【まとめ】観ているだけでビーチ気分!?
潮風を感じる海映画5選!
夏といえば、海。けれども、今年は、場所によっては海水浴場が開設されないところや、遊泳を控えるよう呼びかけている地域もあるなど、海遊びも例年どおりとはいかないご様子。ならば、映画で楽しんでみては? 美しいビーチや海が登場する映画を5本セレクト。こちらを鑑賞して夏気分を盛り上げて!
『ザ・ビーチ』
製作年/2000年 原作/アレックス・ガーランド 監督/ダニー・ボイル 出演/レオナルド・ディカプリオ、ティルダ・スウィントン
人生に迷う青年が伝説のビーチで成長していく
名匠ダニー・ボイルの下、若きレオナルド・ディカプリオが“伝説のビーチ”を目指す青春アドベンチャー。一人旅でタイを訪れた青年リチャードは、見知らぬ男から謎の地図を受け取り……。実際にタイのピーピー諸島で撮影された本作だが、“伝説のビーチ”を目指すには何kmもの遠泳も必須! 希望にあふれたリチャードが離島に向かって広大な海を泳ぎ切るシーンでは、水中から上空から収めた映像に魅了される。
もちろん、たどり着いたビーチは、それらを上回る美しさで天国のよう。白い砂浜とエメラルドグリーンの海が脳内を幸せにしてくれる。そんな空間ではしゃぎ、泳ぎ回り、クラゲと戯れ、槍で魚を獲り、好きな女の子と夜の海でデートをするリチャードだが、その幸せは永遠に続くのか……? 人生に迷う青年がやがて自分と向き合い、成長する場として海が機能しているのもいい。
『ブレス あの波の向こうへ』
製作年/2017年 原作/ティム・ウィントン 監督・脚本・出演/サイモン・ベイカー
迫力のある大波シーンも随所に登場
サーフィン+青春という、夏らしい組み合わせの作品。主人公は13歳のパイクレット。内気で文化系の彼が、友人のルーニーとともにサーフィンの魅力にとりつかれていく物語。オーストラリアの小さな街を舞台に、少年が大人の男へと階段を上る、まさに王道の青春ストーリーだ。パイクレットとルーニーを演じる2人は、なんと演技経験ゼロの初挑戦。どちらかというと、サーフィンの実力でキャスティングされたようで、波乗りの映像は本人たちが実演しているというからスゴイ。
そのためリアリティが抜群で、観る側もグイグイと引きこまれていく。迫力のある大波シーンも随所に登場するため、サーフィン好きならカラダが思わずウズウズしちゃうかも。さらに、波乗りだけでなく注目したいのが、2人が親しくなるベテランサーファーのサンドーが教えてくれる秘密の絶景や、神秘的な海中映像。この自然の映像の美しさにも魅せられて唸ってしまう。
一方で、青春映画のテイストも濃厚な本作。暴走しがちな悪友ルーニーとのやりとりやピュアな初恋など、若者の通過儀礼的エピソードもたんまり。心がぐっと締めつけられ、誰もが共感せすにはいられないはず。さらに胸に迫ってくるのは、パイクレットのサンドーへの憧れと、サンドーからパイクレットへの教え。人生の師と未熟な少年がサーフィンに絡めて交わすセリフは名言だらけ。「カラダと心を信じろ」、「やろうと決めた瞬間に半分達成している」……。原作がサーフ文学の金字塔『ブレス:呼吸』なだけに、鑑賞後はまるで小説を読んだような後味が楽しめる!
『天国の口、終りの楽園。』
製作年/2001年 監督/アルフォンソ・キュアロン 出演/ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ
リアルなメキシコの雰囲気が味わえる!
