中でも年齢にまつわる自虐ネタを披露するし、演じる保安官は無敵のヒーローというわけではない。そんな男が銃をかまえる姿は哀愁も漂い、シュワの新たな方向性が示された1作だ。

過去の作品では基本的にメインとして戦ってきたが、ここでは保安官仲間、武器マニアら町の面々とのチームプレーがメイン。ヒーローのイメージとは遠い彼らの奮闘と絆に、思いのほか感動してしまう。レアな銃器も登場したりと、マニア心もくすぐるはず。 

 



[ロバート・デ・ニーロ]Robert De Niro


 

『ディア・ハンター』
製作年/1978年 製作・監督/マイケル・チミノ 共演/ジョン・カザール、メリル・ストリープ

若きデ・ニーロの共感力がスゴイ!
ロバート・デ・ニーロの初期の代表作といえば、『ゴッドファーザー PARTⅡ』や『タクシードライバー』を挙げる人が多く、早くから強烈なキャラクターを自分のものにする“怪物的名優”と認知されていた。そんな初期のキャリアの中で、“どこにでもいそうな若者”を名演した大傑作が『ディア・ハンター』だ。

アメリカ、ペンシルヴェニア州の鉄鋼の町に住むマイケルは、仲間とともにベトナム戦争に出征することになる。壮行会となるパーティや鹿狩り(ディア・ハンター)という日常風景が一変。ベトナムでのドロ沼の苦境から、あの有名なロシアンルーレットへとなだれ込む。基本的には戦争映画なのだが、出征前の友情を描くシーンがことのほか長いので、観終わった後は、ヒューマンドラマとしての感動が強い。

マイケル役としてのデ・ニーロは、戦争という極限状態で狂気をちらつかせる瞬間もあるものの、強い個性の仲間を思いやる、穏やかな印象が強い。そこに素直に共感させるところが、若きデ・ニーロの才能だ。親友に思いをはせるラストシーンの彼の表情は忘れがたい。アカデミー賞では作品賞など5部門受賞。 

 

『レイジング・ブル』
製作年/1980年 監督/マーティン・スコセッシ 共演/ジョー・ペシ、キャシー・モリアーティ

体重を27kg増やした伝説的作品!
最近ではクリスチャン・ベールや、日本の鈴木亮平のように、役に合わせて極端な体重の増減に挑む俳優が増えたが、その原点といっていいのが今作のデ・ニーロだ。すでにアカデミー賞では助演男優賞を受賞済みで、主演男優賞にも2度ノミネートされていた彼が、念願のその主演男優賞に輝いた記念すべき一作である。

デ・ニーロが演じたのは、実在のミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタ。納得のいかない判定負け、八百長試合などを経験し、タイトルマッチで復活するも、性格が災いして破滅的人生にも導かれる。デ・ニーロはボクサーらしい肉体を作り上げたうえに、引退後の太った姿を再現するため、なんと体重を27kgも増量。信じがたい変貌は、いま改めて観ても驚くばかり!

全編、モノクロ(タイトルなど一部のみカラー)なのだが、その美しさは、ため息が出るほど。生々しさに徹するボクシングのシーンも、モノクロゆえの荘厳さが漂っている。そんな極上の映像美とともに、栄光と挫折、プライドが激しく交錯する劇的な男の運命が強烈に迫ってくる、まぎれもない傑作だ。 

 

『ケープ・フィアー』
製作年/1991年 監督/マーティン・スコセッシ 共演/ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、ジュリエット・ルイス

静かなる狂気に震える!
強烈な役が多かったキャリアの初期を経て、俳優としての円熟期に入ったデ・ニーロが、再び過激な持ち味を全開にしたのが、この作品。若い時代のような振り切った感じではなく、静かに、そして不気味に狂気を漂わせる演技に、名優の底知れぬ実力がマックスで発揮されている。

1962年の名作『恐怖の岬』のリメイク。少女暴行の罪で14年の刑期を終えたマックスだが、自分を救えなかった弁護士への恨みが消えず、その一家に近づき、家族を崩壊させていく。マックスは復讐のために直接、手を下すのではなく、法を犯さないレベルでじわじわと弁護士家族を支配し、彼らの心を操る。映画を観ているこちらも、精神的な恐怖に陥っていき……というサイコスリラー。

全身タトゥーで、過剰に鍛え上げた肉体。外見もインパクト大なうえに、相手の弱みを瞬間的に察知し、利用する動物的本能、そして人のよさそうな態度がモンスターのように豹変する瞬間と、デ・ニーロの演技はトラウマになるほどの迫力。弁護士の娘との危険なやりとりなど、心ざわめかせるシーンが多数! 

