ジョニー・デップが、自ら監督を務めた『モディリアーニ!』の公開を前に、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に登壇した。約8年ぶりとなる来日に、にこやかな笑顔のデップが現れると割れんばかりの歓声が響き渡った。
『ブレイブ』(1997)以来、約30年ぶりとなる監督作に挑んだ経緯について聞かれると、「ある日、アル・パチーノから謎の電話がかかってきたんだ。(パチーノの口調をマネをしつつ)“ヘイ、ジョニー。『モディリアーニ!』の監督をしたほうがいいぞ”ってね。ぶっ飛んだことを言うなと思ったんだけど、アルはもともとぶっ飛んでいるからね」と、ハリウッドの盟友とのユニークなエピソードを明かした。
デップとパチーノは、『フェイク』(1997)の共演から親しくなり、その後も連絡を取りあっているそうで、「アルが連絡をくれたってことは、ぶっ飛んでいるけど彼なりに僕にまかせてもいいと思ってくれたんだろうなと思って。自分にとっても大きなチャレンジだと思って引き受けたよ。自分が出演しなくてもいいっていうのも魅力だったね(笑)」と、監督復帰は、パチーノからのお墨つきが大きな決め手になったようだ。パチーノは、本作にモディリアーニの人生を変えたアメリカ人コレクター役として出演している。
ファンとの交流に熱心なことで知られるデップは、レッドカーペットでもサインやセルフィ―に応じた
「撮影では、俳優たちにそのキャラクターになりきって自由に表現してもらったよ。彼らが色々と試しながら演じて、様々な選択肢を僕に与えてくれるのを見て、その中からこれはどうだろう、あれはどうだろう、これはいいね、と決めていったんだ。徐々に形にしていく、という作り方だった」と俳優の力を信じる“ジョニー流”の作品作りも披露。
しかし、その完成には長い道のりがあったようで、「この映画を完成させるのは、長い時間がかかったんだ。実は8年半ぐらい」と、情熱の裏にある制作の苦労も明かした。
「この作品にはすべてがつまっているんだ。モディリアーニというアーティストの3日間を切り取ったものだけど、ハングリー精神と情熱を持っていて、絵が売れなくてもあきらめない、人生をまっとうした画家の物語なんだ。その人生を垣間見ることができて嬉しかったし、日本のみんなに見てもらえるのが嬉しいよ」と、長年情熱を注いできた本作に対し、並々ならぬ想いを語った。
トーク中には、通訳スタッフに向かって「僕がどんなことを話しても、彼女はもっとよく伝えてくれるんだ」と、周囲へのさりげない気遣いもさらりと見せ、会場を和ませる一幕も。
最後に、日本のファンへの感謝を改めて表明。8年半ぶりに日本に戻ってきたことについて「今度はもっと日本に早く戻ってきたい。ひょっとしたら次は3か月後かもしれないよ?」とおちゃめなデップらしい、チャーミングな再会宣言が飛び出した。
1916年、パリを舞台に芸術家モディリアーニの人生を変えた激動の3日間を描く物語。警察から逃げながら、キャリアを終わらせてパリを去りたいと思うモディリアーニ。画家仲間のモーリス・ユトリロ、シャイム・スーティン、モディのミューズであるベアトリス・ヘイスティングスが彼を引き止める。モディは、友人であり画商のレオポルド・ズボロフスキに助言を求めるが、彼の心は混乱するばかり。やがて彼の人生を変えるアメリカのコレクター モーリス・ガニャと出会う。
『モディリアーニ!』2026年1月16日(金)より全国公開
監督/ジョニー・デップ 出演/リッカルド・スカマルチョ 配給/ロングライド、ノッカ
©︎Modi Productions Limited 2024










































