憂いのある色っぽい人妻と、高校を卒業したばかりのリビドー満タンな若者ふたりが、“天国の口”という幻のビーチを目指して、メキシコシティからプエブラ、オアハカを通ってカリブ海沿岸までドライブする青春ロードムービー。
燦々と輝く太陽、土埃の匂いがしそうな田舎の景色、ローカルな食堂や安宿。リアルなメキシコの雰囲気がイキイキと映し出され、メキシコに興味を持つこと必至だ。
ノリで“天国の口”とは言ったものの、ざっくり海に向かうというちゃんとした目的地もない気ままだったはずの旅。けれども、当然、旅の終わりはやってきて、それは同時に青春の終わりも意味するという展開がビターな後味を残す。ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞し、本作でブレイクしたガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナは実際に友人同士で、青春時代特有のやんちゃ感やアホ加減もリアル!
『ハートブルー』
製作年/1991年 監督/キャスリン・ビグロー 共演/パトリック・スウェイジ、ゲイリー・ビジー
ナイーブな雰囲気を纏うキアヌに惹かれる!
パトリック・スウェイジがサーファーかつ強盗団のリーダーを、キアヌがそのサーファーたちの仲間に潜入するFBI捜査官を演じ、友情と逮捕の狭間で揺れる姿を好演。サーフィン(特に夜のサーフィンシーン!)やスカイダイビングのシーンはスタイリッシュかつ迫力があり、惹きこまれること間違いナシ。
監督はイラクを舞台にした『ハート・ロッカー』で女性監督として史上初めてアカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー。製作総指揮は当時、彼女の夫だったジェームズ・キャメロンが務めている。
キアヌは精悍で頼りがいしか感じない『スピード』とは、だいぶ違う印象。本作ではハーバード大卒のエリートながら、カリスマ性のあるパトリック・スウェイジに惹かれ、その関係性や逮捕することに逡巡するようなナイーヴな雰囲気を残している。そこが、”らしく”て、実にイイ!
『アクアマン』
製作年/2018年 製作総指揮/ザック・スナイダー 監督/ジェームズ・ワン 出演/ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ウィレム・デフォー、パトリック・ウィルソン、ドルフ・ラングレン、ニコール・キッドマン
海洋バトルアクションならコレ!
未知のテクノロジーと巨大モンスター軍で、地上の征服を狙う海底アトランティス帝国。それを止められるのは、ただ1人。アトランティス帝国の王族の血を引く男、アクアマンだった。人間の男とアトランティスの元女王の禁断の恋の果てに生まれたアクアマンことアーサー・カリーは、やがて地球の運命を握る戦いに身を投じていくことに。それは、地上に生きてきたアーサーが、海底のヒーローである自分と向き合うプロセスでもあった。
生い立ちから現在まで、アクアマンの物語がたっぷりと語られている。大雑把? いえいえ大らかともいうその性格は豪快で、深刻な状況もユーモアで乗り切るのがアクアマンの持ち味。そのノリはアクションシーンにもいえることで、お魚もびっくりの海中バトルは目まぐるしくダイナミック。それもそのはず、『ワイルド・スピードSKY MISSION』のジェームズ・ワン監督が腕を振っているのだから。これでもかといわんばかりのド派手アクションを披露してくれる。
注目は単に迫力のスゴさだけではない。男たちの成長ドラマも見ものだ。幼くして母と引き離され、出自から目をそらして生きてきたアクアマン。しかし、母のルーツである海底帝国からいつまでも逃げてはいられなかった。なぜなら、自分とは父親の異なる弟、現アトランティスの王が戦いを挑んできたから。人間の血を引いたアーサーを疎み地上を征服しようとする弟、そして地上を守ろうとする兄。壮大な戦いの中に複雑にもつれた兄弟の思いが交錯し、なぜか共感する気持ちが湧いてくるからアラ不思議。地球の戦い、自分の戦いにアクアマンがどんな決着をつけるのか! ちなみに男目線でいえば、ヒロインを演じるアンバー・ハードがツンデレな役柄でとても可愛いのと、母親役のニコール・キッドマンの異常なほどの美肌ぶりなので、それにも注目してみて!
photo by AFLO