 

『グッド・シェパード』
製作年/2006年 製作・監督/ロバート・デ・ニーロ 共演/マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー

監督としての力量も発揮!
ロバート・デ・ニーロの長いキャリアの中で、『ブロンクス物語/愛につつまれた街』に続いて2本めの監督作。もともとフランシス・フォード・コッポラが監督する予定だったが、コッポラは製作総指揮に回り、デ・ニーロにバトンが渡された。とはいえ、重厚かつ骨太な演出力で、監督としての手腕をきっちりと発揮。マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリーという大スターが共演し、デ・ニーロ自身も主人公を諜報機関に誘う将軍役で登場する。

大学生のエドワードが秘密結社に参加したのをきっかけに、やがてCIAの有能な諜報員になるまでを描く。愛する女性がいながら、友人の妹を妊娠させ、結婚するなど私生活のドラマと、世界の運命も左右する仕事の両面を、じっくりと見据えた力作。

デ・ニーロによると「実際のCIA職員が完成作を観て、納得してくれた」とお墨付きをもらったそうで、内部の裏切り者や対立する国のスパイとの攻防など、徹底してリアルだ。メリハリのある展開で、2時間47分という長さを飽きさせない。
 

 

『マイ・インターン』
製作年/2015年 製作・監督/ナンシー・マイヤーズ 共演/アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ

一歩引いた受けの名演技に唸る!
最近のロバート・デ・ニーロは、“老いて、なお過激”と“いい人オーラ”という両面で活躍中。前者の代表格が『アイリッシュマン』での暗殺も請け負うドライバー役なら、後者は『マイ・インターン』だろう。

通販サイトの会社に、シニア・インターン制度で採用された、70歳のベン・ウィテカー役。パソコンの使い方にも疎い彼だが、自然体でやさしい人柄のおかげで、若い社員にとって“癒し”の存在になっていく。なかでも仕事とプライベートの両面に問題を抱える女社長ジュールズには、ベンが長い人生経験を生かした最高のアドバイスを与える。

年齢差によるカルチャー・ギャップでほっこりした笑いを届けつつ、シリアスなトラブルには冷静に、的確に対処して胸を熱くさせる。そんなベン役で、デ・ニーロはあくまでも自然体。ジュールズ役のアン・ハサウェイを前に、一歩引いた受けの演技には、長年のキャリアの余裕が感じられ、デ・ニーロのファンなら感動せずにはいられない。

ストーリー自体はわりと予想どおりだけれど、そうした安心感もデ・ニーロ映画としては異色。若い世代にとって、“理想の上司”“理想のおじいちゃん”が、ここにいる! 

 



[ジョージ・クルーニー]George Clooney


 

『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
製作年/1996年 監督/ロバート・ロドリゲス 共演/クエンティン・タランティーノ、ハーヴェイ・カイテル

テレビスターから映画へと進出!

『ER緊急救命室』のロス先生として大ブレイクした後の初主演映画。脚本は出演もしている奇才クエンティン・タランティーノ。『エル・マリアッチ』『デスペラード』で注目された、当時、新進気鋭のロバート・ロドリゲスが監督を務めたクライムアクション……と思いきや、途中からいきなりヴァンパイアホラーに華麗に転換するという斬新さが面白い1本。

銀行強盗を繰り返しながら逃亡し、メキシコ国境の怪しげなナイトクラブまでやってきたクルーニー演じる兄と、タランティーノ演じる弟のゲッコー兄弟。しかしそこはヴァンパイアの巣窟で、セクシーなダンサーたち(サルマ・ハェック様がダイナマイト級の美しさ)が突如牙をむき大パニックに! 

目の前で繰り広げられる血の饗宴に、ゲッコー兄弟と、人質の牧師(ハーヴェイ・カイテル)とその子どもたちが立ち向かう。タランティーノらしいトークもハチャメチャ展開も血みどろアクションもごった煮のうま味MAX、クセになる1本だ。牧師の娘を演じたジュリエット・ルイスがかっこいい。 

 

『オーシャンズ11』
製作年/2002年 監督/スティーヴン・ソダーバーグ 共演/ブラッド・ピット、マット・デイモン

人柄や“らしさ”が発揮されたS級作品!
詐欺師や泥棒などそれぞれ犯罪のスペシャリスト11人がダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)のもとに集結し、ラスベガスのカジノから大金を盗み出すという軽妙なクライムドラマ。クルーニーをはじめ、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツ、ドン・チードル、ケイシー・アフレックなどなど、超豪華オールスターキャストなので彼らがスクリーンの中で一堂に会しているのを観るだけで眼福!

銃を使わずに切り抜けるあっと驚く計画や、スピーディかつスタイリッシュな展開で、これぞザ・ハリウッドなエンターテインメント。観終わった後も爽快感バッチリ。兄貴的存在のクルーニーを中心にプライベートでも親しくなったキャストたちの息の合ったやり取りも見どころ。彼ら自身が楽しそうに演じているのが実に印象的だ。

クルーニーは続編の『オーシャンズ12』『オーシャンズ13』では製作総指揮を担当。『12』ではキャサリン・ゼタ・ジョーンズやヴァンサン・カッセル、『13』ではアル・パチーノなど、新たなスターが加入、オーシャンの仲間たちも全員勢揃いしたのはクルーニーの人望と人脈のおかげか。 

 

『グッドナイト&グッドラック』
製作年/2005年 監督/ジョージ・クルーニー 共演/デヴィッド・ストラザーン、ロバート・ダウニー・Jr.

信念が詰まった監督作!
ジョージ・クルーニーが『コンフェッション』に続いてメガホン(兼脚本)を執った実話を基にした社会派ドラマ。“赤狩り”の恐怖が横行していた1950年代を舞台に、実在のニュースキャスター、エドワード・R・マローが、真実と正義のためにマッカーシズムに立ち向う姿が描かれる。

当時の雰囲気を再現する美しいモノクロ映像、ジャズをベースにした効果的なサウンドトラックはもとより、静謐な筆致でありながら当時の緊迫感を伝える描写や、ヒシヒシと伝わってくるマローのジャーナリスト魂にアツくなる。

アメリカではセレブが政治的発言をするのは当たり前だけど、クルーニー自身も積極的に発言するタイプで、過去には「俺はリベラルだ」と語ったことも。父ニックがニュースキャスターだったことや、幼い頃よりマローをヒーローだと思っていたということも含め、彼の信念が詰まった渾身の逸品!  

 

『マイレージ、マイライフ』
製作年/2009年 監督/ジェイソン・ライトマン 共演/ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック

クールでスマートな大人の男を好演!
クルーニー演じるライアンは企業の“リストラ宣告人”。アメリカ中を飛び回り、1年のほとんどが出張という生活だ。そのせいか人生哲学も「バックパックに入らない人生の荷物は背負わない」。気軽でドライな人間関係を好む独身だ。

そんなライアンが「出張を廃止し、オンラインでリストラを」と提唱する野心満々の新入社員ナタリー(アナ・ケンドリック)と、旅先で意気投合して大人の関係になるアレックス(ヴェラ・ファーミガ)というふたりの女性との出会いによって、自らの人生や生き方を見つめ直していく。

空港でのスマートかつスムーズな行動の極意、飛行機や滞在先のホテルでの過ごし方など旅慣れたクールな大人の男像を体現するクルーニーはさすがのかっこよさ。けれど、後半、これまでの人生哲学に疑問が生じた彼がふと、自分の“居場所”を考えてみると……。

原題の『Up in the Air』は“上空”とか“浮ついた”という直訳のほかに、“地に足がついていない”というライアンの生き方を差しているのだろう。人との繋がりの大切を感じさせてくれるビタースウィートな珠玉作だ。 

 

『ファミリー・ツリー』
製作年/2011年 監督/アレクサンダー・ペイン 共演/シェイリーン・ウッドリー、ボー・ブリッジス

フツーの男を魅力的に演じ上げる!
ジョージ・クルーニーというと、映画でもプライベートでもセクシーでリア充でモテモテなイメージがあるけれど、本作で演じるのは人生の袋小路に迷い込み、あたふたするごくフツーの男だ。ハワイ在住の弁護士マットは周りには悠々自適な生活をしていると思われがちだが、実際は仕事に忙殺されて家庭を顧みる余裕もない。ある日、妻がボートで事故に遭って昏睡状態になったことをきっかけに、妻には浮気相手がいて離婚を考えていたことが発覚する。

家庭をおろそかにしてきたため意思疎通がうまくいかないふたりの娘、回復見込みのない妻の看取り、妻の浮気相手との対峙。さらにマットは先祖代々に伝わる広大な土地の売却問題にも悩まされる。扱っている要素はシリアスだけど、全体的にはコミカルな雰囲気。

情けなかったりかっこ悪かったりうまくいかなったり思い通りにいかなかったり。誰もが多かれ少なかれ感じる人生のダメな部分を愛してあげたくなる、静かに心揺さぶる作品。アカデミー賞脚色賞受賞。 

 



[ジョニー・デップ]Johnny Depp


 

『妹の恋人』
製作年/1993年 原案・脚本/バリー・バーマン 監督/ジェレマイア・チェチック 共演/メアリー・スチュアート・マスターソン

演技の原点がわかる!
初期の代表作といえば、『クライ・ベイビー』や『シザーハンズ』を思い浮かべる人が多いかもしれない。が、彼の俳優としての持ち味が役にマッチし、なおかつ、その後の演技の原点が見られる意味で、『妹の恋人』を挙げたい。

撮影時、ジョニーは29歳。俳優としての方向性が見えてきた時代。ここで演じるサムは、風変わりなんだけど、相手の心を癒してくれるという難しい役どころ。それをいとも簡単にこなしているジョニーの才能に改めて驚いてほしい。

幼いときに両親を亡くしたジューンは、心の病を抱えたまま大人になった。兄と一緒に暮らす彼女の前に現れたのが、パントマイムのように動く青年、サムである。変な行動を繰り返すサムに、ジューンは閉ざした心を開いていく。

アイロンでパンを焼いたり、テニスのラケットでポテサラを作ったりを、真顔でこなすジョニー。バスター・キートンやチャップリンのモノマネなど映画通が観たら楽しめる“芸”も多数。彼が演じていなければ、屈折した心をもつ主人公2人のキスシーンが、こんなにもピュアにはならなかったに違いない。 

 

『アリゾナ・ドリーム』
製作年/1993年 監督・脚本/エミール・クストリッツァ 共演/ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイ

孤独な魂の男がよく似合う!
ケンタッキー州出身で、先住民族チェロキーの血も受け継ぐジョニー・デップは、大都会ではなく、どこか寂しげな町で生きる孤独な魂の男がよく似合う。

『ギルバート・グレイプ』や『デッドマン』などの傑作が証明しているが、そんな王道ではなく、このアリゾナ州を舞台にしたマニアックな逸品をチョイス。ジョニーが演じる主人公のアクセルは、ニューヨークから故郷のアリゾナへ戻ってきた青年だ。

アメリカン・ドリームにとりつかれた叔父、映画マニアの男、空を飛ぶことを夢みる未亡人と、自殺願望を抱えるその継娘。そんな周囲の変人に翻弄されるアクセルは、アラスカで釣りをする人生の目的も捨て、彼らの夢に寄り添っていく。

この“翻弄される”シチュエーションこそ、ジョニーの魅力が発揮される要因で(年上女性キラーの役が多い!)、素顔に最も近いジョニー・デップが、この映画に刻印されている気もする。

監督は旧ユーゴスラビア出身の、世界的鬼才、エミール・クストリッツァ。魚が空中を浮遊するなど不思議な映像も心に残るし、今作を観たことのない人もメインテーマは耳にしたことがあるはず。それほど音楽も有名な一作だ。 

 

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』
製作年/2003年 製作/ジェリー・ブラッカイマー 監督/ゴア・ヴァービンスキー 共演/オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ

徹底したキャラ作りに脱帽!
映画ファンの間では確実にトップスターの地位を築いていたジョニー・デップが、子供から中高年まで、超メジャーな人気を獲得したのが、このジャック・スパロウ役。ディズニーランドのアトラクションを基にしたとはいえ、ここまでの特大ヒットになったのは、ジョニーのキャラ作りの賜物といえる。

結局、2017年の第5作まで製作。ジョニーにとっても最大の人気シリーズとなったし、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのも、今作が初めて。

海賊船ブラックパール号の船長として、大海原を駆け巡るという、一見、カッコいい役ながら、とぼけた味わいやズレた行動が目立ち、愛すべきキャラとなったジャック・スパロウ。

その裏には、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズや、アニメキャラなどを研究したジョニーの、ひらめき的な役作りがあった。ファッションやメイクにも話題が集中。そしてポイントでは、劇的な運命を背負った海賊の孤独や悲哀もにじませたりして、誰もが憧れる男の姿が、ここにある。 

 

『ネバーランド』
製作年/2004年 原作/アラン・ニー 監督/マーク・フォースター 共演/ケイト・ウィンスレット

スマートでストレートな演技もピカイチ!
ジョニー・デップが演じた役の職業で、意外に多いのは執筆業。『シークレット・ウィンドウ』の作家や『リバティーン』の詩人のほか、ジャーナリストや教授など“ものを書く”職業は彼のイメージに合うのかも。

その代表的な作品が『ネバーランド』だ。演じたのは、『ピーター・パン』を書いた実在の劇作家、ジェームズ・マシュー・バリ。新作の不評で落ち込んだ彼が、4人の子供を育てる未亡人と出会うという、ピュアなストーリーでもある。

未亡人の三男であるピーターに、自分の少年時代を重ねて、新作劇に取り組む。そんなバリを演じるうえで、ジョニーは徹底的に素直なアプローチで挑んだ。強烈なキャラや、外見も変身しての過剰な演技が人気となった時期だけに、ファンからは「ジョニーって、こんなハンサムだったのか」と驚きの声も上がった作品でもある。

その結果、ジャック・スパロウ役に続いて、2度めのアカデミー賞主演男優賞にノミネート。しっとりと温かな感動を誘うクライマックスも、ジョニー作品としては異例かもしれない。 

 

『チャーリーとチョコレート工場』
製作年/2005年 監督/ティム・バートン 脚本/ロアルド・ダール 共演/フレディ・ハイモア、ヘレナ・ボナム=カーター

白塗り特殊メイクが得意!
『シザーハンズ』『アリス・イン・ワンダーランド』など“白塗り特殊メイク系”が似合いすぎる……というか、得意としているのがジョニー・デップ。なかでも強烈なインパクトを残したのが、このウィリー・ウォンカ役だ。

しかも監督は、ティム・バートン。ジョニーとは声の出演作も含めて、なんと9本の映画を一緒に作っただけあって、カルト的なテイストにどう観る者を引き込むのか、心得ている感じ。実際に、奇妙キテレツな世界なのに、ジョニー=ウォンカの魅力に魔法をかけられ、めくるめく映画体験が待ち受ける。

ウォンカは自社が販売するチョコレートに5枚の当たりチケットを同封。その商品を買った子供たちが、秘密のチョコレート工場の内部を見学することができる。夢のような体験に心躍らせる5組の親子が、工場内で衝撃の運命に巻き込まれる物語。

チョコレートを作る“ウンパ・ルンパ”という小さな人たちや、クルミを割るリスの集団など、とにかくシュールで摩訶不思議な世界が展開。内容はブラックなのに、映像はカラフル。“怖い絵本”のような世界に、ジョニー・デップの怪しい笑顔がハマりまくっている。 

 

文=斉藤博昭、熊谷真由子 text:Hiroaki Saito、Mayuko Kumagai
photo by AFLO
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